アビリンピック過去問題|第40回全国(2020)製品パッキング・喫茶サービス


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全国アビリンピックで毎年同様の課題で実施される競技に「製品パッキング」や「喫茶サービス」があります。2020年度大会でも基本の課題に変更はありませんでした。ただ、「製品パッキング」の課題では細かなルールが追加され、「喫茶サービス」では感染症対策の観点が盛り込まれています。

2020年度の「製品パッキング」は課題内容がやや難化、「喫茶サービス」は感染症対策に対応

2020年度の全国アビリンピックはコロナ禍での開催でした。コロナ禍での初めての開催ということで基本的な感染症対策が講じられるとともに、多くの競技種目で会場のレイアウト変更があり、これまでとは異なる動線で競技を進められました。

その中で、特に人との接触があり感染リスクが高いのが、競技種目「喫茶サービス」です。そのため、テーブルなどの消毒や選手のフェイスシールド着用など、昨年までなかったルールを競技内容や進行に追加。選手たちは感染症対策ルールに従い、競技を進めました。

一方、競技種目「製品パッキング」は例年通りの課題内容を基礎とした内容でした。同じ課題での競技実施は2020年度で5回目。参加選手の技術も向上しています。選手のレベルアップにあわせ、今大会ではテープの貼り方に細かいルールが追加されるという、従来よりやや難しい課題内容となりました。

「製品パッキング」の制限時間・評価ポイン

競技種目「製品パッキング」は、荷造りや包装の技術を競う種目。課題は2つあり、課題1は緩衝材の組立・結束、課題2は化粧箱等の組立とセットアップ梱包です。

原則として毎年同じ内容の課題で技能を競いますが、選手のスキルアップに合わせて少しずつ課題内容が難しくなっていく傾向があります。

制限時間は課題1が30分、課題2が60分。各課題の競技を実施する前に、課題内容についての説明と準備時間があり、課題1と課題2の間には100分間の休憩時間があるのが特徴です。

「製品パッキング」の評価ポイントは、課題ごとに設けられています。

<課題1の評価ポイント>

  1. 規定の数量を時間内に作成できたか
  2. 製品の向きは正しいか
  3. 正しい結び方、位置で結束されているか
  4. 外観にシワ・ヤブレ・汚れ・凹みなどがないか

<課題2の評価ポイント>

  1. 規定の数量を時間内に作成できたか
  2. 緩衝材、小箱、中箱、化粧箱の組入の向きと数量は課題の指示に従っているか
  3. 包装テープの止め方は課題の指示に従っているか
  4. 外観にシワ・ヤブレ・汚れ・凹みなどがないか

競技課題には緩衝材の折り方や並べ方、箱の折り方や並べ方、ひもの結び目の位置、テープの止め方などが細かく指定されています。まずは何度も練習し、丁寧に作業できるようにすることがスキルアップのポイントです。

「製品パッキング」の課題概要と変更点

2020年度の「製品パッキング」では、2つの課題のうち課題2で、外箱のテープの止め方に細かなルールが追加されました。

まず、外箱底部の中央部に貼るテープは、テープの中心から24mm±10mmの位置で貼らなければなりません。このとき、テープの折返しも24mm±10mmとします。

外箱側面側のテープも中心から24mm±10mmの位置で貼ります。テープの長さは、外箱側面より両側を20mm程度長くカットしましょう。はみ出た部分は、指示された手順で箱に貼りつけ、外箱の角の部分をテープで覆うようにします。

2020年度の競技課題では、テープの貼り方以外は従来のやり方と同じです。競技内容や梱包イメージなどは、以下の関連記事で詳しくご紹介しています。

(関連記事)
アビリンピック過去問題|第39回全国(2019)製品パッキングと喫茶サービス

「製品パッキング」の講評では、課題1の緩衝材をまとめてひもで縛る際の注意点やシワがつかないよう組み立てることついてアドバイスがありました。

1つめのアドバイスは、結束の1本目のひもに緩みが出やすくなっているため、1本目こそきちんと緩みなく(ひもを持ち上げたときに、ひもと製品の感覚が5cm以内になるように)結束しておくこと。

