おおはしみささん「パークホテル東京」アーティストルーム完成


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2024年1月29日、汐留にあるパークホテル東京で、おおはしみささん制作のアーティストルームがお披露目されました。ルームのテーマは「玉手箱」。煙の中に浮かび上がるさまざまなモチーフが力強く描き出された部屋と、おおはしみささんの制作秘話をお届けします。

アーティストルーム「玉手箱」

2024年1月29日、東京都港区のパークホテル東京にて、34階の客室としてアーティストルーム「玉手箱」がメディアにお披露目されました。アーティストルームとしては39室目となります。制作したのは、おおはしみささん。一般社団法人障がい者自立推進機構が主催する障害者の国際アートコンテスト「パラリンアート世界大会2022」で準グランプリを受賞したアーティストです。

パークホテル東京は、“日本の美意識の中の時空間”をコンセプトとするアートホテル。アーティストがホテルに滞在しながら作品を作り上げる「アーティスト・イン・ホテル」プロジェクトの一環として、アーティストルームを制作・公開してきました。


多様なモチーフにあふれる3430号室「玉手箱」
撮影:編集部

みささんのアーティストルームでは、室内の壁・天井にダイナミックに描き出された色鮮やかな玉手箱の煙や動物たちが宿泊者を迎えます。部屋に入ってまず目にするのは、デスクやベッドの周囲に描かれたピンクと白の煙。奥へ進んで右を見ると、大きな虎2頭と龍が見えます。ベッドから上を見れば、今度は渦を巻く煙と黄色の光。その中央に、みささんがお気に入りだと言う羊がいます。

みささんの作品は、バスルームにも。壁や天井の白を活かし、水の生き物たちが上部を舞います。一緒のお湯につかっているような動物たちとカラフルな煙に乗る犬などの姿もあり、どこにいても誰かが一緒にいてくれるような感覚になる空間となっていました。

部屋の入り口付近にも、たくさんの絵や文字が書かれています。「ようこそ!」という言葉とともに、誰かの名前や年齢、カニ、うさぎ、ぶたの絵など、ユニークなモチーフがいっぱい。名前と年齢は、みささんの頭にいろいろと浮かぶものから厳選したとのことです。

制作はホテル泊まり込みで


アーティストルームを制作した、おおはしみささん
撮影:編集部

みささんの制作は、ホテルに泊まり込んで行われました。

アーティストルーム制作のオファーを受けたのは2023年の初夏。そこから7か月間、「芸術による教育の会」の仕事がない土曜日から月曜日に滞在し、食事もホテルでとりながら制作を進めました。

「火~金は仕事があるので、そのあとホテルへ来て描くという感じでした。朝9時頃から、終わりの時間はあまり覚えてないんですけど、夜8時や9時くらいまで。朝はホテルの朝食をいただいて、お昼は社員さんが食べるところで食べさせていただきました」(みささん)

下絵は用意したものの、実際の制作ではインスピレーションを重視し、下絵にないモチーフもたくさん盛り込んでいます。下塗りは直接手に絵の具をつけて壁に直描き。壁に「あいさつ」をしながら、壁面の柔らかさなどを確かめたとのことでした。

「(いろいろな動物や人物は)下絵にはなくて、描いているときに、どんどん生まれてきた感じなんです。玉手箱を開けたときの煙がどんな形になるか分からないのと同じように、この絵もどんな形になって、どんな人が出てくるかわからない。そういうイメージで描きました」(同)

制作に使ったのは、お気に入りでもあるアクリル絵の具のほか、油絵の具やクレヨンです。非常に多くのモチーフや大胆な構図、「実はこんなところにも人物が!」という遊び心など、煙の中から現れるさまざまな動物、人物、形を見つける“宝探し”ができそうな部屋に仕上がっています。

アーティストルーム「玉手箱」は、パークホテル東京34階の3430号室。ベッドで横になったら、ぜひ天井の羊を探してみてください。ベッドサイドのテーブルや壁のスイッチの周りにも、何かが「いる」かもしれません。

