2021/03/26
オンライン面接とは?面接の受け方・服装・注意すべきポイント【障害者雇用】
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感染症拡大の影響で、企業の採用活動におけるオンライン面接が増えています。オンライン面接は感染防止のために人との接触機会を減らすことを目的とした方法。遠い場所にいる求職者の面接もできるといったメリットもあります。
これまでの対面での面接とどう違う?
どのような流れで面接を受ける?
オンライン面接特有の注意点は?
「障がい者としごとマガジン」編集部がある就労移行支援事業所ルミノーゾでお伝えしていることと共に、新しいスタイルの面接について解説します。
もくじ
オンライン面接と対面の面接の違い
オンライン面接と対面の面接の一番大きな違いは、画面越しに相手と話をすることです。採用担当者と求職者がそれぞれパソコンやタブレット端末などを準備し、インターネット回線につないで面接が行われます。
画面を見て話し、それが相手に伝わるまでには少し時間差(タイムラグ)があるのが特徴。そのため、普段の会話よりも話すタイミングをつかみにくいかもしれません。お互いに上半身しか見えないため、全体の雰囲気や身振りが伝わりにくいといった課題もあります。
ただ、実際に目の前に人がいないことや、自分が慣れた環境で面接を受けられることから、「対面の時よりも話しやすい」という方もいます。
オンライン面接の準備・使用するツール
まず、オンライン面接で必ず必要になる環境・機器は次の4つです。
<オンライン面接のために用意する環境・機器>
- インターネット接続環境(なるべく通信速度の速い回線を使う)
- インターネットに接続できる機器(パソコン/タブレット/スマートフォン)
- ウェブカメラ(機器に付いているものでOK)
- マイク・イヤホン(またはヘッドセット)
ノートパソコンやタブレットであれば、機器とカメラが一体化していることがほとんどなので便利。デスクトップパソコンの場合はウェブカメラを用意する必要があります。
スマートフォンは、基本的にはオンライン面接で使わないほうが無難。使う場合はスタンドなどで必ず固定しましょう。手で持ったまま面接を受けると、画面が揺れて面接担当者に迷惑をかけてしまいます。
また、スマートフォンで使用する通常のインターネット回線だと面接中に途切れてしまうこともあります。そのため、パソコンなどをテザリングで接続することもおすすめできません。面接では、なるべく高速のWi-Fiに接続しましょう。
次は、オンライン面接に使われるウェブ会議アプリの準備です。代表的なものは3つあります。
<オンライン面接で使われる代表的なウェブ会議アプリ>
- Zoom
- Whereby
- Skype
- Microsoft Teams
- Google Meet
どのツールを使用するかは、面接前に企業から連絡があります。
使用するアプリが分かったら、
- アプリをインストールする
- アカウント登録をする(必要に応じて)
- プロフィールを登録・修正する(必要に応じて)
- 面接で使う回線・機器でテスト接続してみる
といった手順で準備を進めましょう。
オンライン面接のための服装・場所・メモ
対面の面接では、服装などの身だしなみは面接前にきちんと整えることが当たり前。オンライン面接でも、その基本は変わりません。
服装は上下ともスーツが基本
「オンライン面接なら上半身しか映らないし」と油断するのは禁物です。機器トラブルやお辞儀などで立ち上がった時に、うっかり下半身の服装も見えてしまうことがあるからです。
大切な面接にふさわしい服装で臨めれば、きちんと仕事とプライベートを分けられることを面接担当者に伝えられます。
<オンライン面接での服装とチェックポイント>
- 基本はスーツ(カジュアルでも、スーツに準じる服装)か?
- 服に汚れがついていないか?
- ジャケットにフケや髪の毛などが落ちていないか?
- ボタンがとれていないか?
- シャツはシワやシミなどなく清潔か?
- 生地に穴が空いていないか?
- しつけ糸の取り忘れはないか?
