精神障害者手帳の申請方法と更新手続き、等級の変更申請


2018年度の精神障害者保健福祉手帳(いわゆる精神障害者手帳)の所持者は約106万人。手帳を所持していると、税金の控除やさまざまな福祉サービスを受けられます。

では、精神障害者手帳の申請にはどのような書類が必要なのでしょうか。交付や更新の際の注意点もあわせて解説します。

手帳の申請方法から交付、有効期限

障害者保健福祉手帳の交付申請には、大きく3つのパターンがあります。

  • 本人が意思の診断書を提出して申請するパターン
  • 本人が障害年金証書等のコピーを提出して申請するパターン
  • 代理人が医師の診断書または障害者年金証書等のコピーを代理で提出して申請するパターン

この3パターンの申請方法から交付までの流れは大体同じですが、提出すべき書類がやや異なります。

診断書による申請方法と必要書類

精神障害者手帳の申請は、市区町村の障害者福祉課担当窓口で申請書類を受け取り、書類等を用意して窓口に提出するというのが、大きな流れ。

医師に診断書を書いてもらって精神障害者本人が申請する場合は、以下のような流れになります。

診断書を提出するパターンで必要なのは、

  • 申請書(市区町村窓口でもらう)
  • 診断書(市区町村の窓口で様式をもらい、医師が作成)
  • 本人の写真(縦4cm×横3cm、裏に生年月日と氏名を書く)
  • 印鑑
  • マイナンバー通知カードやマイナンバー記載の住民票、もしくは個人番号カードの提示
  • 本人確認書類

です。

手帳申請に用いる診断書は、精神障害の初診日から6か月以上たった時点のものでなければいけません。そして、診断書作成日から3か月以内に申請する必要があります。

診断書の作成には時間がかかるため、予め医師に手帳交付の申請について相談をしましょう。診断書作成に十分な時間をかけられれば、医師もていねいな診断書の作成が可能。障害の状態が分かりやすくなり、交付の審査でも適切な判定がされやすいでしょう。

本人の写真は白黒でもカラーでも大丈夫です。ただし、撮影から1年以内のものを使う必要があります。誰の写真か分かるように、裏に生年月日と氏名を書いておきましょう。

本人確認書類については、官公署発行の写真付きのものであれば1つを提示すればOKです。たとえば、運転免許証、運転経歴証明書、写真付きの住民基本台帳カード、個人番号カード、パスポート、障害者手帳などを持っていれば、それを1つ見せるだけで大丈夫。健康保険証や年金手帳など写真付きでない官公署発行のものは、2つ提示する必要があります。

申請書類の提出は原則として窓口提出になります。自治体によっては、郵送での提出も可能ですが、郵送料がかかります。郵送の場合、マイナンバーの提示や本人確認書類はコピーを同封しましょう。詳しくは担当窓口へ問い合わせを。

【参考】精神障害者保健福祉手帳制度|東京都

障害年金による申請方法と必要書類

障害年金証書等のコピーを提出するパターンは、診断書を用意するよりも準備がラクです。障害年金のほうが審査が厳しいため、障害年金をもらっている精神障害者は自動的に精神障害者手帳の交付対象になるからです。

大体の流れは診断書による申請と同じ。ただ、診断書の代わりに以下のものを提出する必要があります。

  • 障害年金証書等のコピー
  • 同意書(手帳交付の審査にあたって年金事務所または共済組合等に障害について照会してもいいよという確認の書類)

これも原則として窓口提出ですが、自治体によっては郵送でも申請可能です。同意書の様式や必要書類の詳細、郵送の注意点については、担当窓口に確認しましょう。

代理人による申請を行う場合

障害者本人が手続きを行えない場合、本人の意思に基づき家族等が代理で申請可能です。

診断書による申請にせよ障害年金証書等のコピーによる申請にせよ、上記の必要書類に加えて、委任状の提出と代理人の本人確認書類の提示が求められます。

手帳の交付と有効期限

申請書類が適切に作成され受理されると、各自治体の精神保健センターが審査を開始。審査には約2か月かかります。もし書類に不備があったり確認が必要になったりすれば、さらに時間がかかりますので、書類は正確に作成しましょう。

