アビリンピック過去問題|第37回全国(2017)ホームページ


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アビリンピック競技種目「ホームページ」では、依頼主からサンプルページ作成を受注したという想定で制作が行われます。同じ要件でのホームページ作成でありながら、選手それぞれに雰囲気の異なる作品が作られ、見ているだけでも楽しい競技です。

事前課題と当日課題が出されるのが特徴の「ホームページ」。2017年全国アビリンピックの入賞者による作品は非常にレベルが高く、実際に仕事で通用するものが制作されていました。

競技種目「ホームページ」とは? 競技で使われたOSとソフト

アビリンピック競技種目「ホームページ」は、「サンプルページの作成が依頼された」という想定で、要件に従ったサンプルページを作成する種目です。サンプルページの内容は、大会の開催地に関わる内容だったり、環境問題などの時事問題に関わる内容だったりとさまざま。

ホームページ作成技術の他に、UI(ユーザーインターフェース)を意識したデザイン、アクセシビリティへの配慮も欠かせません。事前に指示された課題に取り組み、その作品を当日に改良するという形で競技が進められます。

身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。2017年全国アビリンピック「ホームページ」の参加者は9名でした。

競技に使われたOSは、Windows 10。ホームページ制作に使えるソフトウェアは以下の通りです。

  • ブラウザ:Google Chrome、Microsoft Internet Explorer 11以上
  • テキストエディタ:TeraPad
  • 画像閲覧ソフト:ViX
  • グラフィック制作ソフト:Adobe Illustrator CC、Adobe Photoshop CC
  • ウェブ制作ソフト:Adobe Dreamweaver CC
  • ウェブアプリケーションプラットフォーム:XAMPP for Windows

競技で使うパソコン、プリンタ、OS、ソフトウェア、USBメモリなどは、会場側で用意されたものしか使えません。ノートやメモ、データやプログラムの入った外部記憶装置も持ち込めませんので、注意してください。

選手によってはマウスではなくトラックボールを使う必要があったり、拡大表示や音声読み上げソフトを使ったりして制作しなければならないでしょう。もし障害特性に合わせた支援ソフトや機器を使いたい場合は、事前に事務局に申請して許可を受けましょう。

なお、障害の種類にかかわらず、市販の参考書1冊を当日会場に持ち込むことができます。

「ホームページ」の事前課題と制作上の注意点

競技種目「ホームページ」では、事前公開される課題に取り組み、大会当日までにある程度ホームページを制作しておく必要があります。事前課題に取り組む際は、他の人に作り方を指導してもらったり、知的財産権を侵害したりしないよう注意しましょう。

事前課題の概要

「ホームページ」には、事前課題と当日課題があります。

2017年全国大会の事前課題は、アカペラ音楽グループのコンクール開催を想定し、その開催告知ページを制作することでした。制作するホームページは2種類、全体で100MB以内に抑えるというのが条件です。100MBを超えると評価対象外となることがあります。

制作するホームページの種類別の要件は、以下の通りです。

<「ホームページ」のサンプルページの要件>

  • 1ページのみ作成する
  • 開催告知のPDF文書をダウンロードするためのバナーやテキストを配置する
  • PDF文書は空のダミーの物で構わないが、実際にダウンロードできるようにしておく
  • 写真やイラストを活用することが好ましい
  • 競技者自身が歌う姿の写真やイラストをサンプルページに使用する(複数枚可)
  • 多様な利用者と利用環境に配慮する
  • ソースコードには必ずコメントを入れておく(過度な説明は不要)
  • ファイル名はindex.(拡張子)とする

<「ホームページ」プレゼンページの要件>

  • 1ページのみ作成する
  • 何をどのように配慮し作成したかを記載する
  • 競技者の所属する都道府県名と競技者の氏名を記載する(住所や電話番号は不要)
  • デザインにこだわる必要はなく、要点を箇条書きにする
  • サンプルページへのリンクを配置する(リンク名称:サンプルページ)
  • ファイル名はpresen.(拡張子)とする

事前に制作したこれらの作品は、競技前日に競技用PCにコピーして使います。

制作に使えるソフトや言語と知的財産権など制作上の注意点

事前課題に取り組む際の大前提は、事前課題もアビリンピックの競技のうちだということ。他人の力を借りて制作してはいけません。事前課題をどう作るか、ソースコードをどう記述するかも含めて、選手本人の力で作成しましょう。

制作にあたっては、JavaScriptやPHPの利用が可能です。SQLは使っても使わなくても構いません(使わないことによる減点もなし)。ただし、文字コードはUTF-8に設定してください。

Flashの使用はできません。

XAMPPやWordPressの利用も可能です。これらを使う場合は、大会前日の会場下見の際に、選手自身がUSBメモリ等で持参し、1時間程度で自ら導入しましょう。ただし、競技当日はXAMPPやWordPressが導入されていないPCで作品展示が行われます。展示に支障のないよう、展示用htmlを別途用意してください。

