障害年金とは? 受給資格や申請方法の流れ


一定の障害を持つ方に対して支給される障害年金。障害年金は障害のある方やその家族の経済的不安やストレスを軽くし、前向きに生活を送れるようにする社会保障制度です。この記事では、障害年金の種類や受給のメリット・デメリット、受給できる金額などについて解説します。

障害年金とは? 受給資格や申請方法の流れ

障害年金とは

障害年金とは、事故や生まれつきの病気・障害などあらゆる病気やけがによって日常生活や仕事に支障がある方へ向けた年金です。厚生年金保険、国民年金、共済年金に加入しており、年金の納付をしているすべての方が対象となっています。

障害年金の種類

障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。受け取れる障害年金の種類は、加入している年金制度によって決定されます。

・障害基礎年金
障害基礎年金は、加入している年金制度が国民年金の場合に受け取れる障害年金です。
国民年金に加入している自営業の方やその家族、または会社員の方やその家族が対象となり、障害等級が1級または2級に該当した場合に、障害基礎年金の受給が可能です。

・障害厚生年金
障害厚生年金は、加入している年金制度が厚生年金の場合に受け取れます。会社員の方やその家族などの厚生年金加入者が対象で、障害等級が1級、2級、3級の場合に受給が可能です。

自営業の方やその家族の場合は障害基礎年金のみの給付対象ですが、会社員の方は障害基礎年金に加え、障害厚生年金もあわせて受け取ることができます。

障害年金を受給するメリット・デメリット

障害年金の受給を検討するにあたり、メリットやデメリットが気になる方もいらっしゃるでしょう。障害年金を受給するメリット・デメリットには次のようなものがあります。

障害年金を受給するメリット

・経済的な不安が軽くなる
・働いていても障害年金を受け取れるケースがある
・国民年金加入者の場合、国民年金保険料の支払いが免除される(障害年金1級または2級の場合)
・年金は自由に使うことができる
・将来的な老齢年金は減額されない
・20歳以降に障害となった場合、障害年金を受け取るための所得制限はない

障害年金を受給するデメリット

・障害基礎年金を受給していた場合には、本人死亡後に妻や家族に支給される寡婦年金と死亡一時金の対象から外れる

このように、障害年金にはデメリットよりもメリットのほうが多くあります。障害年金を受給することにためらいを覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、障害年金を受け取ることは憲法で保障された立派な権利です。障害年金を受け取っていることが他人に知られることもありません。ですから、障害年金が必要な状況であればためらわずに一度相談してみるとよいでしょう。

障害年金の金額

受け取れる障害年金の金額は、障害等級(障害の程度によって決まる等級)により異なります。そのほか、配偶者や子どもの有無によっても支給額が変わります。

障害基礎年金の計算方法

※令和2年4月分から
【1級】 781,700円×1.25+子の加算
【2級】 781,700円+子の加算
子の加算
第1子・第2子 各 224,900円
第3子以降 各 75,000円

子とは次の者に限る
18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
20歳未満で障害等級1級または2級の障害者

障害厚生年金の計算方法

※令和2年4月分から
【1級】
(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,900円)〕※

【2級】
(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,900円)〕※

【3級】
(報酬比例の年金額) 最低保障額 586,300円

※その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。

報酬比例の年金額の計算式は次のとおりです。
平均標準報酬月額×(7.125/1,000)×2003年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×(5.481/1,000)×2003年4月以後の被保険者期間の月数

※従前額保障額および再評価率は考慮しない
※被保険者期間が、300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算する
※標準報酬月額とはおおむね月収のことで、標準報酬額はおおむねの賞与を含めた年収の1か月分

障害年金の申請方法と申請窓口

障害年金を申請するには、一定の条件を満たしていることが必要です。

障害基礎年金の場合

障害基礎年金の受給の要件は次のとおりです。

1.国民年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガの初診日があること
※20歳前や、60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間)で、日本国内に住んでいる間に初診日があるときも含む。
2.一定の障害の状態にあること
3.初診日の前日に次のいずれかの保険料納付要件を満たしていること
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
※ただし、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件なし。

請求時に必要な書類
・年金手帳
・戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれかの書類
・医師の診断書
・受診状況等証明書(初診の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合に必要)
・病歴・就労状況等申立書
・本人名義の受取先金融機関の通帳等
・印鑑

18歳到達年度末までのお子様がいる方(20歳未満で障害の状態にあるお子様を含む)は次の書類もあわせて必要です。
・戸籍謄本
・世帯全員の住民票の写し
・配偶者の収入が確認できる書類
・子の収入が確認できる書類
・医師の診断書

事故に遭うなど、障害の原因が第三者行為にある場合は次の書類も必要となります。
・第三者行為事故状況届
・交通事故証明または事故が確認できる書類
・確認書
・損害賠償金の算定書
・損害保険会社等への紹介に係る同意書

申請先はお住まいの市町村役場の窓口です。初診日が国民年金第3号被保険者期間中の場合、お近くの年金事務所、年金相談センターとなります。

障害厚生年金の場合

障害厚生年金の受給の条件は次のとおりです。

1.厚生年金に加入している間に、障害の原因となった病気やケガの初診日があること
2.一定の障害の状態にあること
3.初診日の前日に次のいずれかの保険料納付要件を満たしていること

(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること

 

(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

 

請求時に必要な書類
・年金手帳
・戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれかの書類
・医師の診断書
・受診状況等証明書(初診の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合に必要)
・病歴・就労状況等申立書
・本人名義の受取先金融機関の通帳等
・印鑑

配偶者や18歳到達年度末までのお子様がいる方(20歳未満で障害の状態にあるお子様を含む)は次の書類もあわせて必要です。
・戸籍謄本
・世帯全員の住民票の写し
・配偶者の収入が確認できる書類
・子の収入が確認できる書類
・医師の診断書

事故に遭うなど、障害の原因が第三者行為にある場合は次の書類も必要となります。
・第三者行為事故状況届
・交通事故証明または事故が確認できる書類
・確認書
・損害賠償金の算定書
・損害保険会社等への紹介に係る同意書
申請先はお近くの年金事務所、年金相談センターです。

なお、上記の条件にはより詳細な要件が決められています。詳しくは日本年金機構ホームページを確認するか申請先にお問い合わせください。

障害年金の請求方法

請求方法には、障害認定日から1年以内に請求できる「障害認定日請求」と障害認定日以降に状態が悪化し65歳に達する日の前日までに障害となった場合に請求できる「事後重症請求」があります。

通常、障害年金の請求は障害認定日請求で行われることが多いです。障害認定日請求は障害認定日以降に障害年金を申請でき、請求日からさかのぼって、障害認定日の翌月分から年金を受給することができます。

事後重症請求は障害認定日には障害が認定されなかったものの、その後に症状が悪化して障害等級に該当するようになった際に可能な請求です。請求日の翌月から年金を受け取ることが可能です。

申請に際し必要な書類については、申請先に確認することをおすすめします。

障害年金については手続き先の窓口などに相談を

障害年金の受給には、経済的な不安が軽減されることで、治療に専念したり前向きに生活できるようになったりといったメリットがあります。障害年金について相談したい場合には、自治体の窓口や年金事務所などの手続き先や、社労士などに相談することをおすすめします。

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