町田市・相模原市で受けられる精神障害者手帳のサービス


精神障害者保健福祉手帳を含む障害者手帳の所持者は、手帳を提示することでさまざまな特例や割引を受けることができます。障害をもっていると、生活や移動に通常よりも多くのコストや心身の負担がかかります。経済的な負担が軽減されれば、障害者の社会参加がより容易になるでしょう。

今回は、東京都町田市と神奈川県相模原市で受けられるサービスを紹介します。

精神障害者保健福祉手帳を持つメリット

精神疾患が原因で日常生活や仕事に困難を抱えている人にとって、精神障害者保健福祉手帳(精神障害者手帳)はとても重要です。

手帳を持っていると、生活の出費を抑えることができたり、障害への配慮や支援を受けられたりするなどのメリットがあります。税金や携帯電話料金が安くなる等の全国共通のメリットもあれば、自治体や民間企業が独自に設ける割引制度やサービスも。

この記事では、全国共通で受けられるサービスの他、就労移行支援を行う「ルミノーゾ町田」がある東京都町田市と隣の神奈川県相模原市で受けられるサービスについて見ていきましょう。

全国共通して受けられるサービス

全国共通で受けられる優遇措置の代表は、税金の控除やNHK受診料、携帯電話料金の減免です。所得の状況によっては、施設やサービスの利用料や医療費の負担も軽減されます。

NHK受信料や携帯料金が減免される

精神障害者手帳を所持し、一定の条件を満たすとNHK受信料が全額免除または半額免除になります。

NHK受信料全額免除となる条件は、

  • 本人が精神障害者手帳を所持しており、区市町村民税非課税であること
  • その世帯の構成員全員が区市町村民税(特別区民税を含む)非課税であること

の2つ。

よって、もし手帳を所持する精神障害者が1人世帯であれば全額免除になります。

また、精神障害者手帳1級所持者が世帯主の場合は、それだけでNHK受信料が半額免除になります。

携帯電話料金の場合、携帯電話の契約者名義または利用者が手帳を所持していれば割引を受けられます。domocoでは「ハーティ割引」、SoftBankでは「ハートフレンド割引」、auでは「スマイルハート割引」という名称です。

全体的には、データ通信よりも通話料の割引率が大きくなる傾向があります。たとえばauの場合、同じau電話への通話料と一般電話への通話料は半額になり、他社携帯電話への通話も2割引。具体的な割引率は会社やプランごとに異なるため、詳細は公式サイトで確認しましょう。

【参考】
放送受信料の免除について|NHK
スマイルハート割引|au

税金が安くなる

精神障害者に限らず、障害者手帳を所持していると税金についてもさまざまな控除を受けられます。

代表的なのは、所得税や相続税の障害者控除。所得税では27万円が控除され、相続税では障害者が85歳に達するまでの年数1年につき10万円が控除されます。

精神障害者の場合は、障害者本人が受益者となる場合は6,000万円まで贈与税も非課税。また、350万円までの銀行等の預貯金などの利子も非課税です。

【参考】障害者と税|国税庁

公的施設の利用料や映画鑑賞料金が減免される

障害者手帳所持者は、立川にある昭和記念公園などの国営公園やその駐車場料金が免除されるとともに、多くの自治体で公的施設の利用料が免除されます。付添人が障害者割引の対象になるかどうかは施設ごとに異なり、障害者本人のみの減免になることもあれば、付添人1〜2人も障害者割引を受けられることもあります。

また、映画館でも障害者割引料金あり。全国規模のチェーン映画館はもとより、ミニシアターでも割引のある映画館は数多く見られます。

たとえば、TOHOシネマズなら障害者本人と付添人1人までが適用され、1回1,000円で鑑賞可能です。109シネマズやMOVIXの場合は、本人と付添人2人まで割引料金で鑑賞できます。

訪問介護や就労支援などの障害福祉サービスを受けられる

障害をもっている人にとって、生活や仕事の支援を受けられる障害福祉サービスは重要なものです。狭い意味では「介護給付」と「訓練等給付」の2種類。介護給付とは、自宅や入所先での入浴・排泄・食事の介護や外出時の支援に代表されるサービス。訓練等給付は、グループホームや就労移行支援、定着支援等に代表されるサービスです。

そして、この2種類以上に、自治体ごとのさまざまな取り組みもあります。

障害福祉サービスは、手帳がない人でも障害年金の年金証書や医師の診断書があれば利用可能ですが、手帳を持つことで受けられるサービスの幅が広がったり、就労支援を利用した際に就労機会が増えたりします。

