アビリンピックの過去問題|第17回神奈川(2019)製品パッキングと喫茶サービス


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商品を配達してもらったりカフェで店員さんに気持ちの良い接客をしてもらったりなど、さまざまなサービスを受け取っている私たちの生活。アビリンピックの競技種目にも、「製品パッキング」や「喫茶サービス」のように、お客さまが喜ぶものやサービスを提供する種目があります。「製品パッキング」は化粧箱をきれいに組み立てて梱包をする種目、「喫茶サービス」はカフェに来店したお客さまに気持ちよく過ごしてもらうためのスキルを競う種目です。

どういった点が評価のポイントになるのか、アビリンピック神奈川2019の課題から見ていきましょう。

競技種目「製品パッキング」とは? 評価されるポイント

アビリンピック神奈川の「製品パッキング」は、コーナーや化粧箱の組み立てからセットアップ梱包までを行う種目。東京アビリンピックよりも全国アビリンピックに近い課題内容となっています。

身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。

アビリンピック神奈川の製品パッキングの課題は3つあり、課題1「コーナーの組立」、課題2「化粧箱の組立」、課題3「商品の梱包」。組立や梱包の速さ、正確さ、見栄えが評価のポイントとなっています。

速さは、制限時間内にどれだけ多くの数を組立・梱包できるかということ。正確さは、課題図通りにきちんと折り曲げられていること、ていねいに組み立てられていること、きちんとフタが閉まること、指示通りに商品が梱包されていること、梱包材の使い方が正しいこと。そして見栄えは、完成品をきちんと指示通りに並べていること、テープがはがれたり曲がったりしていないことなどです。

商品を受け取った人が不安になったり不快になったりしないような梱包を心がけつつ、課題に取り組みましょう。

製品パッキングの制限時間を課題の概要

製品パッキングには説明と練習の時間があり、課題と課題の間にも休憩時間があります。全体の説明開始から競技終了までは約2時間です。

また、課題1や課題2で組み立てたものを課題3で使うこともこの競技の特徴。課題1や課題2の作品の出来映えが課題3の評価に影響するため、どの課題でもていねいに作業を進めなければなりません。

制限時間

製品パッキングの各課題の制限時間は、課題1が10分、課題2が15分、課題3が10分です。

各競技本番前には、5〜10分間の課題説明時間、5分間の練習時間があり、課題と課題の間には20分の休憩時間も。全体で約2時間の競技になるので、休憩時間になったらトイレ等を済ませ、しっかり体を休めましょう。

課題1「コーナーの組立」の概要

最初の課題である「コーナーの組立」は、10分間で最大50個のコーナー材を折り曲げ、コーナーを完成させます。課題図に従って指定の箇所で折り、なるべく多くのコーナーを組み立てましょう。

出来上がったコーナーは、同じ向きにして並べて置きます。バラバラにおいておくと見栄えの点で評価が低くなるので注意が必要です。

課題2「化粧箱の組立」の概要

2つめの課題「化粧箱の組立」では、化粧箱のフタ・ミ(同じもの)とスリーブ、仕切り2種類(A・B)を指示通りに組み立てます。最大で20個できます。

まずは化粧箱とスリーブを組み立てて、化粧箱(ミ)にスリーブを組み込みます。

次に、仕切りAを指示通りに折ってスリーブに差し込み、仕切りBも指示通りに折って化粧箱(フタ)に組み込みましょう。

最後に化粧箱(フタ)を向きに注意しながらスリーブにかぶせ、下までしっかり押したらできあがり。フタが1cm以上開いていると減点対象ですので、ていねいに組み立て、最後にしっかりフタを押して閉めるのがポイントです。

出来上がった物は同じ向きに置いておきます。

課題3「商品の梱包」の概要

課題3「商品の梱包」では、課題1で作ったコーナー、課題2で作った化粧箱、会場で支給される布、緩衝材、段ボール箱等を使って商品(2019年の課題ではカップ)を梱包し、ガムテープで段ボール箱のフタを閉めるところまで行います。最大で5個つくれます。

まずは化粧箱(ミ)とスリーブの中に商品が動かないようにしっかり詰め、化粧箱(フタ)をきっちり閉めます。

次に、手順に従って段ボールを組み立て、底をテープでとめましょう。この時、テープが剥がれていたり曲がっていたりすると減点対象です。

段ボールを組み立てられたら、緩衝材1枚を中にしきます。緩衝材の上にコーナーを四隅に上向きにして並べ、商品が入った化粧箱を上向きで入れます。その上にコーナーを下向きにして四隅に並べ、化粧箱が動かないようにしましょう。

