【障害者の在宅ワーク】チラシ・ポスター制作とデザイン業務【職域と事例】


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チラシやポスターの制作は在宅ワークとして業務委託されることが多い職域です。障害者の在宅ワークでも、こうしたデザインに関する業務はよく見られるもの。チラシ・ポスター制作に必要なツールや知識、実際にリモートワークでデザイン業務を行っている事例などをご紹介します。

デザインスキルを生かす「チラシ・ポスター制作」

これまでにデザインを学んだり、デザイン業務に使われるグラフィックソフト等を使ってきたりした経験がある方なら、そのデザインスキルを生かしてチラシ・ポスター制作業務を担えるかもしれません。

特にチラシ・ポスターのデザインを検討したり実際にデザインを行ったりする業務は、パソコンとグラフィックソフト、マウスやペンタブレットがあれば在宅ワークも難しくない分野です。

どのような知識やツールが必要なのか、業務管理のポイントなどを見ていきましょう。

チラシ・ポスターのデザイン制作に必要な知識とツール

チラシ・ポスターをデザインするには、まず制作全体の流れについて知っておく必要があります。

一般的なチラシ・ポスター制作の流れは、「企画→素材の準備→デザイン→データ納品・印刷」という4段階。企画で対象となる商品やサービス、ターゲット等の確認、デザインの方向性の検討などが行われ、それに基づいて必要な写真やイラスト、文章等が集められます。チラシ・ポスターのデザイン業務を担当する人は、そうした素材を使ってデザインを行います。

デザイン制作にあたっては、グラフィックソフトの知識と実際にそのソフトを使えるスキルが必要です。また、チラシ・ポスターは最終的に印刷されるため、印刷に適したカラーモード(CMYK)への変換、解像度、ファイル形式等についての知識も必須でしょう。

一方、チラシ・ポスターのデザインを行うために必要な基本ツールは、パソコンとグラフィックソフト、マウスやペンタブレットです。「どのくらい細かい作業が必要か」「どちらが操作しやすいか」で選ぶとよいでしょう。イラスト制作を行うのであれば、ペンタブレットのほうが直感的に操作しやすいかもしれません。

チラシやポスター制作に使われるグラフィックソフトについては、Adobe社のPhotoshopやIllustratorが一般的です。他のグラフィックソフトを使う場合でも、Photoshop形式やIllustrator形式のファイルを読み込んだり書き出したりできるかを必ずチェックしましょう。

在宅ワークでのチラシ・ポスター制作事例

ここからは、実際に障害者がリモートワークでチラシ・ポスターのデザイン業務を行っている事例を2つご紹介します。1つは「ウィーキャン世田谷」がエージェントとなって在宅ワーカーに発注している事例、もう1つは在宅雇用に意欲的に取り組む「UTハートフル」IT事業課の例です。

NPO法人 ウィーキャン世田谷の取り組み事例


出典:NPO法人ウィーキャン世田谷 公式サイト

ウィーキャン世田谷は、障害者のパソコン技術習得と就労の支援を行っているNPO法人です。テレワークで業務を受託して働く環境作りにも取り組んできました。

ウィーキャン世田谷が担うのは、発注企業と在宅ワーカーの橋渡しを行うエージェント業務。具体的には、企業等への営業や業務の受注、受注した業務の在宅ワーカーへの発注、業務の進捗管理、業務上の質問・相談対応、成果物の納品と支払い管理などです。

実際に講習会やプログラムの修了生・研修生たちが中心となってリーフレットやポスター、冊子を制作してきました。


出典:請負業務支援|ウィーキャン世田谷

ウィーキャン世田谷では、エージェントとして在宅ワーカーに業務を発注する形だけでなく、企業による障害者の在宅雇用支援も実施しています。

【参考】
NPO法人ウィーキャン世田谷 公式サイト

UTハートフル株式会社の取り組み事例


出典:UTハートフル株式会社 公式サイト

UTグループの特例子会社であるUTハートフル株式会社のIT事業課(千葉市川オフィス・船橋オフィス)には、多数の在宅勤務者が在籍しています。障害をもつ社員は、ブログ記事の執筆、障害をもつ当事者として関わるシステム開発や情報発信の他、デザイン、イラスト、ポスター制作なども手がけてきました。

