アビリンピックの過去問題|第17回神奈川(2019)縫製とオフィスアシスタント


アビリンピックには、パソコンを使ってデータを処理する種目や清掃技術を競う種目、木材を使って製品を作る種目など、さまざまな競技種目があります。今回紹介するアビリンピック種目は、正確に作業を進める技能が競われるもの。1つは知的障害者のみが参加できる「縫製」、もう1つはオフィスの縁の下の力持ちである「オフィスアシスタント」です。

それぞれどういったスキルが求められているのか、アビリンピック神奈川2019の課題から概観してみましょう。

競技種目「縫製」とは? 出場可能条件・評価ポイント・必要な用具類

アビリンピック競技種目「縫製」は、裁断済みの材料を使って縫製を行う種目です。アビリンピック神奈川2019では、クッションカバーの製作とクッションの完成が出題されました。クッション製作にあたってはポケットを付けたり裁ち目かがりをしたりするなど、細かく仕様が決められています。

知的障害者のみが参加可能で、仕様に従って適切に布地やミシン、アイロン等を使えているかどうかが評価のポイントです。

用具類は、選手が大会前日に搬入するもの、当日に選手が持参するもの、会場で用意されるものの3種類があります。

<大会前日に選手が搬入するもの>

  • ミシン
  • ボビンケース
  • ボビン
  • ミシン針

<大会当日に選手が持参するもの>

  • 糸切はさみ
  • まち針
  • ピンクッション
  • 目打ち
  • ものさし(30cm〜50cm)
  • へら
  • チャコペン
  • その他必要な補助用具等

<会場で用意されるもの>

  • 作業台・アイロン台など
  • 綿ツイルプリント(40cm×112cm、本体分の布地)×1枚
  • カラーツイル(ポケット分の布地)×1枚
  • ミシン糸(60番)×1個
  • クッション材(45cm×45cm)×1個

競技中に工具の貸し借りはできず、途中で製作に失敗があっても原則として材料の再支給はされませんので気をつけましょう。また、当日選手は作業に適した服装で参加する必要があります。

障害特性に応じた補助具が必要な場合は、事前に事務局に相談しましょう。

縫製の制限時間と課題の概要

縫製では、あらかじめ裁断された布が材料として支給されます。その布を使い、指示通りに折ったりミシンで縫ったりして作品を完成させましょう。失敗しても布の再支給はないため、きちんと仕様を確認しながら、ひとつずつ丁寧に作業を進めていきます。

制限時間

縫製の制限時間は2時間です。

2時間以内に、支給された材料を使ってクッションカバーを製作し、中にクッション材を入れてクッションを完成させます。製作にあたって細かい指示が出されますので、用具類の扱いには十分に慣れておきましょう。

課題の概要

アビリンピック神奈川2019の縫製では、クッションカバーの製作とクッションの完成が出題されています。クッションカバーの材料である布はすでに裁断されていますが、一定の幅で端を折り返してアイロンをかけたりミシン縫いをしたりすることが必要です。

縫製仕様は大きく分けて7つです。

  1. ポケット付け
  2. 裁ち目かがり
  3. 印つけ
  4. 口縫い(ミシン掛け)
  5. 中間アイロン
  6. 脇縫い(返し縫い)
  7. 仕上げアイロン

まずポケット付けでは、ポケット布のポケット口をアイロンで折ってステッチをかけ、ポケット周りも指定幅で折ってアイロンをかけます。次に、本体布に厚紙をのせてポケット印をつけ、その印通りにポケット布を置いてしつけ糸で縫い止めたあと、ポケットの折り山から端ミシン(1mm)と押え金幅(6mm)のステッチで止めます。

裁ち目かがりでは、本体布の長いほうの辺を2箇所、ミシンでかがりましょう。

印つけと口縫いでは、本体布表面に耳から2cmの印をつけ、アイロンで折って、さらに2cm折って三つ折りにします。その後、折り山から端ミシン(1mm)で縫います。完成する三つ折り幅は2cmです。

