東京都が障がい者などを雇用する社会的企業=ソーシャルファームを支援!今後の動きに注目です


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先日、一般紙で東京都が障がい者などを雇用する「社会的企業」への支援を開始するというニュースがありました。実際に東京都は「都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例」を制定しました。今後、指針などで詳細を詰めていくことになっています。

ここで気になるのが「ソーシャルファーム」という言葉です。ソーシャルファームという概念を取り入れたのは、今回の東京都が初めてのようです。東京都が出している資料や指針を基にどういった企業をソーシャルファームと呼ぶのか、どのような支援を得られるのかを見ていきましょう。

東京都がソーシャルファームを支援!今後の動きに注目です

「ソーシャルファーム」って何?すでに日本でも取り組んでいる企業も

ここで気になるのが「ソーシャルファーム」という言葉です。まずは、具体的なイメージを持ってもらうために、神奈川県のWebページを見てみましょう。2社のソーシャルファームが紹介されています。
外部リンク→神奈川県 ソーシャルファームについて

このうち、スワンベーカリーは、ヤマト運輸の社長を務めた小倉昌男氏が設立した「ヤマト福祉財団」が基となっています。障害者の作業所を訪ねた小倉氏が、給料が1万円にもみたず、障害者が自立をするのにはほど遠い状況に驚き、疑問を持ったのが始まりだそうです。現在、ヤマトホールディングスの特例子会社・株式会社スワンが運営をしており、直営店5店、フランチャイズ店25店(神奈川のお店もフランチャイズ店)、350人以上の障がい者が働き、経済的な自立と社会参加を果たしています。せっかくなので、近くにあるスワンベーカリーさんに寄ってみたいですね。
外部リンク→株式会社スワン 店舗一覧

欧州では40年以上前からある考え

東京都の資料によると、ソーシャルファームとは、「自律的な経済活動を行いながら、就労に困難を抱える方が、必要なサポートを受け、他の従業員と共に働いている社会的企業」となっています。「就労に困難を抱える方」には障がい者も含まれます。

この考え方は、1970年代にイタリアで生まれ、現在ではヨーロッパ全体で約10,000社、また、韓国でも約2,000社が存在するとのことです。

東京都では指針である程度の枠組みを示す

東京都の条例では下記の項目を満たす企業がソーシャルファームとしています。
❶ 事業からの収入を主たる財源として運営していること
❷ 就労に困難を抱える方を相当数雇用していること
❸ 職場において、就労に困難を抱える方が他の従業員と共に働いていること

ソーシャルファームとして認証される具体的な基準や、支援額などは今後決めていくということです。さらに、就労を希望する人に向けた相談、情報提供、職業能力開発等の支援を実施するとなっています。

2020年6月に出されている指針を見ると、事業者向けの枠組みはある程度は決まっているようです。例えば、ソーシャルファームの従業員については、総数に占める就労困難者と認められる割合は20パーセント以上、かつ、就労困難者と認められる者の雇用者数は3人以上とあります。

東京都は「東京都ソーシャルファーム認証審査会」を設置して、申請されたソーシャルファームが認証基準に適合しているかを確認します。認証期間は5年間で、再審査を受ければ更新もできます。

支援の金額や条件などは明記されていませんが、支援については検討期、創設期、運営期に分けられるようです。事務所の改築・改修費用や、資金調達の支援、経費などの支援などが考えられています。詳細は下記となります。

東京都ソーシャルファームの認証及び支援に関する指針

1.検討期における支援
ソーシャルファームに関心のある者や創設を検討している経営主体に対して、次のような支援を行う。
(1)普及啓発及び情報提供
ソーシャルファームを広く普及するための広報、認証基準、支援策等に関する情報提供を行う。
(2)就労困難者と認められる者の雇用ノウハウの提供等
就労困難者と認められる者の雇用ノウハウを提供するための相談等を行う。
(3)社会起業家等の人材の育成
大学や民間団体等と連携し、ソーシャルファームを担う社会起業家等の育成を行う。

2.創設期における支援
都は、第4の2に定める予備認証を受けたソーシャルファーム等に対して、次のような支援を行う。
(1)創設に係る経費の助成
事業所の改築・改修費(就労困難者と認められる者の就労環境の整備に係る経費を含む。)、備品購入・設備導入費等に対する助成を行う。
(2)資金調達の支援
創設に必要となる運転資金や設備資金の調達への支援を行う。
(3)就労困難者と認められる者の雇用に係る支援
ハローワーク等の就労支援機関等と連携し、就労困難者と認められる者のマッチング等の支援を行う。

3.運営期における支援
都は、認証ソーシャルファームに対して、次のような支援を行う。
(1)運営に係る経費の助成
ア 就労困難者と認められる者の雇用・支援に係る経費賃金等雇用に係る人件費、就労支援(定着、就労訓練等)に係る経費等に対する助成を行う。
イ 経営の支援に係る経費
広告費、販路開拓費、事業所の賃借料等に対する助成を行う。
(2)経営や就労困難者と認められる者の雇用に係る相談・助言経営の専門家の派遣等によるコンサルティング、雇用・定着等に係る民間団体等を活用した相談・助言等を行う。
(3)公共発注における活用
業務委託等において、認証ソーシャルファームの積極的な活用を図るとともに、総合評価方式で落札者を決定する場合において、加点の措置を講じる。
(4)資金調達の支援
認証ソーシャルファームの運営に必要となる運転資金や設備資金の調達への支援を行う。

まとめ

・東京都が日本で初めて「ソーシャルファーム」に関する条例を制定
・障がい者などの就職が難しい方を多く雇用し、他の従業員と共に同じ職場で働いている企業を支援
・具体的な支援の金額などは今後明らかに

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