アビリンピック過去問題|第17回神奈川(2019)機械CAD


アビリンピックの競技種目「機械CAD」は、提供された課題図をもとに3次元CADを使ってモデリングを行い、さらにアセンブリして図面を印刷する種目。規定や細かな指示の多い課題内容ですが、普段からSolidWorksやCatiaを使っているなら、ぜひ挑戦したい競技です。

今回は、2019年のアビリンピック神奈川で出された課題の概要をご紹介します。

競技種目「機械CAD」とは? 競技で使われたPC環境等

競技種目「機械CAD」には、2つの課題があります。3次元CADを用いて課題図にある機械の部品をモデリングするのが1つめの課題、提供データと課題図に基づいてアセンブリを行うのが2つめの課題です。最終的に指示された形式で図面を印刷するため、投影図や寸法等の表示についてもきちんと規格や指示に従う必要があります。

機械CADには身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加できます。

競技で使用されたOSはWindows10 Pro、3次元CADソフトウェアはSolidWorks2016-2017、CatiaV5でした。なお、ワークステーションで採用されたディスプレイは23.8インチの液晶ディスプレイです。

選手が持参するものと会場に準備されているもの

競技中に使えるものは、事前に公開される課題の「使用工具等一覧表」に記載されています。会場に用意されているものと、選手が持参できるものもあります。一覧表にないものは使用できず、競技中の貸し借りもできません。

<選手が持参するもの>

  • スケール
  • 分度器
  • 鉛筆・シャープペンシル・マーカー等
  • 消しゴム
  • マウス及びマウスパッド(会場にも用意されているが持ち込み可能・ドライバ等のインストールは不可)

<会場で用意されているもの>

  • プロッタ用紙(A3判、75g/㎡程度)2枚
  • USBメモリ(2GB)1個
  • 3次元CADシステムのワークステーション(SolidWorks2016-2017、CatiaV5、Windows10 Pro、23.8インチ液晶ディスプレイ、JIS配列キーボード、ホイール付きマウス、マウスパッド)
  • A3・A4レーザープリンタ
  • 机と椅子

障害特性に応じた補助具が必要な場合は、事前に事務局に相談する必要があります。

制限時間、製図の規格と課題概要

機械CADでは3次元CADソフトウェアを用いて「部品図」と「組立図」を作成します。製図の規格や解答図の図枠など決められていることが多いので、それぞれの規定や指示にきちんと従って課題を進めましょう。特に製図の規格については事前にしっかり確認しましょう。

なお、競技中のテスト印刷は、部品図と組立図でそれぞれ1回しかできません。

制限時間

機械CADの制限時間は1時間30分です。

最初の20分は「PC動作環境確認・設定」の時間で、この時間内に使用するソフトを立ち上げ、ディスプレイや動作の確認を行います。ユーザー環境の範囲内であれば、必要に応じて変更しても構いません。

20分以内に動作確認・設定が終了したら、そのまま図面の作成に進みましょう。完成図面の最終出力は、競技終了後に選手自身で行います。

製図の規格と解答図の様式

製図は、日本工業規格(JIS)の以下の規定に基づいて作成する必要があります。

解答図の様式は、以下のように自分で設定・作成する必要があります。

  • 指示どおりに枠・表題欄・中心マークを作図する(解答図はその中に描く)
  • 印刷時の線の太さは、外形線、枠・表題欄は0.35mm、それ以外の線は0.18mmとする
  • 用紙の向きは、長辺が横方向
  • 用紙の大きさはA4またはA3(投影図の大きさに合わせて選ぶ)
  • 競技開始後に表題欄の番号、氏名欄を記入する
  • 寸法記入における寸法値の文字高さは3.5mm(フォント不問)とする
  • 寸法記入での端末記号の矢印の大きさを指示どおりに作成する
  • 解答図の尺度は1:1で、第三角法で作図する

なお、解答図を作成する際の図枠等のイメージは、概ね下のようなものになります。課題では、欄の大きさや枠線の長さ・太さ等が指示されますので、それに従って図枠を作成しましょう。

<アビリンピック神奈川2019 機械CAD解答図の枠・表題欄等のイメージ>

課題の概要

当日に課題図とアセンブリに必要なデータが提供されます。アセンブリに必要なデータはSolidWorks2015とCatiaV5でモデリングされています。課題図をもとに、3次元CADソフトの図面化機能を使って「部品図」と「組立図」を作成しましょう。

部品図では、課題図のとおりに投影図を選択・配置し、寸法記入等を行います。

組立図も課題図に基づいて、投影図の選択・配置、寸法記入等を行いましょう。投影図の選択は、三角法を用います。部品番号を指示する投影図、端末記号も課題図に従って作成しましょう。

なお、組み立て状態については、当日に指示される部品が平行になる状態を基本姿勢とした上で、最大開き状態も図示する必要があります。

断面図のハッチングに関しては、部品毎にハッチングの種類を変えましょう。

競技時間中の出力確認テスト印刷は、部品図で1回、組立図で1回だけ可能です。採点対象は出力された図面のみで、データは採点されません。適切に図面が印刷されるよう、必ずテスト印刷をして調整しましょう。

競技「機械CAD」での禁止事項

機械CADの競技で禁止されていることは、大きく分けて3つあります。

  1. 「使用工具等一覧表」で指定されてもの以外のものを使用するのは禁止
  2. 競技時間中に使用工具を貸し借りするのは禁止
  3. 図面化したデータを他のCADソフトウェアに移行し作図するのは禁止

仕事でCreo ParametricやInventorなどを使用している場合は気をつけてください。また、全国アビリンピックでは使用が認められているテンプレートや粘着テープ、電卓等も持ち込むことはできません。

補足

2019年のアビリンピック神奈川の機械CADでは、公式サイト上に課題図が公開されていません。課題内容の詳細を知りたい場合は、以下の担当窓口に問い合わせましょう。

アビリンピック神奈川の競技課題に関する問い合わせ先:
神奈川支部高齢障害者業務課(TEL 045-360-6010 )

これに対し、全国アビリンピックでは、機械CADの課題図を含んだ課題内容が公開されています。制限時間や投影図の選択等、ルールが異なる部分もありますが、練習問題として利用してみるのもよいでしょう。

【参考】
過去3年の技能競技課題(参考資料)独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構|

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