なお、データベースを使う場合は、データベース名に選手自身の名前を含めるなどして、他の選手とかぶらない名称にしましょう。

知的財産権を侵害しないよう十分気をつける必要もあります。ホームページ制作に用いる写真やイラスト、動画、音楽は、競技者のオリジナルでなければいけません。

また、競技前日に競技用PCに事前課題作品をコピーしますが、この時、作品に関係のないファイルや記述をコピーするのは禁止です。不正行為のないよう、十分気をつけましょう。

「ホームページ」の制限時間・当日の課題概要

事前に作成したホームページは、大会当日に出される課題に従って改良することを求められます。2017年全国大会の当日課題は、コンクール結果を掲載するページを制作することでした。

大会当日の時間制限

「ホームページ」の競技時間は3時間。2017年は13:30-16:30で実施されました。

3時間以内に指定のページを作成し、プレゼンページへの追記を行いましょう。

当日の課題概要

大会当日は、事前に制作した作品のブラッシュアップを行いましょう。「ホームページ」の当日課題で具体的にやることは、大きく分けて3つあります。

  • 新たなページの追加依頼に対応する
  • プレゼンページに、何を作業したか分かるよう説明を加え、更新する
  • 事前に作成したサンプルページを残しつつ、競技の中で作成した新しいページを閲覧するためのリンクを追加する

今大会のブラッシュアップ内容は、コンクール結果の掲載。新たなページの追加として、事前課題で作成したサンプルページに以下のページを新規作成・追加することが求められました。

<「ホームページ」で追加する新しいページの条件>

  • コンクール開催後の開催結果報告ページを2ページ以上4ページ以内で作成する
  • コンクールの受賞者(金賞・銀賞・銅賞・敢闘賞)の各グループについて、受賞者の喜びの声と審査員の講評を掲載する(喜びの声と講評は選手が適当に想像して作成)
  • 参加グループの一覧が表形式で見られるようにする(印刷したとき、最上部に「※※※ これは印刷したときのみ現れるテキストです ※※※」と印刷されるように設定)
  • 参加グループ名及び受賞内容等の情報は、指定のファイルに記載しているものを使用する

制作する上で外せないポイントは、以下の3点です。

  • 受賞者の声や全参加者リストを表にする
  • 印刷した時には、印刷用に特別にレイアウトした状態で印刷出来るようにする
  • 障害の有無に関係なくホームページを利用できるよう、アクセシビリティを意識する

新しいページを作成できたら、プレゼンページに説明を加筆したり、事前課題のサンプルページからリンクしたりするのも忘れずに。

完成した作品は、USBメモリに保存して提出します。

「ホームページ」の審査は、主に当日課題に対して行われます。要件の把握ミスや取りこぼしがないよう、しっかり確認してから提出しましょう。

「ホームページ」の評価ポイント

「ホームページ」の審査基準となるポイントは6つ。いずれも重要な項目です。

1つめのポイントは、ホームページ制作の基礎である、仕様に従った制作ができているかどうか。たとえば、金賞・銀賞・銅賞・敢闘賞の各グループを紹介しなければならないのに敢闘賞が記載されていなかったり、喜びの声や講評が抜けていたりしてはいけません。

2つめのポイントは、ホームページ制作技術。分かりやすく使いやすい構造になっているか、リンクや記述に間違いがないかどうかなどのチェックが行われます。

3つめは、訴求力です。せっかく良いアイデアを使って制作されていても、うまく表現されていないと魅力は半減。意図したことをきちんと伝えられるデザイン・構造になっているかどうか、事前課題制作の段階から意識して取り組みましょう。

4つめは、作品の独創性です。使いやすさや分かりやすさを犠牲にしない形で、「自分だったらこうする」というアイデアを活かしましょう。

5つめのポイントは、芸術性。全体の配色や画面構成、画像の使い方など、見る人を惹き付けるような美的センスが評価されます。

最後となる6つめのポイントは、障害のある人もない人もホームページを利用できるよう配慮されているかどうかです。具体的には、画像に代替テキストを設定したり、色覚障害者でも見やすい配色にしたり、キーボードだけでも操作可能なホームページにするなど。音声や動画を使用する場合は、字幕やテキストでの説明があると、聴覚障害者も楽しめるでしょう。

アビリンピック競技種目「ホームページ」は、地方大会でもよく見かける人気種目。全国大会の課題だけでなく、東京アビリンピックやアビリンピック神奈川の課題も見てみると、課題全体の傾向が分かってきます。

依頼主の要望に応えてホームページを作成する練習にもなりますので、全国大会だけでなく地方大会の課題にも挑戦してみてください。

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