2021/04/30
アビリンピック過去問題|第38回全国(2018)ビルクリーニングとオフィスアシスタント
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清掃や事務代行は障害者雇用でも比較的多く見られる仕事。アビリンピック競技種目には、これらの技能を競う「ビルクリーニング」や「オフィスアシスタント」があります。
「ビルクリーニング」ではオフィス清掃業務のスキルを競い、「オフィスアシスタント」では書類の発送や封筒の仕分けを行うスキルを競います。
2018年全国アビリンピックでは、「ビルクリーニング」は例年と同じ課題でしたが、「オフィスアシスタント」では前大会よりやや多い内容の課題が出されました。
もくじ
競技種目「ビルクリーニング」の課題概要と制限時間
アビリンピック競技種目「ビルクリーニング」は、オフィスなどを清掃する技能を競う種目。2008年にデモンストレーション競技として始まり、2018年で10年目を迎えた歴史のある競技です。例年同じ課題が出され、参加選手も多いのが特徴。参加する選手のレベルも上がってきています。
身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。
2018年の競技では、就労している方の技術もさることながら、特別支援学校の選手の活躍もめざましいものでした。
課題は大きく分けて2つあります。
- 課題1
- カーペット床を掃除機を使って清掃する
- 制限時間 7分
- 課題2
- 弾性床を乾式モップと水拭きで清掃する
- 机上を水拭き・から拭きする
- 制限時間 10分
課題では手順が細かく決められています。手順に沿って安全に作業を行い、区画への出入りの際は(部屋への出入りと同様に)挨拶をするというのが評価のポイント。地方アビリンピックでも同じ課題内容で競技が行われています。
2018年全国アビリンピックでは、9:00-17:30で1日かけて行われました。1人の選手あたりの競技時間は短いため、選手たちは待ち時間に適宜体を動かすなどして体を温めています。
「ビルクリーニング」の課題内容については以下の記事で詳しく紹介しています。
(関連記事)
アビリンピック過去問題|第17回東京(2018)ビルクリーニング
競技種目「オフィスアシスタント」の概要と評価ポイント
アビリンピック競技種目「オフィスアシスタント」では、企業のメール室に代表されるような郵便物管理スキルを競います。課題はその年によって少しずつ異なり、2018年大会では前大会よりもやや課題内容が増えるとともに、全体的な難易度も上がりました。
身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。
「オフィスアシスタント」の主な評価ポイントは、以下の4点です。
<「オフィスアシスタント」競技の評価ポイント>
- 制限時間内に、どれだけ多く完成させられるか
- 指示通り、綺麗に三つ折りができているか
- 宛名ラベルに間違いがなく、しわのないように貼り付けられているか
- 正確に封筒の仕分けができているか
競技本番で使えるもの・使えないもの
「オフィスアシスタント」では、2017年大会で規定に大きな変更があり、それまで使用が許可されていた折り板が使用不可となりました。普段の業務で折り板を使って書類を折っている場合は、折り板を使わずに正確に3つ折りにする練習が必要です。
<競技本番で使えるもの>
- 指サック(会場に用意されているが、持参してもよい)
- 障害特性等により作業に必要な補助具(拡大鏡など。事前申請が必要)
<競技本番で使えないもの>
- 折り板(持ち込みも不可)
- 本番で使えるもの以外のもの
なお、熱中症対策として飲料を持参することは可能です。
「オフィスアシスタント」の制限時間と競技の流れ
「オフィスアシスタント」では、制限時間内に丁寧かつ正確に作業を行い、指定された工程までを終えなければなりません。課題ごとの制限時間はあまり長くないものの、説明時間や練習時間もあるため、全体として2時間の競技となっています。
制限時間と2018年大会での実施時間
説明や練習時間を含む競技全体の時間は120分です。
各課題の制限時間は、
- 課題1:40分
- 課題2:10分
となっています。
2018年大会では、13:00-15:30で実施されました。
競技全体の流れ
「オフィスアシスタント」では、何をどのように作業するかについて当日に説明と練習時間があります。そのため、大会当日の競技時間には、競技自体にかかる制限時間以外に、説明と練習の時間も組み込まれていることに注意してください。
全体としては、概ね以下のような流れになります。
<「オフィスアシスタント」競技の流れ>
- 【課題1】(計70分程度)
- 説明を受ける(15分)
- 練習する(15分)
- 競技本番(40分)
- 休憩時間(20分)
- 【課題2】(計20分程度)
- 説明を受ける(5分)
- 練習する(5分)
- 競技本番(10分)
↓
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「オフィスアシスタント」の課題概要
「オフィスアシスタント」の競技には「発送準備」と「封筒仕分け」の2つの課題があります。競技の練習を行う際は、時間配分や見落としやすいポイントを自分なりに把握し、効率よく作業を進められるよう意識しましょう。
課題1:発送準備
課題1「発送準備」で行うのは、発送リストに基づいた以下の4つの作業です。作業の進め方自体は選手が自由に工夫して構いません。
<課題1「発送準備」の概要>
- 文書を三つ折りにする(宛名が文書の左上に見えるZ折り、印刷不良のものは取り除く)
- 宛名ラベルを貼る(封筒の基準枠内に貼る、印刷不良のものは取り除く)
- 封入・封かんを行う
- 発送リストに基づいて仕分ける
余計なしわを作らず、素早く綺麗に仕上げることを意識しましょう。特に、書類の三つ折りの仕方、宛名の貼り方、書類の封入・封かんの仕方などは細かく決められています。書類の向きや宛名シールの角度でミスをしないように注意してください。
封かんは封筒口を折り返すだけで、のり付けは行いません。(審査で封筒の中の書類を確認する必要があるため。)
封入・封かんまで終わっているものが「完成品」として評価対象になります。
課題2:封筒仕分け
課題2「封筒仕分け」は、受診した封筒を部署ごとに仕分けるスキルを競います。以下のような手順で仕分けましょう。
- 封筒の宛名の氏名をもとに職員名簿から所属部署を検索
- 封筒を該当する部署に仕分ける
- 氏名が職員名簿にない場合は「不明」として仕分ける
仕分けられた封筒が「完成品」として評価対象になります。