アビリンピック過去問題|第18回東京(2019)データベース


東京アビリンピックでは新しい種目となる「データベース」。全国大会では3時間という競技時間で実施される種目で、データベース作成の高い技術と正確かつ効率的な作業が求められます。

東京アビリンピックの「データベース」は全国大会の課題の簡易版。「もっとデータベース作成スキルを向上させていきたい」という方には取り組みやすいかもしれません。

今回は、2019年度東京アビリンピックの「データベース」で出された課題内容を見ていきましょう。

競技種目「データベース」とは?

アビリンピック競技種目「データベース」では、Microsoft Accessを用いたデータベース作成を行います。条件に従っていかに分かりやすく使いやすいデータベースを作成できるかがポイントです。

身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。

データベースの作成にあたり、必要なデータ類は支給されます。それらのデータを使いながら作成しますが、課題数が多いので効率よく作業を進めなければなりません。

競技で使用されたOSとソフトと制限時間

次に「データベース」で使用されるOSとソフト、データベース作成に使える時間や提出方法を見てみましょう。

競技で使用されたOSとソフト

2019年度の東京アビリンピックの「データベース」で使用されたOSとソフトは以下のものでした。

  • OS:Microsoft Windows 8.1 Enterprise
  • ソフト:Microsoft Access 2013 (Microsoft Office 2013)

制限時間と課題提出方法

東京アビリンピックでの制限時間は90分。データベースが完成してもしなくても90分で打ち切りです。

作品は、デスクトップ上の「提出」フォルダに保存しなくてはなりません。保存場所を間違えると採点対象となりませんので、最後まで気を抜かずに取り組みましょう。

なお、全国アビリンピックでは制限時間は3時間となり、課題もさらに多くなります。

提供されるデータ等と注意点

データベース作成にあたり、使用するデータはExcelファイルで提供されます。2019年度東京大会では、ファイル内に以下のデータ(シート)が用意されていました。

<2019年度東京大会での提供データ>

  • 「受注」
  • 「受注明細」
  • 「商品」
  • 「商品分類」
  • 「顧客」

データベース作成にあたり、DFDチャート(Data Flow Diagram)も提供されます。提供データはデスクトップ上の「提供データ」フォルダ内に保存されています。

なお、データベース作成にあたり提供されるデータ以外のものは持ち込めません。ノートやメモ、参考図書、外部記憶媒体、携帯端末などを持ち込むと違反となりますので、気をつけてください。

「データベース」の仕様条件と10個の課題

「データベース」は出される課題がとても多いのが特徴。エラーなどが発生すると減点されますので、それぞれの課題を正確にこなし、完成させましょう。

過去問題などを利用して、正確かつ効率的に作成できるよう繰り返し練習してください。

課題1 新規データベースの作成

課題1では、データベースファイル名を「販売管理システム.accdb」として新規データベースを作成します。

課題2 システムに必要なデータについてテーブル作成・インポート等

課題2では、システムに必要なデータについて、それぞれのテーブルを作成、インポートします。さらに、適切な主キー、インデックス、データサイズなどを設定しましょう。

<作成するテーブル>

課題3 各テーブル間のリレーションシップを作成

課題2で作成したテーブル間に、リレーションシップを作成したり参照整合性の設定を行ったりします。

<課題3での指示内容>

  • 各テーブル間に適切なリレーションシップと参照整合性を設定
  • リレーションシップレポートを作成
  • レポートヘッダーに指示された内容を記述
  • 指示されたレポート名で保存

課題4・課題5 商品や顧客の情報検索、追加、更新のためのフォームを作成

課題4と課題5では、商品や顧客の情報検索、追加、更新ができるフォームを作成します。商品については「T商品」の内容を一覧表形式で、顧客については「T顧客」の内容を単票形式で情報検索、追加、更新できるようにしなければなりません。

フォームヘッダーには指定された内容を入力。フォーム名は、それぞれ「F商品一覧」「F顧客管理」としましょう。

課題6 受注一覧作成、受注明細一覧作成のためのクエリを作成

課題6では、受注一覧作成と受注明細一覧作成を行うクエリを作成します。

受注一覧は、「T受注」と「T顧客」から作成してクエリ名「Q受注」で保存。受注明細一覧は「T受注明細」と「T商品」から作成し、クエリ名「Q受注明細」で保存してください。