2つめのポイントは、もともと化粧箱の組立でシワができやすいため注意が必要であるとともに、今大会では中箱の窓部分周辺のシワが目立っていたため、
抜き屑を取るときは窓周辺の罫線を折るときにシワができないよう工夫する必要があるということでした。

「喫茶サービス」の制限時間・評価ポイント

2020年度全国大会の「喫茶サービス」は、コロナ禍ということで特に感染症対策を強化して実施されました。競技時間の短縮、フェイスシールドの着用、テーブル等の消毒などが主な変更点です。競技で使われる伝票やメニューの変更はありません。

2020年度の競技時間は、選手1人あたり50分程度。競技全体としては3時間です。参加選手33名をAコートとBコートに分けた上で、午前に競技するグループと午後に競技をするグループを設定。午前は9:00-12:10、午後は13:00-16:10での実施となりました。グループ分けは、競技前日の選手見学説明会で発表されました。

「喫茶サービス」の評価ポイントは、

  1. 喫茶店での業務にふさわしい身だしなみができているか
  2. 業務に必要なあいさつ、報告・連絡・相談といった基本的労働習慣が見についているか
  3. お客様の来店から退店後の後片付けまでの一連の接客業務を正確かつスムーズにできているか
  4. お客様の立ち上に立って業務を行っているか
  5. スタッフや他の競技者と連携・協力しているか

という5点です。

なお、これまで参加選手は他のグループの競技の様子を見学することができました。しかし、今大会は感染予防と公平性の観点から、午前グループは午後グループの見学はできず、午後グループは午前グループの見学をできません。指定された時間に集合し、競技が終了次第、すぐに解散という流れで行われました。

「喫茶サービス」の課題概要

「喫茶サービス」では、他の参加選手と協力しながら接客業務を2回行います。今大会は1グループ3人で構成されました。基本的には例年通りの競技内容となっているものの、感染症対策の点でいくつか変更がありました。

感染症対策として新たに設けられた項目や会場で用意されるもの等は、以下のとおりです。

<感染症対策としての追加項目>

  • 競技をしていないときはマスクを着用する
  • 審査の観点から、競技中は主催者が用意したフェイスシールドを着用し、マスクを付けない(各自で持参することも認められるが、口元や表情が見えやすいものを使用する)
  • 客席の消毒を行う

<会場で用意されるもの>

  • 喫茶店での業務に必要な備品・消耗品等
  • メニューに関する食材
  • エプロン(貸与希望者のみ)
  • ゼッケン
  • ハンドソープ、ペーパータオル、アルコール消毒液など手洗いや消毒に関するもの

<会場に配置されるスタッフ>

  • フロア担当者
  • ドリンク等厨房担当者
  • 食器洗浄担当者
  • お客様案内・整理担当者
  • 競技者案内・誘導担当者

メニュー設定に変更はありませんでした。

<メニュー>

  • ホットコーヒー
  • アイスコーヒー
  • 紅茶(レモンorミルク)
  • アイスティ(レモンorミルク)
  • ジュース
  • Aセット(クッキー+コーヒーor紅茶)
  • Aアイスセット(クッキー+アイスコーヒーorアイスティ)
  • Bセット(クッキー+コーヒーor紅茶)
  • Bアイスセット(クッキー+アイスコーヒーorアイスティ)

選手は競技で設定される喫茶店のきまりに基づいて接客業務を行うことが求められます。突発事項やお客様からの質問があるなど対応に困ることが生じた場合は、必要に応じて会場に配置されたスタッフに報告・連絡・相談することが可能。また、スタッフから指示があった場合は、速やかな対応が求められます。

今大会の講評では、参加選手の技能が年々向上しており、スタッフや他の競技者との連携もよくなっていると評価されました。金賞を受賞した選手は「一緒に働く人の動きや店内のお客様の様子をよく観察し、自分がお客さんとして来店したときに違和感のない接客をする」ことを心がけたとのことです。

【参考】
アビリンピック 公式サイト
全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)|JEED

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