【障害者の在宅ワーク】データベース、プログラミング【職域と事例】


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在宅ワークの職種として人気の高いデータベースエンジニアやプログラマー。高いスキルが必要とされるため人材が不足しがちな分野ですが、やりがいがあり、報酬も高いのが魅力です。

在宅ワークでデータベースやプログラミングに関わる業務を行うために必要な知識やスキル、業務管理などを在宅ワーク事例とともにご紹介します。

高スキルを生かす「データベース」「プログラミング」

在宅ワークに適する職域の代表例はIT系の業務です。特にデータベース構築やプログラミングといった高いスキルを必要とする職域では、業務を担当できる人材が少ないこともあって高報酬で発注されるケースが多く見られます。

これからスキルの習得、スキルアップを図る場合は、データベース開発やプログラミングの業務を行うためにどのような知識やスキルが必要かを知らなければなりません。

必要な知識やスキル

在宅でデータベース開発やプログラミングの業務を行うにあたり、第一に求められるのは、職業人としてのビジネスマナーや基礎的なパソコンスキルといった「在宅ワークに欠かせない知識・スキル」です。

職業生活のリズムづくり、あいさつや業務連絡の仕方の習得、日々の連絡や会議などで使われるソフトウェアなどの使い方などを習得する必要があります。

<在宅ワークに欠かせない知識・スキル>

  • 職業意識
  • ビジネスマナー
  • 基礎的なパソコンスキル
  • テレワークでよく使われるツール(メール・ビジネスチャット・Web会議システム等)

テレワークでよく使われるツールについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご確認ください。

(関連記事)
【障害者の在宅ワーク】在宅ワークに役立つコミュニケーションツール11選

次に、データベースやプログラミング関連の業務に直結する知識とスキルを身につける必要があります。

たとえばデータベースに関しては、具体的には情報システムに関する全般的な知識、オラクル製品、SQL Server、MySQL、PostgreSQLなどの代表的なデータベースソフト、SQL言語についての知識、データモデルなどについての知識や理解、それらを扱うスキルが求められます。

<データベースに必要な知識・スキル>

  • 情報システムに関する知識
  • データベースソフトに関する知識とスキル
  • SQL言語についての知識・理解
  • データモデルなどについての知識・理解

プログラマーなら、プログラミング言語についての知識とそれを使えるスキルを習得しなければなりません。ただし、さまざまなプログラミング言語がありますので、初めは自分が習得しやすいものや人気の高いものから取り組むのがおすすめ。学習のしやすさや応用範囲の広さならPhyton、Web関連業務に携わるならJavaScriptが実用的でしょう。

TIOBE Softwareが発表する2021年のプログラミング言語ランキングでは、以下がTOP5でした。

<評価の高いプログラミング言語>

  1. Phyton
  2. C
  3. Java
  4. C++
  5. C#

データベースやプログラミングのスキルを磨くには?

データベース構築やプログラミングのスキルを磨くには、就職前なら就労移行支援事業所などでIT系の講座を受講する、就職後なら所属事業所でスキルアップ研修を実施するといった手段があります。

「障がい者としごとマガジン」編集部がある就労移行支援事業所ルミノーゾでも、IT系資格取得に向けた講座として

  • VBA基礎(操作編)
  • プログラミング基礎(Java)
  • プログラミング基礎(VB.NET)
  • SQL基礎
  • JavaScript基礎
  • Webアプリケーション開発(Java)

などを実施しています。

以下のようなサーティファイのビジネス能力認定試験で合格すれば資格を得られますので、ステップアップの目標にもなるでしょう。

<データベース構築、プログラミングに関する民間の資格試験>

  • 情報処理技術者能力
  • Java プログラミング能力
  • C言語プログラミング能力
  • 実践 Java 技術者
  • ジュニア・プログラミング検定
  • 実践プログラミング技術者

データベース開発・プログラミングの業務管理

IT系業務の業務管理は、在宅ワーカーの得意分野を生かしたチーム制が効果的です。

チーム制は分業しやすい業務全般に有効な方法ですが、集中的な作業が必要で納期管理も大変なデータベース、プログラミング系の業務ではいっそう力を発揮するでしょう。

後でご紹介する株式会社沖ワークウェルもチーム制を採用しており、各自のスキルを生かした能率的な作業の進め方と、急な体調不良にも対応できる柔軟さが評価されてきました。

特に健康管理におけるメリットにより、メンバーの負担を減らしつつ業務も進められるのが特徴です。

もちろん、普段の業務遂行においてもチーム制は大きな力を発揮します。業務を細分化して任せることが可能になるため、各自の得意分野や作業環境を生かしつつ協力しながら業務を進められるからです。作業効率がアップするとともに在宅ワーカー本人の自信にもつながるでしょう。

こうしたメリットを最大限に引き出すには、依頼者とチームの橋渡し役を配置したり、プロジェクトごとに必要となるスキルや設備を備えたメンバーでチームを構成したりすることがポイント。チーム制になれてきたら、メンバーの1人がリーダーとして業務の割り振りや進捗管理を担えるようにもなるでしょう。

データベース、プログラミングの在宅ワーク事例

では、実際にデータベースやプログラミングの業務で在宅ワークを行っている事例を3つご紹介します。

バーチャルメディア工房ぎふの取り組み


出典:特定非営利活動法人 バーチャルメディア工房ぎふ 公式サイト

岐阜県にある「バーチャルメディア工房ぎふ」は、IT系業務を中心に業務を手がけるNPO法人です。Webサイトの構築、冊子・チラシ等のデザインや印刷、データ入力といった業務に並んで請け負っているのが、ソフトウェア開発。業務データベースの開発やメンテナンス、Web関連プログラムの作成などを行っています。

