2021/03/24
アビリンピック過去問題|第38回全国(2018)ホームページ
本ページはプロモーションが含まれています
WEBデザインやコーディングのスキルを競うアビリンピック競技種目「ホームページ」。事前にホームページの大枠を作成し、競技本番でページを改良・追加するという課題内容が特徴です。
第38回全国アビリンピックは沖縄が開催地となり、作成するホームページのテーマも「海」に設定されました。
課題全体としては、プレゼンページの作成が不要になったり、当日作成するページの条件が例年と異なるものだったりといった変更が見られます。
競技種目「ホームページ」の概要と使用されたOS・ソフト
2018年の全国アビリンピック「ホームページ」競技は、沖縄に関連して「海」がテーマとなりました。事前に作成するホームページの要件が提示され、使用できるOSやソフト・仕様・会場下見で行うことなどが公開されています。
「ホームページ」では、UI(ユーザーインターフェース)を意識したデザインや障害をもつ方でも使えるというアクセシビリティも評価対象です。
身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能で、今大会の参加者は2017年大会よりも多い13名でした。
使用されたOSや本番で使える他のソフトウェアは以下の通りです。
- OS
- Microsoft Windows 10
- ブラウザ
- Google Chrome
- Fire Fox
- Microsoft Internet Explorer 11以上
- テキストエディタ
- TeraPad
- 画像閲覧ソフト
- XnView
- Bridge
- グラフィック制作ソフト
- Adobe Illustrator CC(日本語版)
- Adobe Photoshop CC (日本語版)
- ウェブ製作ソフト
- Adobe Dreamweaver CC (日本語版)
「ホームページ」の事前課題と準備・評価ポイント
「ホームページ」では大会前に事前課題をこなす必要があります。要件や仕様に基づいてホームページを作成し、CD/DVD等に保存して会場下見の際に提出しなければなりません。
事前課題は原則として競技本番の評価対象にはなりませんが、他の選手と同点となった場合は事前課題の出来で判断されることがありますので油断はできません。
事前課題の概要と準備
事前に制作するホームページの主な要件は以下のようになっています。
- テーマ
- 「海」(実在する海に限る)
- 海に関するテーマであれば何でも良い
- 例)観光、海洋研究、自然破壊、海洋植物、ランキングなど
- 想定する閲覧者
- 規定なし
- 作品制作における要件
- 制作するページは、1ページ以上3ページ以内
- 海の写真を10点以上使用する
- 写真は一定時間毎に順送りするスライダー形式で表示する
- スライダーの左右に「進む」「戻る」「停止」ボタンを配置し、キーボードでも操作できるようにする
- 使用する写真は競技者オリジナルのものか、家族・友人等から提供された無償のものに限る
- 素材提供者には、競技中・展示エリア・大会後の作品紹介などで使用される可能性があることを説明し、許諾をもらう
- スライダーに用いる写真全てに撮影者の名前(コピーライト)を入れる
- アクセシビリティに配慮して作成する
- 使用できる技術
- HTML、CSS
- JavaScript
- SQL
- XAMPP(使用する場合は、競技者自身がCD/DVD等で持参し、会場下見の際に自分で導入する)
- 使用できない技術
- 上記以外の技術
- Flash
- ファイル名
- index.(拡張子)
- 提出方法
- CD/DVD1枚に保存
- 返却されないので、事前にデータをコピーしておく
- 事前課題で使用していないサンプルのHTML、CSS、スクリプト、利用方法のメモ、素材などを保存しておいても良い(競技者自身が作成したものに限る・市販のサンプル集は不可)
- 競技者の氏名を記入し、指定の日時・場所で提出する
- CD/DVD1枚に保存
- その他
- フッターに競技者の所属する都道府県名と氏名を入れる
- ソースコードに必ずコメントを入れる
- 事前課題は本競技のために競技者が自分の力で新しく作成するとともに、他人の知的財産権を侵害しない(動画、画像、音楽、文章等はオリジナルのものを用意する)
2017年大会までは、制作意図などを記述するプレゼンページの作成も事前課題に含まれていましたが、今大会では作成不要です。
また、事前課題の作品で使用していないソースコードでも、CD/DVDに保存するページ(1枚)の中に書いておき、競技中に参照OKという規定に変更されました。
会場下見で行うこと
各競技では本番前日などに会場下見が行われます。「ホームページ」の場合は、会場下見で以下のことを行いました。
- 競技で使う設備等を確認し、動作を確認する
- 自分が作業しやすいようにキーボード、画面、ソフトの環境設定などを変更する
- 障害特性に応じた補助具が必要な場合は、事前に申請した上で持参し、導入する
- 事前課題の作品を競技用PCで閲覧・編集できるようにインストール・環境設定する
- XAMPPを導入する(必要に応じて)
評価のポイント
事前課題を作成する際は、競技本番で参照されても良いように評価ポイントを意識して作りましょう。
主な評価のポイントは、基礎力・技術力・アクセシビリティ・独創性・芸術性の5つです。
<「ホームページ」の評価ポイント>
- 基礎力:課題の最低限の仕様を満たし、他人に見られることを意識してHTMLソースを書いている
- 技術力:適切な技術を使って作成している
- アクセシビリティ:障害の有無に関係なく誰でも利用できるように配慮している
- 独創性:閲覧者を驚かせるようなユニークさがある
- 芸術性:閲覧者を引き付けるデザインである
競技本番の制限時間・当日課題の概要
事前課題を提出できたら、いよいよ競技本番です。
2018年大会の当日課題は前大会に比べて要件が少なくなりましたが、その分、競技者自身のセンスが作品により反映されやすくなります。事前課題と有効に関連付けたり、アクセシビリティに配慮して見やすく使いやすいページにしたりするなど、ホームページを閲覧する人々を自分なりにイメージしながら取り組みましょう。
制限時間と2018年大会での実施時間
「ホームページ」競技の当日の制限時間は、例年通り3時間です。
2018年大会では、10:30-14:30(休憩は12:00-13:00)で競技が行われました。
当日課題の概要
競技本番が行われる当日には、事前課題で用意した素材を活用して2つのページを作成します。主な要件は、次の通りです。
<当日に作成する各ページの主な要件>
- フォトギャラリーのページの作成
- 写真を一覧する機能をつける
- 一覧から写真を1つ選択すると拡大表示される
- 写真の詳細な情報を提示する機能をつける
- 自由にページを作成する(テーマ:海)
- フォトギャラリーと連携していることが望ましい
- 具体的なテーマは自由(観光プラン、魅力紹介、イベント紹介など)
制作にあたって会場に持ち込めるものや競技中に参照できるものには制限があります。障害特性のために補助具が必要な場合は、事前に申請して許可を受けてください。
<当日の会場に持ち込めるもの・参照できるもの>
- 市販の参考図書1冊(全部または一部を点訳したものでもOK)
- 事前作品と素材等の入ったCD/DVD
<当日の会場に持ち込み禁止のもの>
- ノートやメモ紙
- 個人所有のUSBメモリー等の記憶媒体
例年より課題内容に関する指示が少ないため、事前課題をもとに本番で使いそうな機能や素材をどれだけ用意し、練習していたかが評価に大きな影響を与えます。
2017年大会までは、検索やコメント入力・投稿などの機能が競技本番の課題として出されました。全国大会の過去問題や地方大会の問題等に取り組み、当日課題で何が出題されるか予測して準備を行いましょう。