面接全般の注意点について、詳しくは以下の関連記事も参考にしてください。
(関連記事)
障害者雇用での面接準備や質問の内容は?「職業準備性」を意識しよう
オンライン面接の場所
オンライン面接では映像で面接を行うため、カメラに映る際の照明や背景も印象を大きく左右します。「どのような場所で面接を受けるか」はとても重要なのです。
マイナスの印象を与えやすいのは、次のような場所。
- 暗い場所
- 背中側から光が当たり、顔が暗くなっている(逆光)
- 騒音がひどい
- 面接に関係のない人の声や通知音が聞こえる
- 背後に映ってはいけないものが映っている(乱れたままの布団・趣味のポスター・洗濯物など)
自宅で面接を受ける場合は、これらを意識しつつ、部屋を片付けたり照明を調整したり、騒音を減らしたりしておきましょう。
<オンライン面接の場所の準備(自宅の場合)>
- 部屋の照明を明るくする(またはデスクライトなどで正面から自分を照らす)
- ドアを閉めるなどして騒音を減らす
- 布団はたたんで部屋の隅に置いておく(ベッドは整えておく)
- ポスター等を一時的にはがしておく
- 洗濯物を片付けておく
就労移行支援事業所などの支援施設や貸会議室でオンライン面接を受ける場合は、照明と騒音に注意。テスト接続などを利用して、部屋のどの場所なら顔が明るく映るか確認しましょう。
準備しておく書類など
面接の際は、企業に提出した書類のコピーを手元に準備しましょう。これらの書類には、自分の強みや障害特性、求める配慮の内容などが書かれています。
<面接時に用意しておく書類>
- 履歴書・職務経歴書
- 就労パスポートやナビゲーションブック
- 障害者手帳・身分証明書
書類以外では、以下のものがあると安心です。
<面接に向けて用意するもの>
- 筆記用具(ペンとメモ帳など)
- スマートフォンや携帯電話
- 面接担当者などの緊急連絡先
- 手鏡
- 洋服ブラシまたは衣服用粘着ローラー
- 腕時計(自宅以外で受ける場合)
- 財布・ハンカチ・ティッシュ(自宅以外で受ける場合)
- 飲み物(自宅以外で受ける場合)
「パソコンでメモをとれば?」という考え方もありますが、タイピングの音は想像以上にうるさく、面接担当者に迷惑をかけてしまいます。メモをとりたい場合は、「メモをとってもよろしいですか?」と聞いた上で、紙に書くようにしましょう。
スマートフォンや携帯電話は、オンライン面接がつながらなくなった時の緊急連絡に使えます。担当者の連絡先(電話番号やメールなど)を必ずメモしておきましょう。
手鏡や洋服ブラシ、粘着ローラーは直前の身だしなみチェック用。面接前には、きちんと清潔感のある身だしなみになっているか、もう一度確認してください。
必要なら面接中に見るカンペ(メモ)を用意
対面の面接ではできないことでもオンライン面接ならできるというのが、「カンペ」(メモ)を面接中に確認することです。
これは、カメラの近くにメモ(付箋など)を貼っておくことで、自分が伝えたいことをきちんと伝えられるようにする方法。本番で緊張しすぎてしまう場合は、キーワードを書いたカンペを貼っておくと、落ち着いて話しやすくなるでしょう。
カンペのキーワードを見ながら、自分の言葉で面接担当者に話せるように練習してください
オンライン面接 当日の入室から退室まで
オンライン面接の当日は、大体以下のような流れになります。
<オンライン面接 当日の流れ>
- 30分前〜:パソコンなどを接続し、接続状況を確認。少し面接練習を行う。
- 15分前:準備完了・応募書類を手元に用意
- 5分前:Zoomなどに接続して待機室に入っておく
- 入室する
- 面接開始:挨拶をする。
「始めまして、(名前)です。本日はよろしくお願いいたします」など - 面接終了:お礼を述べる。
「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。それでは、失礼いたします」など - 退室する
まずは15分前までに機器類の準備を済ませましょう。機器の接続が完了して待機室に入るまでは、手元に用意した書類やメモを見て伝えるべき内容を確認するとよいでしょう。
