ユニバーサルマナー検定、心のバリアフリーに向けた“はじめの一歩”


ユニバーサルマナー検定は、困っている人に適切な声かけやサポートができる知識やスキルを学べる検定です。検定をとおして、自分にとっては不自由なく使える施設や道具でも「使いにくい」と感じる人、危険に感じる人がいることに気づくことができます。

ユニバーサルマナー検定とは

高齢の方や障害を持つ方をはじめとする移動に不安を感じている方々への向き合い方、声かけやサポート方法を重視しているのが、ユニバーサルマナー検定。3級から1級まで3つの級があります。

これまでに約10万人がユニバーサルマナー検定を取得し、2017年には嵐の櫻井翔さんが2級に満点合格したことでも話題になりました。

「職場で活かしたい」「ボランティア活動や地域活動で活かしたい」という方が多く取得しているようです。

3級・2級では障害をもつ方や高齢の方についての理解やサポートが中心。しかし、1級ではより広い視点でユニバーサルマナーを考える内容になっています。

ユニバーサルマナー自体は高齢者や障害者だけに向けられたものではなく、ベビーカーの利用者、妊婦、LGBTQなど、多様な人々との関わりも含めたものであることが分かります。

個人受検は全国7都市で実施しており、企業や団体単位での受講・受検も可能。個人受検では年齢制限がなく、10歳の小学生が2級を取得したり親子4世代で受講したりといった姿も見られます。

各級のカリキュラム・受講料金・合格点・有効期限

ユニバーサルマナー検定はステップアップ式の検定。そのため、2級を受けるには3級を、1級を受けるには2級を取得していなければなりません。ただし、2級と3級の講座が同日開催される場合は同時受講もできます。同時受講の場合は、午前中に3級、午後に2級を受けるという形です。

ユニバーサルマナー検定のそれぞれの級について、カリキュラムの内容・受講料金・有効期限を見ていきましょう。

ユニバーサルマナー検定 3級

ユニバーサルマナー検定3級は、基本的な理解と声かけの方法を学ぶ入門編です。教材はワークシートなどで、受講当日に配布されます。コロナ禍ではオンライン受講も可能です。

3級に筆記試験はなく、講座に参加すれば全員が認定されるもの。資格の有効期限もありません。

ユニバーサルマナー検定 2級

ユニバーサルマナー検定2級は、車いす利用者のサポートや視覚障害者の誘導など実践的なサポート方法も学べる実践編。テキストは分かりやすいイラスト付きで、当日配布されます。

先述したように2級を受講・受検するには3級を持っている必要がありますが、2級と3級を同時受講・受検する場合は3級を持っていなくても構いません。

実技があるためか、オンラインでの受講はできないようです。

ユニバーサルマナー検定 1級

ユニバーサルマナー検定1級は2020年9月から導入された新しい級です。3級や2級とは異なり、実際に当事者の体験談を聴き、これまでの経験も踏まえてレポートを作成するという形式になっています。

必須の実技がないため、オンラインでの受講が可能。1級を受講・受検するには、3級と2級を持っている必要があります。

講座は「カリキュラム講座」と「体験講座」の2種類があり、カリキュラム講座は4種類の研修の中から3つを受講、体験講座は外部イベントも含めた複数の講座から1つを受講するという形式です。

教えられることを習得するというよりも、これまでの知識やスキル、当事者の声をもとに自分自身の見方・考え方などを捉え直す発展的な内容です。

ただし、1級取得までは必要がなくカリキュラム講座で提供される研修や体験講座のみ受講をしたい場合は、誰でも参加可能です。

関連カリキュラムには、以下のような研修があります。

検定当日の持ち物

検定当日は問題演習や筆記試験が実施されます。解答に必要な筆記用具の他、実技がある級では動きやすい服も必要。安全に検定を受けられるよう、パンツスタイルでスニーカーを履いていくのがおすすめです。

<当日の持ち物>

  • 筆記用具(2級・3級)
  • 動きやすい服装(2級、スカートやストッキングは非推奨)
  • 動きやすい靴(2級、ヒールはNG)
  • 昼食(2級と3級を同日受講する場合)

1級のカリキュラム受講では筆記用具とPCがあればオンライン受講できます。体験受講での服装や持ち物は各体験によって異なるため、申し込みの際にご確認ください。

検定試験に落ちたら再受検できる? 合格後は?

ユニバーサルマナー検定は、検定試験に落ちても再受験が可能です。検定だけ受け直すか、講義・実技も含めて受け直すか選びましょう。

再受検料は、

  • 検定のみ再受検:3,300円(消費税10%込)
  • 講義・実技を含む再受検:8,250円(消費税10%込)

となっています。

合格後は、認定証や認定カードを受け取れます。合格した級によって受け取れるものが少し変わるので、下の表でご確認ください。


ピンバッジについては、3級・2級と1級でデザインが異なります。3級・2級は緑色を基調としたデザイン、1級は白を基調としたデザインとなっています。

障害者でも受講できる?

ユニバーサルマナー検定は高齢者や障害者を中心としたサポートを要する方への対応方法を学ぶもの。障害をもつ当事者ももちろん参加できます。

UDトーク、手話通訳などを用いた情報保障があり、実技研修でも特性に応じた参加が可能ですので、申込みの際にあわせて相談するか、公式サイトの問合せフォームから連絡しましょう。

もし体調不良などで行けない場合、受講予定日までに日本ユニバーサルマナー協会の電話番号に連絡を。2回まで受講日の変更が可能です。

企業での導入も進むユニバーサルマナー検定

ユニバーサルマナー検定は、ホテル、ブライダル、飲食といったサービス業界を中心に取得する企業が多く見られます。

たとえばイオン株式会社では、グループ企業の従業員や商業施設のテナントで働く方を対象に、ユニバーサルマナー検定3級とLGBT対応マナー研修を導入。多様な方が働きやすく、お買い物をしやすい企業No.1を目指し、ユニバーサルデザインを採用した店舗づくりと従業員の「心のバリアフリー」を進めています。

他方、ホテル事業を手がける企業では、他にも京王プラザホテルもユニバーサルマナー検定の取得などをとおして「心のバリアフリー」を推進しています。2019年10月末時点で284名が取得し、日々の業務に役立ててきました。

ホテルや結婚式場、フィットネスクラブ、ゴルプ場といった事業を展開する株式会社関電アメニックスでも、社員がユニバーサルマナー検定を取得。2019年3月時点で、延べ138名の社員がユニバーサルマナー検定3級、88名が2級を取得しています。

「障害のある方にどのように応対したらよいか分からない」といった悩みを抱えているなら、まずは取得しやすい3級に気軽に取り組んでみるとよいでしょう。

もし業務として障害のある方や高齢の方を介助する知識やスキルが必要なら、サービス介助士という民間資格を受講・取得するのも選択肢の1つです。

(関連記事)
「サービス介助士」とは? 全国に約19万人!大手企業でも取得実績

【参考】
ユニバーサルマナー検定 公式サイト
多様な方々が働きやすい、お買い物しやすい企業No.1を目標に イオン株式会社|MIRAIRO
「心のバリアフリー」で、どなたにも安全・快適なホテルライフを|Keio Plaza Hotel Feature 100

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