同社が在宅雇用を導入したきっかけは、事務的な業務や企画営業的な業務においてITを活用した在宅ワークに注目したこと。「オフィスで働く社員数は限りなく少なく、在宅社員をメインに採用する」ことで、障害をもつより多くの方が社会参加、就労できる環境づくりに取り組んでいます。

社員の定着率は98%を誇り、船橋オフィスは千葉県によって「笑顔いっぱい!フレンドリーオフィス」にも認定されました。

日々の業務管理はWeb会議システムをフル活用。ノートパソコン、Webカメラ、マウス、テンキー等、業務に必要な機器を会社から貸与し、月額1500円の通信手当も支給しています。

<UTハートフルIT事業課の取り組み>

勤務体制 週30時間

勤務スケジュールは各自に合わせて作成

業務管理 Web会議システムやチャットに常時接続

  • 毎日10:30に朝礼を実施
  • Web会議システム内に「何でも相談室」を設置し、「障がい者生活相談員」の資格を持つ社員が対応
機器貸与・手当
  • ノートパソコン、Webカメラ、マウス、テンキー等業務に必要な機器を会社から貸与
  • 貸与パソコン故障の場合、14時までに連絡すれば即日交換用パソコンを発送
  • 月額1500円の通信手当を支給

UTハートフルでは、社員がそれぞれ自立的に業務に取り組んでいるのも大きな特徴でしょう。ポスター制作は、親会社から業務を請け負うのではなく、ゼロからデザイン業務に取り組んでいます。在宅ワーカーとして働く社員も意欲的にスキルアップを図っているようです。

【参考】
UTハートフル株式会社 公式サイト
UTハートフル株式会社(平成28年度登録)|チャレンジホームオフィス

チラシ・ポスター制作における業務管理上のポイント

チラシやポスター制作では、在宅ワークで取り組める業務と実際に職場や現地に赴かなければならない業務があります。重要なのは、「どの業務なら在宅でできるか」を判断することです。

それには、一般的なチラシ・ポスター制作の流れと在宅ワークで取り組む場合の進め方を確認しておきましょう。

たとえば、リサーチの段階では、インターネットやWeb会議などを用いることで在宅ワークが可能です。実際に商品やサービスを見たり体験したりする必要がある場合は、職場や現地に行く必要があるでしょう。

ロゴのデザイン、チラシやポスターのデザインは、Web会議システムを使ったミーティングで検討できます。ブレインストーミングのようにアイデアを出していくことに集中する打ち合わせなら、どんどん書き込んでいけるWeb会議システムのホワイトボード機能が便利です。

チラシ・ポスターに使う素材の収集では、写真撮影やインタビュー以外は在宅ワークが可能になります。インタビューについても、もしWeb会議システムやメールで実施できるなら在宅で進められるでしょう。

その後のデザインワークやチェックは在宅での制作・ミーティングで、納品についてもデータのみの納品であれば在宅で可能です。印刷物を納品する場合は印刷業務の担当者は出社が必要となります。

どの業務が在宅ワークに適しているかは、障害をもつ社員の特性やスキル、クライアントからの要望によっても異なります。状況に合わせて柔軟に対応しつつ、可能な部分はできる限り在宅ワークにするという方針で進めると取り組みやすいでしょう。

また、在宅ワークでは「ちょっといい?」という軽い確認を行いにくいこともあります。デザインの方向性や細かな修正等で誤解が発生しないよう、デザイン案や図への書き込みなども利用しながら、しっかりコミュニケーションをとることも意識してみてください。

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