入室したあとは、対面の面接と同じように挨拶をして進めます。オンライン面接の場合は「こちらの音声・映像は大丈夫でしょうか?」などの確認も行いましょう。
面接が終了する際は、お礼を伝えるのを忘れずに。退室する時も必ず「失礼します」と挨拶をしてから、退室ボタンを押してください。
企業・求職者・支援者の三者で面接を行う場合の流れ
就労移行支援事業所などで支援スタッフと同席で面接を行う場合は、基本的にマスク着用で行います。表情が見えにくく、印象が堅くなりやすいので、マスク姿でも笑顔を伝えられる練習をしておくと効果的です。(自室で行う場合はマスクの着用は不要)
企業・求職者・支援者の三者で行う面接であっても、基本的な流れやポイントは同じ。他に、オンライン面接だからこそ気をつけなければならないこととして、ルミノーゾでは以下のことをお伝えしています。
【面接の準備】
- 接続するときには、身だしなみが整った状態にしておく
- モニターを見て髪型や服装を直さない
- 必ず音声テストをしておく
- PCのカメラ位置を少し高くするために、下に台を置く
【面接中】
- モニターではなくカメラを見て話す
- リアクションはオーバー気味でOK(大きくうなずくなど)
- いつもよりはっきり、ゆっくり話す
- はい、はい、と相づちが多すぎると相手の話を遮ってしまうことがあるので、話の途中では大きくうなずいて「聞いている」サインを出す
オンライン面接では、対面での面接よりコミュニケーションのタイミングが難しいことが多いもの。それは支援スタッフも同じです。しかしルミノーゾでは、ここぞというときには、面接途中であってもしっかりフォローを入れることを意識しています。
支援者を交えて行うオンライン面接がどのような雰囲気・流れになるのか、支援スタッフと一緒に事前に繰り返し練習してみましょう。
オンライン面接で好印象を与えるコツ
オンライン面接は、求職者にとって慣れた場所で行われることが大半。だからこそ、きちんと気持ちを切り替えているか、画面越しの相手を意識できているかが重要な評価ポイントです。
オンライン面接で好印象を与えるコツとして、以下を参考にしてみてください。
<オンライン面接で好印象を与えるコツ>
- 画面(映像)が揺れず安定している
- 騒音がなく静かである
- すっきりした部屋で、面接に関係のないものが映り込んでいない
- 通知音が鳴らないよう、面接に使わないアプリ(SNSや動画など)は終了させている
- カメラを見て聞く・話すことができている(カメラをディスプレイの上に設置するとやりやすい)
- カメラの位置が自分の目線の高さになっている(台の上に置くなどして高さを調整する)
- 話す際、下や横を向いて文章を読み上げるのではなく、面接担当者に対して話している
- 面接担当者と同時に話し出してしまった場合は、自分が一度話すのをやめて、相手の話を聞く
- メモは紙に書く
- 接続トラブルが発生した場合は、支援者や面接担当者に相談しつつ落ち着いて対処する
- 接続が切れてつながらなくなってしまった場合は、面接担当者の緊急連絡先に連絡する
また、ルミノーゾでのオンライン面接のプログラムでは、以下の点もお伝えしています。
<ルミノーゾでお伝えしているポイント>
- 話を聞くときはリアクションを大きめにする
- 柔らかい表情で少しゆっくり話す
- 一文を短めに話すことを心がける
- 机の上に白い紙を置いてレフ板代わりにする(顔に光が当たりやすくなる)
- スマホや携帯は電源を切るか、機内モードやマナーモードに設定
- 相手の声が聞き取りにくい場合は「すみません、音声が聞き取りにくいので、もう一度お願いいたします」などと伝えてOK
- オンライン面接で使用するプロフィール画像が、アニメキャラクターやふざけている時の自分の写真になっていないか確認し、面接にふさわしい画像に変える
オンライン面接では、お互いが映像を見やすい・音声を聞き取りやすいように調整することが大切。自分が伝えたいことをきちんと伝えるために、こうしたことを意識しながら練習を重ね、本番に臨みましょう。
【参考】
オンライン面接もポイントを押さえれば大丈夫|就労移行支援ルミノーゾ町田