自立支援医療制度を利用できる

自立支援医療制度とは、医療費が高額になりすぎないように所得に応じて1か月あたりの負担額の上限を設けた制度のことです。

自立支援医療制度の適用を受けた利用者は、基本的な医療費負担は1割となり、限度額に達した時点でそれ以上の負担をせずに済みます。

制度の一部を紹介すると、以下のような負担額になっています。

  • 生活保護を受けている場合:利用者負担額の月額上限0円
  • 生活保護を受給しておらず本人の収入が80万円以下の場合:自己負担額の月額上限2,500円
  • 本人の収入が80万円を超える場合で区市町村民税が非課税:自己負担額の月額上限は5,000円

ただし、上限額は変更されることがあるため、詳しくは区市町村の担当窓口に確認しましょう。

自立支援医療制度を利用したい場合、精神障害者手帳申請時に同時に申請が可能です。手帳に関する問い合わせの時に、当制度についても聞いてみるとよいでしょう。

【参考】
自立支援医療における利用者負担の基本的な枠組み|厚生労働省
自立支援医療(精神通院医療)について|東京都福祉保健局

障害者雇用枠での就労が可能

精神障害者手帳は就労の機会を広げるとともに、就職後の職場での配慮も受けやすくしてくれます。

障害者雇用促進法は、週20時間以上働く労働者を45.5人以上雇っている会社には障害者の雇用義務があると定めました。そのため、多くの企業が一般雇用枠とは別に、手帳を所持する障害者を雇用するための「障害者雇用枠」を用意しています。

手帳を持っていれば、この障害者雇用枠に応募することが可能。しかも法的に保護され、職場で困ったことが生じても配慮や支援を受けやすくなるのです。

【参考】
合理的配慮等具体例データ集 精神障害|内閣府

東京都町田市で受けられるサービス

全国共通のサービスでも多くのサービスがありますが、自治体が実施している福祉サービスでもさまざまな取り組みが見られます。

東京都町田市の場合は、交通機関の運賃等の減免や公営住宅への優先入居、駐車禁止規制からの除外といったサービスや特例です。

東京都精神障害者都営交通乗車証で都営交通機関に無料で乗れる

東京都に住んでいる人が障害者手帳の交付を受けると、都営交通を利用する際に使える無料パス「東京都精神障害者都営交通乗車証」がもらえます。

この無料パスがあれば、都電、都バス、都営地下鉄、日暮里・舎人ライナーの全ての区間で運賃が無料になります。

最近になって磁気券の他にPASMOでの発行も可能になったため、より簡単に利用できるようになりました。都営地下鉄や日暮里・舎人ライナーの定期券発売所で発行できます。

乗車証の有効期限は、手帳と同じ2年間です。

民営バスの運賃が割引になる

東京都は民間バス会社と協力し、都内を運行する一般路線バスの都内区間で運賃が半額になります。

利用方法は、運賃支払いの際に障害者手帳の写真が貼り付けられているページを開いて見せるだけ。東急バス、京王電鉄系列のバス、関東バス、西部バス、小田急系列のバスなど、多くの民営バスで割引を受けられます。

都営住宅に優先入居できる

東京都住宅供給公社が管理する都営住宅は、収入が少ない世帯が安く住宅を借りる場合に外せない選択肢でしょう。精神障害者手帳を所持していると、年4回の定期募集で一部の地区において優先的に入居できます。

たとえば5月・11月の募集では、3級なら一般世帯の5倍、1級や2級なら7倍の当選確率になります。8月・2月の募集は、ひとり親・高齢者・障害者等の限定募集です。

障害に対する特別な配慮のない一般の賃貸住宅では家賃が払えない、払える額の家賃だと住環境がとても悪いといった悩みを持つ人は、ぜひ応募を考えてみてください。

宿泊施設に安く泊まれる

東京都の取り組みとして、障害者の保養等を支援する「東京都障害者休養ホーム事業」という助成金制度が設けられています。東京都が全国の宿泊施設の利用料金を一部助成することで、障害者と付添人1人が割引価格で宿泊できる制度です。

割引が適用されるのは年間2泊まで。1泊につき、障害者は最大6,490円、付添人は最大3,250円が助成されます(入湯税や特別料理等は除く)。

たとえば1泊9,000円の宿に泊まるとすると、障害者自身の自己負担額は9,000円−6,490円=2,510円です。

個人で利用する場合は、利用日の2週間前までに宿泊施設に予約します。この時、東京都障害者休養ホーム事業を利用したいと伝えましょう。予約できたら、すぐに日本チャリティ協会へ連絡し、利用申込書を提出します。