審査に通って手帳の交付が決定すると、交付決定のお知らせが郵送されてきます。そのお知らせと認印など必要な物を持って担当窓口へ行けば手帳を受け取れます。

手帳の有効期限は、交付日から2年後の申請月の末日。更新を希望するなら、その手帳の有効期限内に手続きを済ませましょう。

申請したのに手帳が届かない?

「申請したのに、まだ手帳が届かない」と感じる場合、まず確認すべきなのは、そもそも手帳を郵送で受け取れる自治体なのかということです。

多くの自治体で、精神障害者手帳は窓口での受け取り。郵送ができる自治体でも、事前に郵送希望であることを伝えなければなりません。

郵送での受け取りを希望していないなら、申請後2か月は交付決定のお知らせが来るまで待ちましょう。もし3か月過ぎて何のお知らせもない場合は、担当窓口に問い合わせてみてください。

更新の手続きと等級の変更

精神障害者保健福祉手帳の有効期限は2年間。有効期限後も継続して手帳が必要なら、更新手続きを行います。もう必要でない場合は、手帳を返還しましょう。

更新期間と更新手続きに必要な書類

手帳を更新したい場合、手帳に記載されている有効期限の3か月前から更新手続きが可能です。手帳は自動更新ではないので、手帳が必要なら忘れずに手続きを行いましょう。

更新に必要な書類や手続きは、最初の申請と同じ。それらの書類に加えて、現在の手帳のコピーを提出します。

注意しなければならないのは、更新手続きでも、常に前と同じ等級で交付されるわけではないということです。もし症状が変化している場合、それまでとは違う等級で手帳が交付されたり、「非該当」と判定されて交付されなかったりします。非該当になった場合は、手帳を返還しなければなりません。

また、手続きのタイミングによっては、新しい手帳が交付される前に元の手帳が有効期限切れになってしまうことがあります。確定申告や他の福祉サービスの申請時期に有効期限内の手帳がないと、控除や割引・免除が受けられません。

更新の手続きは有効期限の3か月前になったらすぐ始めるのがおすすめ。医師に診断書の作成を依頼する場合は、4か月前あたりから主治医と相談しましょう。

等級を上げたいときは?

精神障害の状態が変化し、障害等級を変更したい場合は、有効期限が来る前でも障害等級の変更申請が可能です。

新規申請と同じ書類に加え、現在交付されている手帳のコピーの提示・提出が必要です。審査によって障害等級の変更が認められると新しい等級の手帳が交付され、有効期限が変更決定の日から2年後の月末になります。

手帳の更新ができないのはどんな時?

手帳の有効期限が近づくと更新のお知らせが届く場合があります。ただ、自治体によっては更新のお知らせを出していないところもあるため、「更新のお知らせがない=手帳の更新ができない」というわけではありません。

更新を希望するなら、自治体からのお知らせがあってもなくても、有効期限の3か月前になったら担当窓口へ行って所定の様式を受け取り、手続きを進めましょう。

手続きをしても手帳の更新ができないのは、「非該当」になった場合です。提出書類等の審査により、精神疾患はあるものの、日常生活および社会生活は他の誰かからの特別な手助けや助言がなくてもできる状態だと判断されたのです。

審査結果が非該当になると不承認通知書が届き、新しい手帳は交付されません。もし非該当となったことに納得できないなら、東京都に対して不服申し立てができます。まずは手帳申請の担当窓口に相談してみましょう。

【参考】
精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準の運用に当たって留意すべき事項の一部改正について|厚生労働省

就職、職場定着に真に役立つ情報をわかりやすく解説。
あなたの就労に活用ください。
TOP