「子どもの気持ちに戻って見ていただけたら、うれしいです」(同)


画像提供:パラリンアート運営事務局
編集:編集部

みささんの作品にご興味を持たれた方は、みささん自身の子ども時代と重ね合わせた絵本『かなわね』、「移動式MISA美術館」の活動にもぜひご注目ください。

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「好きなものを ありのままに!」笑顔あふれたパラリンアート世界大会2022

パークホテル東京の取り組み


撮影:編集部

パークホテル東京は、日本屈指の老舗ホテル「芝パークホテル」の姉妹ホテルです。2011年にリブランディングを行い、“日本の美意識の中の時空間”をコンセプトとしたアートホテルとして、常時400点以上のアートを展示しています。

パラリンアートへの協賛は2018年から。「パラリンアート世界大会」では協賛社として「パークホテル東京賞」を選出するとともに、各受賞者に表彰式出席のための宿泊場所を提供してきました。表彰式後は、受賞作品を客室フロアである29階および32階に展示。一部の作品を除き、購入が可能であり、作品展示だけでなくアーティスト活動を支援する体制が特徴です。

今回お披露目となったアーティストルーム「玉手箱」は、アーティストの活動の場を創出する「アーティスト・イン・ホテル」プロジェクトの一環として制作されました。宿泊者が作品の“中”にいるような感覚を覚える空間で、アートがとても身近なものであることを感じられます。


29階、32階に展示されているパラリンアートの作品たち
撮影:編集部

アート作品は、客室やロビー、全客室フロアの回廊に展示されています。客室フロアの「コリドーギャラリー」は宿泊者でない方も鑑賞可能。多様な個性が一堂に会する空間で美術館を歩き回るような体験ができます。

パークホテル東京は、都営地下鉄大江戸線、東京臨海新交通臨海線ゆりかもめの「汐留」駅から徒歩1分。買い物や観光、ビジネスでの滞在とともに、コリドーギャラリーでのアート散歩を楽しんではいかがでしょうか。

パラリンアートとは

パークホテル東京が協賛する「パラリンアート」は、一般社団法人障がい者自立推進機構が運営するアート事業です。「障がい者がアートで夢を叶える世界を作る」という理念のもと、運営事務局と障害のあるアーティストがひとつのチームとなり、協賛社への作品提供とその報酬で障害者の自立支援を行っています。

パラリンアートに登録するアーティストは、障害者手帳所持者や障害があることを示す医師の診断書を持つ方です。登録されるとアーティスト一人ひとりのプロフィールページが作成・公開されます。アーティストは、テーマを設けて開催されるアートコンテストへの応募、その受賞などを通じて活動し、ときに企業からアート制作等の依頼を受けることもあります。

主な協賛社は、パークホテル東京のほか、パーソルホールディングス株式会社、株式会社大創産業、リコージャパン株式会社、株式会社東海理化、明治ホールディングス株式会社など。さまざまな日本企業や外資系企業も参加しており、2020年度に193社だった協賛社数は、その後2年間で334社にまで増加しました。

頻繁に開催される企業ごとのアートコンテストやコンペは、登録アーティストの方々にとって創作の励みになっています。受賞作品や登録アーティストの作品は、各社の商品、ノベルティ、ステークホルダー向けの印刷物のデザイン、オフィスアート、商業施設の空間アートなど、多様な場面で活用。アーティストに支払われる報酬は、2022年度で合計約1,980万円にまでなりました。

コンテスト等での受賞、企業によるアート作品の採用は、障害のあるアーティストの大切な成功体験に。これらの活動を通じて、パラリンアートは社会参加と経済的自立を支援しています。

【取材協力・画像素材提供】
パークホテル東京
パラリンアート運営事務局
おおはしみささん

【関連情報】
おおはしみささん プロフィール
有限会社 芸術による教育の会(みささんが絵画講師を務める)

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