アビリンピック過去問題|第19回東京(2020)ビルクリーニング・オフィスアシスタント


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コロナ禍の影響で競技のみが実施された2020年度の東京アビリンピック。競技種目「ビルクリーニング」は1課題のみで実施されるなどイレギュラーな形だったものの、選手の方々は日頃培った技能をしっかりと発揮されました。今回は、「ビルクリーニング」と「オフィスアシスタント」の課題内容をチェックしていきましょう。

競技種目「ビルクリーニング」とは

アビリンピックの定番競技種目の1つである「ビルクリーニング」は、オフィスに見立てた4m×4mのスペースを手順通りに清掃する種目です。毎年ほぼ同じ課題で行われています。

通常は「カーペット床清掃」と「弾性床清掃及び机上清掃」の2つの課題で競われますが、2020年度はコロナ禍の影響を受けて競技全体の時間を短縮。「弾性床清掃及び机上清掃」のみが実施されました。

「ビルクリーニング」で高評価を受けるには、

  • 区画への出入りの際にきちんと挨拶ができる
  • 清掃作業で使用する用具類を適切に扱える
  • 手順通りに清掃作業を進められる
  • 作業後にきちんと点検を行い、汚れ等が残っていない

といった多様な点に気をつけて作業を進めなければなりません。

短い制限時間の中で効率よく、ていねいに清掃を行うことが求められる競技です。

「ビルクリーニング」の制限時間と課題概要

2020年度は1課題のみ実施されたため、例年より全体の制限時間も短くなりました。実施された課題における作業手順自体に変更はありません。

制限時間

今回の制限時間は、10分です。

選手の「はじめます」という申告で時間の計測がスタートし、2名の選手が同時に作業を開始。作業が終わった選手から各自「終わりました」と申告することで計測が止まり、2名とも作業が終わった時点で各自の作業時間がアナウンスされます。

制限時間終了の3分前にアナウンスがありますので、練習の際も「最初の7分間でどこまで作業を進められるか」を目安にするとよいでしょう。
なお、制限時間内に作業が終わらなかった場合も、原則として課題にある作業を全て行う必要があります(制限時間を過ぎたあとの作業は採点対象外)。

持参するものと課題概要

「ビルクリーニング」では、作業帽・作業服・作業靴以外の持ち込みは認められていません。熱中症対策としての飲み物の持ち込みについては、大会前に発表される「競技課題」などを確認してください。

今大会で課された「弾性床清掃及び机上清掃」は、塩化ビニール系の長尺シートの床面にまかれた「おがくず」をモップで清掃し、ゴミ箱のゴミを回収したり机上拭きを行ったりする課題です。選手は「はじめます」と申告する前に、資機材や消耗品の点検、モップの柄の長さ調節などを行う必要があります。

各工程における作業内容は概ね以下のとおりです。

<競技開始前に行う資機材の準備>(番号を呼ばれてコートに向かい、準備を行う)

作業方法

注意事項

作業に必要な資機材を点検する –        資機材一覧表と照らし合わせる

–        数などに過不足がないか確認する

–        異常がある場合は申し出る

ワンタッチモップ柄の長さを調節し、カートの所定の場所にセットする
ダスタークロスを乾式モップヘッドに装着し、カートの上部に置く

 

<競技開始~終了に行う作業>

作業方法

注意事項

–        所定の位置に立ち、「はじめます」と挨拶をする(競技開始) –        片手を挙げて、一礼する
–        カートを保管場所から作業場所近くへ移動させる

–        作業標示板を立てる

–        入り口で、室内に向かって入室の挨拶を行う –        「失礼します」と一礼してから入室する
–        椅子を机上に上げる –        机は動かさない

–        椅子が机の四隅からはみ出さないよう、正しくのせる

–        ゴミ箱にセットされているビニール袋を回収する

–        回収したビニール袋をカートの袋の中に入れる

–        ビニール袋の替え袋を取り出し、ゴミ箱にセットする

–        ゴミ箱を机上に上げる

–        ビニール袋を正しくセットする

–        ゴミ箱は机からはみ出さないよう、正しくのせる

–        入り口の養生マットの上で、乾式モップヘッドをモップ柄に取り付ける
–        モップで外から入り口を除塵し、入室する –        柄の先端に親指を添える

–        ヘッドの広いほうの辺を先行させる

–        ヘッドは床から離さない

–        課題にある作業手順に従い、室内を清掃する –        ゴミは前進しながら出口に向かって一箇所に集める

–        入り口のゴミを踏まないよう、足場を確保する

–        ヘッドを柄から外し、使用済みダスタークロスをヘッドから外してカートの袋の中に入れる
–        柄とヘッドをカートに戻す –        ヘッドはカート上部に、スポンジ面を上にして、邪魔にならないように置く
–        小型ぼうきと文化ちりとりを使って、集めたゴミを回収する