一番上にもう1枚の緩衝材をしいたら、段ボール箱のフタをしめます。テープできれいにとめる必要があり、箱の側面に貼られているテープは5cm未満でなければなりません。

競技種目「喫茶サービス」とは? 評価されるポイント

アビリンピック競技種目「喫茶サービス」では、カフェの店員として来店したお客さまに接客サービスを提供する技能が試されます。課題は2つ。店内での接客準備〜お客さまの退席後のクリーンナップのみが採点されるのが1つめの課題、店内での準備〜クリーンナップに加えて、突発事態への対応を求められるのが2つめの課題です。

注文品の種類が多く、トレーの上のセッティングも細かく指示されているため、東京アビリンピックよりも難易度の高い課題内容です。

身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。

1つめの課題の評価ポイントは10個あります。

  1. 選手の店員としての身だしなみ(接客に適した服装をしているか)
  2. 入店時のお客さまへの挨拶
  3. おしぼり・お冷・メニュー・伝票の準備
  4. 客席でのサービスや注文の取り方
  5. 伝票の記入の仕方
  6. 注文をきちんと厨房に伝えられているか
  7. 必要なものをトレーに指示通りにセッティングできるか
  8. 客席でのサービスと配膳
  9. 退店時のお客さまへの挨拶
  10. 片付け(クリーンナップ)

2つめの課題のポイントは、上記に加えて突発事項への適切な対応ができるかどうかです。

選手は特定のお客さま1組に対してのみ接客サービスを行い、途中で来店した別のお客さまは接客はしないという点にも気をつけましょう。

喫茶サービスの制限時間と課題の概要

喫茶サービスには明確な制限時間はありません。来店するお客さまは主催者が事前に手配しますので、お客さまの行動や飲食のペースに合わせてサービスを提供することになります。

競技で特に注意が必要なのは、2つめの課題です。突発事項が発生し、自分の判断で対応しなければなりません。どのようなことが起きるかは予告されませんので、当日までにさまざまなケースを考え、対応のシミュレーションをしておきましょう。

制限時間

喫茶サービスには制限時間はありませんが、大体の所要時間は分かっています。1つめの課題の所要時間は5〜7分程度、2つめの課題は10分〜15分程度です。

選手が順番に接客サービスを行うため、競技全体にかかる時間は2時間ほど。自分の番がくるまでは、指定の場所で待機しましょう。

1つめの課題の概要

1つめの課題(1回目の競技)では、決められた手順で基本の作業を行います。まずは、カフェのメニューとトレーの上のセッティングを確認しましょう。

<カフェのメニュー>

  • ホットコーヒー、アイスコーヒー
  • 紅茶(レモン・ミルク)、アイスティー(レモン・ミルク)
  • オレンジジュース
  • クッキーセット(クッキー+コーヒーまたは紅茶)
  • クッキーアイスセット(クッキー+アイスコーヒーまたはアイスティー)

競技会場には選手以外にカフェのスタッフが配置されています。それぞれの人がどこにいるのか、何をする人なのかもチェックしておきましょう。

<カフェのスタッフ>

  • 調理係 2名(チーフ1名)
  • 洗い場係 1名
  • 案内係 2名(選手案内係1名・客案内係1名)

競技が始まったら、まずはお客さまを迎えるために店内で待機(準備)。お客さまが来店したら挨拶をして、おしぼり・お冷・メニューを提供します。お客さまから注文をとって、伝票に記入しましょう。

注文を厨房に伝えたらトレーに必要なものをセッティングし、注文品をお客さまに提供します。

飲食が終わり、お客さまが退席する際は挨拶を忘れずに。その後、テーブルの後片付けを行いましょう。

選手の服装は、接客に適したものであれば普段着や普段のユニフォームで構いません。三角巾、バンダナ等は必須ではありませんが、必要であれば自由に着用できます。

2つめの課題の概要

2つめの課題(2回目の競技)では、1つめの課題に加えて突発事項が発生します。何が起きるかは事前に知らされません。落ちついて判断し、対処しましょう。

もし分からないことがあったり、助けが必要な場合は「調理チーフ」に質問したり援助を頼んだりすることができます。また、「調理チーフ」から指示や促しがあった場合は、それらの指示や促しに従って速やかに行動しなければなりません。

喫茶サービスで最も重要なのは、お客さまが気持ちよく過ごしてもらいたいという気持ちが伝わるような接客サービスを提供すること。慌てず、お客さまのことを考えながら課題に取り組むと、評価が高くなるでしょう。

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