中間アイロンと印つけでは、本体布表面の指定の箇所に厚紙を置き、両端に記しを付けてクッションの形に折り、アイロンをかけましょう。まち針で固定し、脇縫い代1.5cmに印をつけます(2箇所)。

脇縫いは、指示された箇所から縫い始め、指示通りの順番で重ね縫いを行います。縫い始めと縫い終わりは、指定の箇所まで返し縫いが必要です。

ここまで縫い終わったら、クッションカバーを表に返して全体に仕上げアイロンを掛けます。最後に、クッションカバーにクッション材を入れて完成です。

競技種目「オフィスアシスタント」とは? 全体の流れと評価のポイント

アビリンピック競技種目「オフィスアシスタント」は、資料の発送準備や封筒の仕分けを行う技術を競う種目です。身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加できます。

課題は2つあり、1つめは「発送準備課題」、2つめは「封筒仕分け課題」です。それぞれ競技の前に説明時間と練習時間があり、競技標準時間から3〜5分すぎると作業は打ち切りとなってしまいます。

当日の競技は、まず発送準備課題に取り組みます。発送準備課題では、説明と練習を行ったあとに本番開始です。その後、休憩をはさんで2つめの封筒仕分け課題が行われます。最初の説明から競技本番、休憩時間も含めて、当日は全部で約2時間の競技になります。

発送準備課題の評価ポイントは、きちんと送付状に従って所定の位置にきれいに宛名シールが貼られているかどうか、印刷不良のシールを使っていないかどうか、指定の順番に従って資料がセットされ、きれいに入っているかどうか、印刷不良の資料が使われていないかどうか、などです。

封筒仕分け課題では、封筒を指示に従ってどれだけ多く正確に仕分けられるかがポイントです。

オフィスアシスタントの制限時間と課題の概要

オフィスアシスタントの競技課題には説明時間と練習時間が設けられているのが特徴の1つ。ピッキングのルールや仕分けの仕方などを大会当日に覚え、それに従って作業を進めていきます。

特に、送付状に従った資料のピッキングでは、それぞれの封筒に入れる資料の種類や部数が送付状ごとに異なりますので、速さとともに正確さが求められます。

制限時間

発送準備課題の競技標準時間は30分、打ち切り時間は35分。封筒仕分け課題は、標準時間10分、打ち切りは13分です。

発送準備課題の競技本番前には、説明時間15分、練習時間1分があります。一方、封筒仕分け課題の本番前にも説明と練習があり、説明時間5分、練習時間5分となっています。

発送準備課題と封筒仕分け課題の間には、15分間の休憩時間があるので、トイレに行ったり体を休めたりするなど、有効に使いましょう。

課題1「発送準備課題」の概要

発送準備課題の内容は大きく分けて2つです。1つめは、送付状で指示された6種類の宛名シールを角2封筒に貼ること。宛名シールは送付状で指定されたものを封筒の枠の中に、きれいに正確に貼らなければなりません。もし印刷不良のシールがある場合は、それを使わないよう気をつけましょう。

2つめは、送付状で指示された資料をピッキングして、指示順に並べ、きれいに封筒に入れることです。資料はA4サイズのものが4種類、A3サイズのものが1種類あります。A3資料は内側に2つ折りにして入れます。封筒に入れる前に、送付状が一番前になるように順番を整えましょう。

このとき、印刷不良の資料は使ってはいけません。また、送付状の宛名と封筒の宛名が一致するよう、かつ封筒上と資料上が同じになるように封筒に入れます。資料を入れたら、封筒の耳を折っておきましょう。

以上2つができて、その封筒は「完成品」となります。封筒は約30通あり、標準時間内にすべて完成品となった場合は、出来映えの採点にさらに加点されます。

課題2「封筒仕分け課題」の概要

封筒仕分け課題は、5種類の封筒を部署別に分けるという課題内容です。ぱっと見では部署が分からない封筒もあるため、氏名一覧から部署を調べて仕分ける必要もあります。もし氏名一覧で調べても部署が分からないものは、所定の置き場にまとめて起きます。

打ち切り時間内に仕分けが完了した分が採点対象になり、標準時間内に全ての仕分けが終了していれば、出来映えにさらに加点されます。

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