–        ゴミの取り残しがないか点検する

–        小型ぼうき、文化ちりとりをカートに戻す

–        ゴミの取り残しがある場合は、小型ぼうきと文化ちりとりを使って回収する
–        課題にある作業手順に従い、水拭きモップでコート全体面積を拭く

–        コーナー周りと机の足元は房糸に手を添えて拭く

–        モップは横拭きとし、後退しながら拭く

–        モップは適宜裏返し、モップ全体を使って拭く

–        柄の先端には親指を添える

–        房糸がコートを区切る幅木や机の脚に触れないようにする

–        拭いたところを踏まないようにする

–        拭き残し・拭きムラがないようにする

–        ゴミ箱と椅子を安全に音を立てないように下ろす
–        青色のタオルを八折にして持ち、机の上を水拭きする

–        白色のタオルで机上をから拭きする

–        タオルが汚れたらきれいな面を出して拭く

–        机の縁を含めて、四隅から中央へ拭く

–        横拭きと縦拭きを行う

–        指さしまたは目視点検で、資機材の忘れやゴミの取り残しがないか確認する –        声は出さない
–        出口で室内に向かって退室の挨拶をする –        「失礼しました」と言って一礼し、退室する
–        作業標示板をカートに収納する

–        カートを保管場所に戻す

–        所定の位置に立ち、終了の申告をする(競技終了) –        「終わりました」と言って申告する

床の清掃手順は、競技課題に図解されています。具体的なイメージが掴みにくい場合は、実際に競技の様子を見てみるとよいでしょう。「ビルクリーニング」の課題内容は、他の地方アビリンピックや全国アビリンピックでもほぼ同じです。

競技種目「オフィスアシスタント」とは

競技種目「オフィスアシスタント」も毎年実施されている定番競技。課題内容は少しずつ変化しており、参加する選手のスキルも上がってきています。

「オフィスアシスタント」で行うのは、送付状に基づく封入・封かん、郵便物の仕分けなどです。2つの課題があり、集中力と正確さが求められます。

高評価を受けるには、

  • 指示通りに仕分け、封入・封かんができているか
  • 宛名ラベルをきれいに貼れているか
  • 印刷に不備のある文書等をきちんと取り除いて封入しているか
  • 指示どおりに書類を折れているか
  • 時間内に完成させられるか

といった点に注意しましょう。

つい作業の速さを上げることばかりに意識が向いてしまうかもしれませんが、「届けるべき相手に届けるべきものを」という正確さが何より大切です。

まずはミスなく作業を進められるよう練習しながら、ミスが発生しにくい作業手順や文書等の並べ方を工夫してみてください。その後、スピードアップさせるにはどうすればよいかを検討するとよいでしょう。

「オフィスアシスタント」の制限時間と課題概要

2020年度の「オフィスアシスタント」は前年度と同様の競技時間や内容で実施されました。競技には2つの課題があり、それぞれの課題について説明時間と練習時間が設けられています。

制限時間

「オフィスアシスタント」の制限時間は、課題1が40分課題2が10分です。
各課題の競技開始前に設けられた説明時間と練習時間も含めると、下表のようになります。

<東京大会「オフィスアシスタント」の競技時間>

課題 説明時間 練習時間 競技時間
課題1 15分 15分 40分
課題2 5分 5分 10分

課題概要

2つの課題のうち、課題1は「発送準備課題」。多くの文書を仕分けたり文書を折ったりする課題です。
普段使っている指サックを持ち込むことが可能ですが、折り板の持ち込みと使用は禁止されています。文書をどのような折り方にする必要があるかを大会前に公表される課題で確認し、繰り返し練習しておきましょう。

課題2は、「封筒仕分け課題」です。名簿と郵便物の宛名を照らし合わせ、部署別に仕分けます。課題2でも指サックを使用できます。
各課題の作業内容は、以下のとおりです。作業手順は決められていませんので、練習では自分にとってより正確さや速さをアップできるやり方をいろいろと試すことが大切です。

<「オフィスアシスタント」課題概要>

課題1 発送準備課題
文書の片袖折り –        A3版の書類を片袖折りにする

–        印刷面が表側になるように折る

–        印刷不良のものは取り除く

宛名シール貼り –        2種類の宛名シールを角2封筒に貼る

–        所定の位置にまっすぐに貼る

–        印刷不良のものは使わない

書類のピックアップ –        送付状を含む6種類の書類をピックアップする

–        送付状を一番上にして、送付書類に記載されている順番に並べ替える

封入 –        送付状に従って資料を封入する

–        封筒の宛名側と文書の印刷側の向きを合わせる

–        送付状の宛名の書き出しが封筒口側になるように入れる

–        印刷不良のものは使わない

–        封筒の口を折り返す

課題2 封筒仕分け課題
封筒の仕分け –        職員名簿に照らして、部署別に郵便物を仕分ける

–        封筒の大きさは長3封筒

–        部署は、人事課、営業課、経理課など

作業を進める上での注意点や細かい指示は、課題に図とともに示されています。どのような書類がありそうか、大きさや数はどのくらいかなど、細かな部分もしっかりチェックしてください。

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