バーチャルメディア工房ぎふでの主な受発注・納品の流れは下図のようなイメージです。


出典:その仕事、障害者就労支援団体等に発注できませんか? 障害者優先調達推進法スタート(PDF)|バーチャルメディア工房ぎふ

バーチャルメディア工房ぎふでは、クライアントと就業を希望する障害者の間に立ち、企画・営業・受注・作成・納品といった業務の指導・調整を行っています。また、就業を目指す障害者を対象に研修も実施してきました。

業務を依頼する在宅ワーカーは、岐阜県に住所をもつ外出困難な障害者です。それぞれの能力と得意分野に応じて業務が割り振られ、インターネットを活用して打ち合わせ・指導・調整・成果物の受け渡しがなされています。

【参考】
特定非営利活動法人 バーチャルメディア工房ぎふ 公式サイト

沖ワークウェルの取り組み


出典:株式会社 沖ワークウェル 公式サイト

重度障害者の在宅ワークで有名な企業の1つが、株式会社沖ワークウェルです。同社はOKIグループの障害者雇用を促進する目的で設立された特例子会社。早期からインターネットを活用した在宅勤務の仕組みを整え、障害者雇用のモデルケースとして注目されてきました。

2021年4月1日時点で、在宅勤務の障害をもつ社員59名、通勤する障害をもつ社員18名、障害のない社員10名の合計87名が働いています。インターネット環境整備にかかる費用は会社負担となっており、パソコンや障害特性に適した入力装置も会社から貸与されます。

先述したように、沖ワークウェルの業務管理ではチーム制を導入しています。

他に、沖ワークウェルでは労務管理・育成・相談支援・プロジェクトマネジメントを担う在宅勤務コーディネーターを配置しています。コーディネーターは生活相談員、社会福祉士、エンジニアなどさまざまな人が任命されるため、在宅ワーカーを多角的に支援することが可能です。

社員の育成では、先輩社員がOJTトレーナーとなって3年間の育成計画を立て、社会人としてのマナーや担当業務を遂行するスキルの向上を図っています。同時に、国家資格であるITパスポートの合格にも意欲的。四半期ごとに在宅ワーカーである本人とコーディネーターで面談を行い、目標設定と進捗確認を行っています。

日々のミーティングやコミュニケーションは、独自開発した「ワークウェルコミュニケータ」を活用しています。

<沖ワークウェルにおける在宅ワーク 3つの特徴>

  • チーム制で仕事をする
  • 在宅勤務コーディネーターを配置する
  • バーチャルオフィスシステム「ワークウェルコミュニケータ」を活用する

沖ワークウェルが独自に開発した「ワークウェルコミュニケータ」の詳細については、以下の関連記事をご覧ください。

(関連記事)
障害者在宅就労にも!障害者自立支援機器と好事例

【参考】
株式会社 沖ワークウェル 公式サイト
Webサイト関連業務 雇用事例 株式会社沖ワークウェル|チャレンジホームオフィス

NTT西日本ルセントの取り組み


出典:株式会社 NTT西日本ルセント 公式サイト

株式会社NTT西日本ルセントは、西日本電信電話株式会社の全額出資によって設立された特例子会社です。

大阪市内4か所以外に名古屋や広島、福岡などにも拠点をもち、遠隔地から勤務する社員が多くいます。通勤が難しい社員は在宅ワークも可能。在宅ワークに必要な機器等は全て会社から貸与され、設置も会社が行っています。

NTT西日本ルセントの業務管理では、電話・メール・チャット・Web会議形式の専用コミュニケーションツールを活用し、月に1回以上の面談を実施しています。

業務管理で特徴的なのは「業務のモジュール化」で、これもチーム制の一形態といえます。ある業務について、セキュリティーの問題で在宅ワークに適さない部分は出社している社員が担当し、セキュリティー上の問題がない部分は在宅ワークの社員が担うという体制です。

<NTT西日本ルセントの取り組み>

  • さまざまな手段を用いたコミュニケーションでリアルタイムに相談に対応
  • 詳細なマニュアルを準備
  • 業務のモジュール化を行い、職場で作業する社員と在宅勤務者の間で作業を分担し協力
  • 勤怠管理システムで、業務面、体調面、精神面の管理を実施
  • 月に1回以上、自宅等へ赴き面談を実施

「在宅ではできない」と思われる業務でも、モジュール化することで社内と社外の社員同士が連携できるようになっています。

【参考】
株式会社 NTT西日本ルセント 公式サイト
Webサイト関連業務 雇用事例 株式会社NTT西日本ルセント|チャレンジホームオフィス

得意分野を生かした分業で生産性アップ

今回ご紹介した3つの事例に共通しているのは、在宅ワークで働く方の得意分野や状況に応じた業務を割り振り、協力してプロジェクトに取り組んでいること。特に沖ワークウェルとNTT西日本ルセントの事例を比較すると、2つの観点から分業の重要性が見えてきます。

1つめの観点は、沖ワークウェルのようにチーム制をとることで、急な体調不良による欠勤があってもチームの他のメンバーで補い合って業務を進められる点です。一方、2つめの観点は、セキュリティー上の問題など社外に持ち出せない業務の細分化で在宅ワークが可能なタスクを切り出し、出社するメンバーと在宅メンバーが協力して進められるという点になります。

チーム制による分業は多くの分野で有効ですが、特に高いスキルが求められるデータベースやプログラミング系の業務では能率アップに大きく貢献します。チーム内でOJTなども実施すれば、業務に合ったスキルアップや意欲向上につながるでしょう。

在宅ワークで働く従業員のスキルや得意分野、作業内容、作業環境などに応じて業務を細分化しつつメンバー同士で連携して進めるのが、データベースやプログラミング業務における在宅ワークのコツといえます。

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