2020/05/11
アビリンピック過去問題|第17回東京(2018)ネイル施術
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近年新しく加わった競技種目「ネイル施術」。東京アビリンピックでは、課題1のベーシックマニキュアと課題2のカラーリングで技能を競います。ネイル施術で最重要視されるのは、衛生的で安全な施術が行えているかどうか。選手が持参すべき道具類が多いのも特徴で、ボストンバッグのような大きめのバッグを背負って会場に入る選手の姿が見られます。
今回は、第17回東京アビリンピック(2018年度)の競技課題を紹介しましょう。
競技種目「ネイル施術」とは? 競技で使える道具類
東京アビリンピックの競技種目「ネイル施術」は、ベーシックマニキュアとカラーリングの技術を競う種目です。ネイルアートの要素はなく、衛生的に施術を行ったり均一にカラーリングしたりする基本的な技術が試されます。身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。
課題内容は事前に公開されるため、当日に向けて準備や練習が可能。ただし、当日モデルになる人を選手自身が用意しなければならず、一部の爪は1週間何もケアしていない状態でなければなりません。
課題内容の練習を行うなら、大会の1週間以上前に行うか、別の人に手伝ってもらいましょう。
競技会場には作業台(180cm×45cm×高さ70cm)や電気スタンド、椅子、ゴミ袋等の用意はありますが、施術に使う道具類は選手が全て持参します。持参する道具類は、以下のリストをご覧ください。
<必ず持参するもの>
- 消毒用エタノールと消毒用容器
- ネイルコットン
- ウェットステリライザー
- ポリッシュリムーバー
- キューティクルリムーバー
- ベースコートとトップコート
- ポリッシュカラー(赤)
- ネイルプッシャー
- キューティクルニッパー
- ファイル及びバッファー類
- ウッドスティック
- ガーゼ
- ダストブラシ
- トレーとブラシ立て
- フィンガーボール
- ペーパータオル
- アームレスト
- 作業エリアタオル(白無地)
- 水筒(ケア用のお湯および水)
- ジェルネイルランプ
- ジェルクレンザー(クリーナー)
- ワイプ類(ジェル用コットン)
- 爪用消毒剤
- ベースジェルとトップジェル
- カラージェル(マット赤)
- スパチュラ(カラージェイル撹拌用)
- 延長コード
<必須ではないが必要に応じて用意する物>
- コットン容器
- ポリッシュリムーバー容器
- ハンドタオル
- 水入れ(ケア用)
- タイマー
- ジェル用の筆
- その他、選手が必要と考える物
競技中はこれらの道具類をカバンから取り出すことはできません。競技前に全て机上に用意する必要があるため、テーブルセッティングも考えておきましょう。
事前準備:モデルの用意とネイルケア
ネイル施術の事前準備でやらなければならないのは、モデルの用意と当日のテーブルセッティングです。当日の競技課題は、右手のベーシックマニキュアと両手のカラーリングの2つ。左手は課題2の準備として、競技開始前にネイルケアを済ませておかなければなりません。
当日までにネイルモデルを用意する
ネイル施術を受けるモデルは、選手が各自用意して当日の会場に連れていきます。ネイルモデルの右手は、大会前1週間はネイルケアとファイリングをしてはいけません。左手は当日競技開始前までにネイルケアとファイリングを済ませておきます。左手のケアは当日会場に入る前に行っても構いません。
爪の長さは、手のひら側から見て1mm〜5mm程度に。ナチュラルネイルで競技を行うため、亀裂などがある場合はナイルグルーで補修しておきましょう。
当日の準備:道具類を作業台の上に並べる
当日の競技開始30分前〜競技開始までにテーブルセッティングを全て済ませましょう。繰り返しになりますが、競技中にカバンから道具類を取り出すのは減点対象です。
ジェルのランプ以外の器具・材料は、衛生的に管理するため全てトレーの中にセッティングします。
セッティング時間の30分間で左手のネイルケアを行うこともできますが、競技開始までに机上を衛生的な状態に整えましょう。
制限時間と課題の概要
ネイル施術は全体で1時間半弱の種目ですが、途中でカバンから道具類の出し入れができないため、しっかり事前準備するのを忘れないようにしましょう。
制限時間
ネイル施術の2つの課題のうち、課題1の制限時間は20分、課題2の制限時間は50分です。
課題1と課題2の間には10分間の審査時間が設けられています。
課題1:ベーシックマニキュア
課題1では、モデルの右手のネイルケア及びファイリングを行います。
課題1の競技開始時点でのモデルの手は、
- 右手:課題1の対象、1週間ケアしていない状態
- 左手:ケア済み
である必要があります。
競技開始前に事前審査があるので、モデルの手に触れずに待ちましょう。
競技が始まったら、右手のケアを開始します。ケアの手順は問われませんが、以下の作業をきちんと行いましょう。
- 手指消毒
- ファイリング
- キューティクルの処理(ウォーターケア)*ネイルマシーンの使用はOK、オイルネイルとシャイナーの使用は禁止
- 両手のバランスを整える *時間内であれば左手を整えてもOK
- 使用した器具・材料を全て片付け、ペーパータオルを交換する
モデルの両手の爪のケアの仕上がり、衛生的な施術かどうか、器具・材料の使い方、出血や傷がないかどうか等を基準に審査が行われます。もし時間内に右手のケアが完了しなかった場合は減点されます。
課題1で終わらなかった分は、課題2の時間内に終わらせましょう。
課題2:カラーリング(ポリッシュとジェル)
課題2では、モデルの右手に赤のポリッシュによるカラーリング、左手にマット赤のジェルによるカラーリングを施します。
右手の5指には以下の施術を行いましょう。
- 爪の油分除去
- ベースコート
- カラーポリッシュ(赤)2度塗り
- トップコート
- 全ての工程でエッジも塗る
一方、左手の5指には以下の作業を行います。
- プレパレーション(必ずサンディングを行う)
- ベースジェル
- カラージェル(マット赤)2度塗り
- トップジェル
- 全ての工程でエッジも塗る
- 未硬化ジェルの拭き取り
全体を通して、モデルの爪の状態や使用する材料に適した施術を行います。衛生的で安全に行うことが最も重要です。
課題3の審査は、以下の点から行われますので、施術の際の目安にしましょう。
- 衛生的に施術を行っている
- エッジの塗りが適切である
- 厚みや表面が均一で塗り残しがない
- キューティクルラインがなめらか
- サイドの塗り残しがない
- 皮膚に製品がついていない
- 時間内にトップまで塗られている
- ジェルは表面のべたつきがない
- 両手のカラーの色が合っている
- 左右の仕上がりのバランスがいい
- 製品を安全かつ用途に応じて使用している
なお、ジェルのランプ等、電源が必要なものについては、アダプタ部分が大きすぎると他の選手のアダプタとかち合ってつなげない場合があります。延長コードを持って行く際は、必要なアダプタをその延長コードにしっかりさせるかどうかもチェックしておきたいところです。