<受注一覧で抽出するデータ>

  • 受注ID(昇順)
  • 対応した受注日
  • 顧客ID・顧客名・顧客ふりがな
  • 郵便番号・住所・電話番号
  • 担当・担当ふりがな

<受注明細一覧で抽出するデータ>

  • 受注明細ID(昇順)
  • 対応した受注ID
  • 商品ID
  • 商品分類ID・商品名
  • 単価・数量

<受注明細一覧で新たに設定するもの>
金額フィールド(単価×数量の値を表記)

課題7 受注の情報検索、追加、更新のためのフォームを作成

課題7では、受注の情報検索、追加、更新ができるフォームを作成します。メインフォームは「Q受注」、サブフォームは「Q受注明細」です。

また、以下の設定も行いましょう。

<課題7における設定>

  • サブフォームのフォームフッター:売上金額の小計を表示
  • メインフォーム:消費税、合計金額(小計+消費税)を表示
  • フォーム名:「F受注管理」
  • サブフォーム名:「F受注管理サブ」

受注の追加や更新に伴い、合計金額などもきちんと更新されるように設定してください。

課題8 指定条件でのデータ抽出と一覧表作成

課題8では、指定の条件でデータを抽出し、一覧表を作成できるように設定します。そのために、以下の設定を行いましょう。

<課題8における設定>

  • 「T受注」「T受注明細」「T商品」から、指定された受注日の期間の商品売上高を抽出・集計する
  • 受注日の期間指定:クエリ実行時のパラメーターとして、開始日と終了日を入力するようにする
  • 受注日の期間を条件として商品IDと商品名をグループ化し、売上げフィールドに売上を表示する(売上は単価×数量)
  • クエリ名を「Q商品別売上」として保存する

さらに、レポートの作成も行います。

<課題8におけるレポートの作成>

  • 「Q商品別売上」を元にレポートを作成(1ページにおさまるように配置)
  • レポートヘッダー:指定の内容を入力
  • レポート用紙サイズ:A4
  • レポート項目:商品ID、商品名、売上(売上額の大きなものから順に並べる・売上が同じ場合は商品IDの昇順)
  • 受注日の期間:課題で指定された期間

課題9 システム全体を統括するフォームを作成

最後に、条件に従ってシステム全体を統括するフォームを作成します。

<課題9における設定>

  • メインメニューを作成
    「F商品一覧」「F顧客管理」「F受注管理」「R商品別売上」を集約
  • フォームヘッダーの設定
    タイトルとして「販売管理システム」を設定
  • 戻るボタンの追加
    「F商品一覧」「F顧客管理」「F受注管理」それぞれに「Fトップページ」に戻るボタンを追加
  • 「販売管理システム」起動時の設定
    自動的に「Fトップページ」が表示されるようにする
  • 終了ボタンの追加と設定
    「Fトップページ」上に「システム終了」ボタンを追加
    システム終了を押すとシステム全体が終了するように設定
  • フォーム名の設定
    「Fトップページ」として保存

課題10 課題全体について、利用者が円滑な操作ができるよう工夫する

課題10は、特に具体的な指示はありません。課題1から9までで利用者が戸惑うことなく操作できるように可視性・操作性などを向上させるための工夫を行うことを求めています。

これらは作品に対する評価にも大きく影響するもの。「他の人にとって使いやすいかどうか」を意識しながら作成・チェックを行いましょう。

「データベース」の評価ポイント

「データベース」の評価ポイントは主に5つあります。

<5つの評価ポイント>

  • 登録されたデータがきちんとあるか
  • 使われているAccessの機能
  • データベースの画面の見やすさ
  • データベースの操作のしやすさ
  • データベースの処理の正確さ

操作マニュアルを見なくても利用者がきちんと操作できるかどうかが大きなポイントです。

なお、採点する際にデータ更新の前にAccessが自動表示するダイアログが表示されてしまうと、(課題文に指示がない限り)課題ごとに減点されてしまいます。

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