2022/06/28
大人のひきこもり支援 自治体ポータルサイトや相談窓口の活用を
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かつては若い人に多いと考えられていた「ひきこもり」。現在は30代や40代、さらには50代以上の方にも、ひきこもり当事者がいることが分かっています。大人のひきこもり当事者やご家族の方は、どこに支援を求めればよいのでしょうか。公的支援窓口や代表的な支援団体をご紹介します。
もくじ
情報収集は厚生労働省「ひきこもりVOICE STATION」や支援団体公式サイトが便利
大人のひきこもり当事者やご家族の方が支援情報を集めるには、まず厚生労働省の「ひきこもり VOICE STATION」や代表的な支援団体の公式サイトを利用すると便利で安全です。
ひきこもり VOICE STATION
「ひきこもり VOICE STATION」は厚生労働省が運営する、ひきこもり当事者やご家族の方のためのポータルサイトです。ひきこもりに関するラジオ風の音声コンテンツ、全国の関連イベント情報、国による統計情報や施策の説明、当事者や支援者からの寄稿、全国の公的な相談窓口一覧などを見ることができます。チャットボットを使った会話形式での情報提供も利用可能です。
当事者会が家族会をお探しの方は、「仲間、相談、支援のヒント つながりたいあなたへ」をクリックすると、関連リンクを見られます。
ひきこもり当事者会、女性限定の当事者会、メルマガ購読は「ひきこもりUX会議」
画像出典:ひきこもりUX会議 公式サイト
ひきこもり当事者会や実態調査、ひきこもり関連情報の発信で有名なのが、一般社団法人 ひきこもりUX会議です。
ひきこもりUX会議は、ひきこもり当事者・経験者などで構成される団体で、全国で当事者会を開催するとともに、女性特有の悩みも話しやすい女性限定の当事者会も頻繁に実施しています。
また、当事者を対象とした大規模な実態調査結果をまとめた「ひきこもり白書2021」は各メディアでも注目され、現在もさまざまなメディア、コンテンツで情報発信を行っています。
当事者会に参加することが困難な方は、ひきこもりUX会議が発行するメールマガジンの購読が便利です。関連イベント情報の他、当事者などからの質問に回答するコーナーがあります。
公式サイトにある「CONTACT」の下に公式Twitterと公式Facebookへのリンクがありますので、当事者会などのイベント最新情報はそちらでチェックするとよいでしょう。
家族会の開催情報や家族による支援の仕方を知りたいならKHJ公式サイトへ
ひきこもり状態の方がいるご家族には、特定非営利法人 KHJ全国ひきこもり家族会連合会の公式サイトでの情報収集がおすすめです。同サイトには、全国の家族会の情報、相談窓口一覧、定期的に発行される会報誌の一部などが掲載されています。
家族会では、実際にひきこもり当事者がいるご家庭ではどのような対応をしているのか、どのように受け止めていけばよいのかについて意見交換が可能です。「なぜ、うちだけ…」と感じていたことが他のご家庭にもあることを知ったり、どうすればよいか分からない状況への対応のヒントを得たりできるでしょう。
「家族会・居場所」の中にある「全国家族会一覧」には、各地域で活動する家族会の公式サイトへのリンクがあります。お近くで活動している家族会を見つけたら、ぜひその家族会の公式サイトで活用の様子をご覧ください。
また、KHJや各家族会の公式サイトではイベント開催情報、調査・研究資料のダウンロードなど、それぞれの活動内容に合わせて多様なコンテンツを見られます。ご家庭での支え方、支援につながるヒントなどもありますので、ぜひお役立てください。
ひきこもり特化の第1次相談窓口「ひきこもり地域支援センター」
各都道府県・指定都市には、ひきこもりに特化した公的な最初の相談窓口として「ひきこもり地域支援センター」が設置されています。「ひきこもり支援コーディネーター」と呼ばれる専門職員が配置され、当事者やご家族からの相談に応じるとともに、必要に応じてアウトリーチ型の支援(訪問支援)も行っています。
「ひきこもり地域支援センター」への相談は、電話や来所による相談がメインです。ただ、ひきこもりの方が外出困難であったり対人恐怖を抱えていたりする事情を考慮し、メールやSNSでの相談を受け付けているところもあります。
