ソフトバンク「日経Smart Work大賞2023」大賞受賞、障害者雇用の取り組みは?


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ソフトバンク株式会社が、「日経Smart Work大賞2023」で大賞を受賞。社内の働き方改革として、多様な人材が働きやすい環境や体制づくりが注目されています。障害者雇用にも積極的に取り組み、超短時間労働「ショートタイムワーク」も2016年から実施してきました。仕事における「ノーマライゼーション」を目指す同社の取り組みをご紹介します。

ソフトバンクが「日経Smart Work大賞2023」で大賞受賞

2023年2月1日、ソフトバンク株式会社(以下、「ソフトバンク」)が「日経Smart Work大賞2023」で大賞を受賞しました。これは、働き方改革によって生産性を高め、持続的に成長する先進企業を表彰するもの。全上場企業と有力非上場企業を対象に実施される「日経スマートワーク経営調査」の結果から、人材活用の取り組み、イノベーション力、市場開拓力などが総合的に評価され、選出されます。

ソフトバンクは、いずれの分野においても最高水準の評価を受け、総合ランキングで5つ星を獲得。特に在宅勤務中心の働き方の実現やフレックスタイムの自由度といった人材活用力が注目され、審査委員の全会一致で大賞に選ばれました。

ソフトバンクは、「スマートワークスタイル」の推進として、スローガン「Smart & Fun!」を掲げています。近年発達がめざましいITやAI(人工知能)などを活用し、全社員が「スマートに楽しく」仕事に取り組み、生産性を上げるという取り組みです。

具体的施策には、

  • 業務状況などに応じて始業・終業時刻を柔軟に調整できる「スーパーフレックスタイム制」
  • 在宅勤務とサテライトオフィス勤務の活用
  • テクノロジー活用による業務の効率化

などがあります。

スマートワークスタイルの取り組みは、全ての社員にとって最適な働き方を実現し、生産性を最大化することが目的です。その土台には、ダイバーシティによる個人の力の結集と、健康経営による社員一人ひとりの健康があるとしています。

たとえば、ダイバーシティの推進では、女性の活躍推進、LGBTQに関する取り組み、シニア人材の活躍推進とともに、障害者雇用にも意欲的に取り組んできました。「ソフトバンク株式会社 統合報告書2022 Data Section」によれば、ソフトバンク株式会社の障害者雇用率は、2022年6月1日時点で2.34%。障害の状況に配慮した上で、職域・業務内容・昇給昇格・評価に関する体制を障害の有無にかかわらず同一とし、それぞれの社員が能力を活かして活躍できる環境を整備しています。

V500におけるコミットメント

2019年、ソフトバンクは、障害のある方がビジネス・社会・経済にもたらす潜在的な価値を発揮できる社会の実現を目指す国際イニシアチブ「The Valuable 500」に参加しました。参加にあたって発表するコミットメントでは、次のような内容を掲げています。

<ソフトバンクのコミットメント>(概要)

  • 企業方針
    • 経営理念「情報革命で人々を幸せに」に基づき、障害の有無にかかわらず、多様な人材が活躍できる環境づくりを推進する
  • 活躍する環境の提供
    • 障害のある方が活躍できる環境や機会、キャリアビジョン、サポート体制を用意する
  • 働く機会の創出
    • 障害のある方が、超短時間から働ける雇用環境を提供する
    • 多様な人材が一緒に働ける機会の創出に取り組む
  • 共生・共働の社会の実現
    • 障害のある方の快適かつ便利な生活をサポートするサービスを提供する
    • さまざまな企業や自治体などと協力して「共に働く社会」の雇用スキームを構築し、社会への浸透を推進する
  • 情報発信
    • 障害のある方の活躍に対する取り組みやその意義を発信する

「誰もが生き生きと暮らせる社会を目指して、障がいのある方をサポートするサービスの提供や社会参加を支援するための環境づくりに取り組みます」とするソフトバンク。では、障害のある方は実際に同社の中でどのように働いているのでしょうか。

ソフトバンクの障害者雇用と働きやすさの整備

ソフトバンクの障害者雇用施策では、定期的な通院や障害特性への配慮を行うこと以外での区別は設けていません。障害の有無に関係なく誰もがいきいきと働ける職場づくりの大前提が、同社における「ノーマライゼーション」です。一方で、「週20時間未満であれば働ける」という人材に対しては、早期から「ショートタイムワーク」制度を適用してきました。