通常の予約よりも手間がかかりますので、申込み等の詳細は以下のページで確認してから行いましょう。

【参考】東京都障害者休養ホーム事業|東京都福祉保健局

駐車禁止規制から除外される(1級のみ)

障害者手帳の特定の等級を所持している場合、駐車禁止の場所でも車を停めることができます。精神障害者で対象となるのは1級所持者で、精神通院医療にかかる自立支援医療費を支給されている人です。

駐車禁止規制からの除外を求める場合は、都内の警察署交通課で申請して「駐車禁止等除外標章」をもらいましょう。申請に必要な書類は、申請書・障害者手帳・住民票の写しの3つです。原則として本人による申請が必要ですが、精神障害者の場合は親権者、配偶者、三親等以内の血族または姻族の人が代理で申請することもできます。

交付された駐車除外等禁止標章は、車のフロントガラスの見えやすい場所に掲示しましょう。ただし、標章があっても駐車禁止等の除外対象とならない場所や状況があるため、注意が必要です。

【参考】
精神障害者保健福祉手帳のサービス|町田市
精神障害者保健福祉手帳|東京都福祉保健局
駐車禁止等除外標章(身体障害者等用)の申請手続き及び使用方法について|警視庁

神奈川県相模原市で受けられるサービス

神奈川県相模原市で受けられる精神障害者手帳のサービスは、1級や2級の人が主な対象です。また、神奈川県内のバス料金の割引は各市町村や民間バス会社の判断によるところが大きく、一律の減免はありません。精神障害者の運賃半額を実施している例では、富士急バスの一般路線バスがあります。

バスの運賃割引以外では、たとえば以下のようなサービスを受けられます。

各種助成を受けられる(1級・2級)

相模原市の場合、精神障害者手帳の1級または2級を所持していると、助成や優遇措置を受けられる場合があります。

たとえば「福祉タクシー利用助成」では、車イスのまま乗車できたり障害に配慮したサービスが受けられたりする福祉タクシーの料金支払い時に、相模原市が発行する1枚500円の利用権(2か月あたり6枚)を使えます。

福祉タクシー利用助成を使わず、障害者本人または家族が自動車を運転する場合は、「自動車燃料費助成」の申請が可能。給油する際に給油券(1枚1,000円分)を利用できます。

水道料金が安くなる(1級)

精神障害者1級を所持する人がいる世帯では、水道料金のうち「基本料金及び基本料金に係る消費税相当額」の減免を受けられます。ただし、自動で適用されるわけではなく、上下水道の利用開始時に申請が必要です。

水道料金の減免は神奈川県全体で行われているサービスなので、相模原市から県内の別の市町村に引っ越した場合でも、申請すれば減免を受けられます。

対象者や減免の割合などは各水道営業所の窓口に問い合わせましょう。

【参考】水道料金の減免|相模原市

駐車禁止規制から除外される(1級)

東京都と同様に、神奈川県でも精神障害者1級所持者については駐車禁止除外指定を受けられます。神奈川県の場合は「駐車禁止除外指定車」という標章が交付されます。

申請書類は、申請書・障害者手帳・住民票の写しです。障害者本人の住所がある場所を管轄する警察署の交通課で申請しましょう。

【参考】
精神障害者保健福祉手帳の優遇制度について知りたい|相模原市
駐車禁止除外指定車の申請手続きについて|神奈川県

民間企業での優遇や障害者割引も多数

民営バス以外でも、民間企業でさまざまな障害者割引制度が設けられています。

直近のニュースでは、ディズニーランド、ディズニーシーのパークチケットは2020年4月1日から実施される障害者割引があります。通常大人1人7,500円のところ、割引適用で1人6,600円に。同伴者1名も障害者向け割引でチケットを購入可能です。当日窓口で購入しましょう。

また、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのチケットにも障害者割引があり、通常の半額の価格で購入可能。こちらも同伴者1名が障害者向け価格で購入できます。具体的な料金は日ごとに異なるため、公式サイト等で確認を。

他にもカラオケのビッグエコーでは室料半額、東京お台場大江戸温泉では入館料が500円引きといったサービスがあり、美術館や博物館、水族館等でも何らかの障害者割引があるようです。

障害者枠での雇用は給料が低くなりがちですが、さまざまな割引や福祉サービスを利用することで、移動や入場、利用にかかるコストを軽減できます。障害のない人たちと同じように社会的・文化的生活を送るためにも、障害者手帳を有効に活用していきましょう。

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