中小企業に厚い雇用者側の助成金


中小企業に厚い雇用者側の助成金
前回は、障害者雇用の際、誰でもが利用できる国の助成金を紹介しました。

「障害者を雇用する企業はチェックしておきたい国の助成金」

さらに中小企業で見ると、助成金はこれだけにとどまりません。中小企業だけが利用できるものもあります。今回は中小企業の障害者雇用に対する助成金に着目し、その種類や条件を解説していきます。

厚生労働省の定める中小企業の範囲

障害者雇用に対する国の定める助成金は、中小企業にとって何かと手厚いものとなっているのですが、障害者雇用においては、中小企業の定義が一般的な分類と異なります。

助成金の解説に入る前に、まずは障害者雇用における中小企業の定義を知っておきましょう。

一般的には中小企業の分類は産業によって異なります。例えば飲食店を含む小売業の場合、資本または出資額が5,000万円以下か、常時雇用する労働者数が50人以下の場合、中小企業とみなされます。サービス業では、同5,000万円以下か100人以下、卸売業では同1億円以下か100人以下が中小企業と定義されています。これらの業種以外の場合は、同3億円以下か300人以下が中小企業です。

しかし、障害者雇用における中小企業の定義では、資本や出資額に関わらず「常時雇用する労働者数が300人以下(※)」である企業が「中小企業」となります。一般的な定義では大企業となるような小売業やサービス業、卸売業でも、常時雇用の労働者が300人以下であれば中小企業のみに適用される障害者雇用の助成金が利用できるのです。

※参照:「雇用関係助成金共通の要件」のC

一方、これらの業種以外で一般的な中小企業と言われていても、資本金や出資額が3億円以下で従業員数が300人以上の場合、障害者の中小企業向け助成金は受けられないので注意が必要です。

障害者雇用において中小企業を手厚くしている理由については、大企業に比べ資本力が弱く、障害者雇用の経験がない企業が多いため、結果として障害者雇用を行わない(或いは行えない)企業が多くあるためです。障害者雇用に必要なインフラ整備支援策や、障害者の雇用をまずは経験することで、はじめの一歩を経営者に踏み出してもらいたいという支援策になっています。

障害者を初めて雇用する(中小企業のみ)

前回の記事で紹介した国の助成金に加え、中小企業で初めて障害者を雇用する場合に、下記の助成金が受給可能です。

特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)

障害者雇用の経験がない中小企業で、障害者を初めて雇用し、法定雇用義務を達成すれば利用できます。助成額は120万円です。

障害者雇用のための設備投資(中小企業のみ)

障害者雇用のためにスロープなどを設置する等、障害者雇用に備えて設備投資を行うための助成金です。最大3,000万円と金額は大きいですが、受給要件として、雇用計画の作成や、新規の採用人数が5人以上、その後に10人以上の継続雇用などの厳しい条件があります。

障害者雇用安定助成金(中小企業障害者多数雇用施設設置等コース)

障害者の雇用計画を作成し、その計画に基づき、新規に5人以上雇用する際に利用できます。ただし、この採用後にさらに10人以上の継続雇用を行うことと、助成金の利用目的は障害者の雇用に必要な事業所の施設や設備の整備/設置に限定されています。助成額は総額1,000万~3,000万円で、障害者の採用規模や施設整備に要した費用により変動します。助成の時期は、はじめの半年とその後は1年ごとに最大3回です。

中小企業に厚い雇用者側の助成金 まとめ

「特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)」
「障害者雇用安定助成金(中小企業障害者多数雇用施設設置等コース)」

今回ご紹介した上記2種類の助成金は、中小企業のみが受けられるものとなります。

なお前回の記事でご紹介した障害者雇用の際、誰でもが利用できる国の助成金も踏まえると、中小企業が受けられる助成金は以下になります。

中小企業が受けられる助成金リスト

  1. トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)
  2. トライアル雇用助成金(障害者短時間トライアルコース)
  3. 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
  4. 特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)
  5. 障害者雇用安定助成金(中小企業障害者多数雇用施設設置等コース)

大企業に比べ資本力が弱く、障害者雇用の経験もない中小企業の障害者雇用を促進するために、政府は様々な支援策を用意しています。
障害者雇用を検討されている中小企業の担当者の方は、ぜひ上記5種類の助成金を把握して、雇用の際に利用を検討できるようにしておきましょう。

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