令和2年の実績では、電話による相談が全国で約5万件、メールでの相談は約8000件ありました。相談した方の年代は、20代・30代が比較的多く見られますが、40代や50代以上の方もいらっしゃいます。
比較的新しい相談窓口のため、設置したことについて地域への周知等が十分でない場合もあります。お近くの「ひきこもり地域支援センター」をお探しの際は、前項のKHJ公式サイトにある「メディア・行政」から「行政担当窓口一覧」から探すとよいでしょう。
【参考】
ひきこもり地域支援センターについて -相談実績-|厚生労働省
49歳までで就労を目指すなら「地域若者サポートステーション」
画像出典:地域若者サポートステーション 公式サイト
49歳までの大人のひきこもり当事者の方が就労を目指すなら、「地域若者サポートステーション」(通称、サポステ)という公的な相談窓口があります。名称から20代・30代の方の姿が多く見られますが、40代の方も利用可能です。
サポステで相談すると、現状のヒアリングから今後の方向性を相談し、就職につなげるためのスキル習得支援や書類の書き方の練習などを行います。
ただ、就職活動を前提とした支援が基本となりますので、まだ就活をすることが難しい方や、働く気力がない方、生活リズムをまずは安定させたい方などには「まだその段階ではない」と感じられることもあるかもしれません。
外出ができるようになってきた、生活リズムが少しずつ整ってきたといった方におすすめの相談窓口です。
東京都・神奈川県の代表的な相談窓口、メール・SNSでの相談OK
本項では、この「障がい者としごとマガジン」編集部がある就労移行支援事業所ルミノーゾの所在地である東京都と、隣県の神奈川県に設置されている公的相談窓口をご紹介します。
東京都ひきこもりサポートネット
東京都の代表的な公的相談窓口には、「東京都ひきこもりサポートネット」があります。これは先述したひきこもり地域支援センターで、東京都ではパソコンや携帯のメールでの相談も可能です。都内の区市町村に窓口がある他、公式サイトでは相談会などの情報も掲載しています。
訪問相談をご希望の場合は、公式サイトの「相談方法」にあるリンク「各区市町村の窓口の連絡先」をご覧の上、お問合せください。
神奈川県 かながわひきこもり相談LINE・ひき☆スタ
画像出典:神奈川県 ひき☆スタ 公式サイト
神奈川県のひきこもり地域支援センターでは、電話等の相談の他に「かながわひきこもり相談LINE」を実施しています。公式ページに掲載されているQRコードを読み取ることで公式LINEアカウントを友だち登録し、そこから相談するという仕組みです。
また、不登校・ひきこもりの体験者等の話を面接相談の中で聞ける「かながわbeフレンド(ひきこもり相談補助員)」による相談も可能です。
公式ページには「子ども・若者」とありますが、ひきこもりに関する相談は年齢を問わずできますので、お気軽にお問合せください。
神奈川県では、他のひきこもり当事者などと交流できるサイトも設置しています。記事を読む他、コメントの書き込みや画像投稿ができますので、ゆるくつながりたい方は、ぜひ覗いてみましょう。
全国の相談窓口や支援の探し方
全国の公的な相談窓口を探すには、厚生労働省「ひきこもり支援推進事業」の公式ページからリンクされている相談窓口一覧から探す方法と、先にご紹介したKHJ公式サイトから探す方法が便利です。
もしこの2つで適切な窓口を見つけられない場合は、各都道府県の公式サイトへ行き、サイト内検索で「ひきこもり」と入力して検索結果を見てみましょう。ほとんどの場合、都道府県庁公式サイトのトップページに検索窓が設置されています。
たとえば埼玉県の公式サイトの場合、以下のような手順で探すと、ひきこもりに関連するページを見つけられます。
公的支援窓口への相談に不安がある場合は、ひきこもりUX会議のメルマガや各支援団体の公式サイトのコラム、当事者会や家族会への参加などをとおして、生活の仕方や支援へのつながり方を探してみてください。
今抱えている“生きづらさ”を軽減することは簡単ではないかもしれません。一進一退をくりかえしながら、焦らずじっくりと進めていきましょう。
ひきこもりについては、以下の関連記事でも詳しく扱っています。ぜひ情報収集等にお役立てください。
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