正社員の雇用における「ノーマライゼーション」

ソフトバンクでは、障害の有無にかかわらず、いきいきと働ける環境づくりとして「ノーマライゼーション」を推進しています。同社のノーマライゼーションとは、障害のあるなしに関わらず、全ての社員がその能力を活かして活躍できること、障害のある人とない人が相互理解を進め、お互いにいきいきと働けることを意味するものです。

障害に配慮した職域や環境整備は行いますが、障害のある社員とない社員を仕事上で区別することはしていません。障害のある社員が配属されるための特別な部署や業務、特別な雇用形態もありません。しかし同時に、定期的な通院が必要な社員は、月1日(年間12日)取得できる「ノーマライゼーション休暇」や、始業時刻と終業時刻を柔軟に設定できる「スーパーフレックス制度」を活用して安定した通院ができます。

障害のある社員からは、
「特別扱いされるよりも、本当に必要なことだけを配慮してもらえた方が、こちらとしても働きやすい」
「障害のことは理解してもらえているので、声はかけやすい」
といった声も。コロナ禍の影響でオンライン会議が増えても、大勢の人が話す中では発言が難しい社員に対して、上司や先輩社員が「○○さんはどう思う?」と話を振ってくれる環境があるとのことです。

障害のある社員の中には、管理職として活躍している方もいます。そうした方は、障害のある他の社員にとってもロールモデルやキャリアプランの参考としやすい存在です。

日常場面におけるさりげない配慮や障害のある方のキャリアアップは、障害の特性や状況を周囲の社員が理解するとともに、サポート方法を知っているからこそ実現できるものでしょう。

短時間で働ける「ショートタイムワーク」

2022年12月、障害者総合支援法を含む8法の一括改正法が賛成多数で成立しました。これによって法定雇用率制度におけるカウント方法が変更され、超短時間(週10時間以上20時間未満)で働く精神障害者、重度身体障害者、重度知的障害者も算定対象に入ることになります。今後、ますます障害者雇用が拡大されるでしょう。

実のところ、障害者雇用の現場では、法整備が行われる以前から障害のある方の超短時間労働が注目されてきました。ソフトバンクでも、2016年から「ショートタイムワーク」として、週20時間未満で働ける制度を導入しています。「雇用率制度の算定対象外となることが、障害者雇用がなかなか進まないという課題になっているのではないか」という問題意識があったからです。

ショートタイムワークの働き方は、次のように進みます。

  1. 5~10人ほどの部署に業務担当者とショートタイムワーカーが配置され、チームとなる。
  2. 業務担当者が自分の業務の一部をショートタイムワーカーに任せる。
  3. ショートタイムワーカーは、自身の特性や経験を活かして働く。
  4. ショートタイムワーカーは、テレワークでも出社でも構わない。テレワークの際は、両者をウェブカメラで常に接続して、密なコミュニケーションをとりながら進める。

ショートタイムワーカーの採用は、業務を先に定義した上で実施されます。事前にやるべき業務を定めることで、ワーカーと業務のマッチングを実現し、ワーカー自身も単一のスキルで活躍できるという仕組みです。一方で、本人の実績によっては、業務を拡大して働けることもあるようです。

ショートタイムワークで採用する人材や雇用管理は、提携する就労支援機関、社内の部署、CSR本部が連携して行ってきました。就労支援機関とCSR本部は、以下の役割を担っています。

  • 就労支援機関
    • 応募者の紹介
    • 採用された方々の支援
  • CSR本部
    • 受入れを希望する部署の取りまとめ
    • 就労支援機関の窓口業務

ショートタイムワーカーの雇用形態は、アルバイトです。2022年2月時点で、20~50代の25人が働き、勤務時間は週あたり4~18時間ほどとなっています。事務サポートでの帳票作成やデータ管理、企画サポートでのプロジェクト議事のとりまとめやアンケート集計、システム関連ではサイト監視・巡回の他、AIの教師データを作成するアノテーション作業など、多様な現場で活躍しています。

ただ、ショートタイムワークで働けるのは、最長5年。ショートタイムワークは「働く第一歩」であるというのが主な理由です。ショートタイムワーカーは、次のステップとして週20時間以上の就業を目指すこともあれば、学校に入ってスキルアップを目指すこともあるようです。

ショートタイムワークの最大のメリットは、受入れ部署の生産性向上だけでなく、障害の理解促進にも寄与することです。実際、受入部署やワーカー自身が行った工夫を事例集としてまとめ、社内でシェアしています。こうした事例は、より働きやすい環境づくりや業務の進め方に役立てられてきました。ワーカー本人に対しても、相談フォームと3カ月ごとの面談などがあり、働く中で直面する課題や相談事に応じやすい体制が用意されています。

ソフトバンクの経営理念と事業内容


出典:理念・ビジョン・戦略|ソフトバンク

グループ全体で4万5000人を超える従業員を擁するソフトバンクグループ。グループの経営理念は「情報革命で人々を幸せに」、ビジョンは「世界に最も必要とされる会社」です。事業基盤とデジタルテクノロジーの力で、誰にとっても便利で、快適・安全に過ごせる理想の社会の実現を目指し、「世界に最も必要とされる会社」になるというものです。

「ソフトバンク株式会社 統合報告書2022 Data Section」によれば、同グループの主な事業は5つあります。

最も大きな事業は「コンシューマ事業」。営業利益の65%を占めます。国内の個人のお客様に、モバイルサービスやブロードバンドサービス、電力サービスを提供するもので、「SoftBank」「Y!mobile」「LINEMO」「SoftBank光」が有名です。

次に大きいのは、ヤフー・LINE事業。「その他の事業」との合算で営業利益の20%を占めています。メディア、コマースを中心としたサービスを展開しており、インターネット上や「LINE」での広告関連サービス、「Yahoo!ショッピング」「ZOZOTOWN」「ヤフオク!」などがあります。

3番目に大きいのは法人事業で、営業利益の13%を占めています。法人のお客様に、モバイルサービスや固定通信サービス、データセンター、AI、IoTやデジタルマーケティングといったソリューションなどを提供する事業です。

他に、営業利益の2%を占める流通事業や、近年拡大してきた金融事業があります。流通事業は、法人に対してクラウドサービスやAIなどを活用した商材を、個人に対してはソフトウェアやモバイルアクセサリー、IoTプロダクト等を提供するもの。金融事業は、主に個人に対して、QRコード決済やキャッシュレス決済サービス、スマホ証券サービスを提供する事業です。「PayPay」「SB Payment Service」「PayPay証券」などが代表的です。


出典:ソフトバンク株式会社 統合報告書2022 Data Section

ソフトバンクグループでは、事業におけるSDGsコンセプトとして「すべてのモノ・情報・心がつながる世の中を」を掲げています。

持続可能な社会の実現にむけた取り組むべき課題として設定されているのが、6つの「マテリアリティ(重要課題)」。その内容は、

  • DXによる社会・産業を構築すること
  • 感動創出に向けて人・情報をつなぐこと
  • オープンイノベーションで新規ビジネスを創出すること
  • テクノロジーによって地球環境を守ること
  • 質の高い社会ネットワークを築くこと
  • レジリエントな経営基盤を発展させること

となっています。

テクノロジー面では、特にIoTやAIを活用した取り組みが目立ちます。障害者雇用の推進やSmat & Fun!、スマートオフィス等の雇用と働き方は、レジリエントな経営基盤の発展に関する課題に位置づけられているようです。

障害の有無にかかわらず働きやすさにおいて重要な選択肢となるテレワークでは、2021年度で実施率約96%という実績を誇ります。コロナ禍の影響が和らいできた2023年もテレワーク推進の姿勢に変更はなく、引き続きテレワーク実施率90%以上を目指しているとのことです。

【参考】
障がい者の活躍推進に取り組む「The Valuable 500」への加盟|ソフトバンク
SOFTBANK CORP.|The Valuable 500
社外からの評価・表彰|SoftBank
スマートワークスタイルの推進|SoftBank
週20時間未満から働く「ショートタイムワーク」って、どんな働き方?|ソフトバンクニュース
障がいがある人とともに働くとは? ソフトバンクの「ノーマライゼーション」への取り組み|ソフトバンクニュース
ソフトバンク株式会社 統合報告書2022

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