推計障害者数が1,160万人に 2011年の1.5倍


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厚労省の資料で、日本の障害者の総数が推計約1,160万人となり、人口の約9.2%となることがわかりました。障害者数は2011年の厚労省の調査から約1.5倍に増えており、障害者の社会参加のバリアを軽減する取り組みがいっそう求められています。2011年、2016年の実態調査による推計値とともに、日本の障害者数の推移とその内訳を見ていきましょう。

障害者の総数が推計1,160.2万人に増加

厚生労働省の第28回「障害者福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料によれば、日本の障害者の総数が推計1,160.2万人となったことが明らかになりました。これは人口の約9.2%となる人数。このうち、身体障害者は436.0万人、知的障害者は109.4万人、精神障害者は614.8万人とされています。

年齢別に見ると、身体障害者では約7割を65歳以上の方が占めているのに対し、知的障害者では65歳未満の方が約8割、精神障害者でも65歳未満の方が約6割を占めました。

障害のある方には、何らかの障害福祉サービスを利用している方が多く見られます。障害福祉サービスと障害児サービスの利用者数も2021年12月からの1年間で増加しており、その伸び率は5.4%。特に成人では、精神障害者の伸び率が7.6%と大きくなりました。

2022年12月時点での障害種別の利用者数は、以下のとおりです。

  • 身体障害者 22.8万人
  • 知的障害者 44.0万人
  • 精神障害者 30.0万人
  • 難病等対象者 0.4万人

障害者数の推移 2011年から1.5倍

厚生労働省では、障害者施策推進のための基礎資料とするため、在宅の障害者(児)を対象として、生活実態とニーズを5年に1度調査しています。「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」です。2023年6月現在で最新版となる2022年調査は結果の公表待ちのため、2011年調査と2016年調査の結果を中心に見ていきましょう。

2011年調査では推計787.9万人

まず、2011年調査では、日本の障害者の総数は推計787.9万人で、人口の約6.2%でした。障害種別では、身体障害者393.7万人、知的障害者は74.1万人、精神障害者は320.1万人いると考えられています。

このうち障害者手帳所持者は479.2万人となっています。障害種別で見ると、身体障害者手帳の所持者は386.4万人、療育手帳の所持者は62.2万人、精神障害者保健福祉手帳の所持者は56.8万人。障害者手帳を所持してはいないものの、自立支援給付を受けている方は32.0万人でした。

2016年調査では推計936.6万人

続く2016年の調査では、障害者の総数は936.6万人と推計されており、人口の約7.4%に増加。障害種別の推計値を見ると、身体障害者は436.0万人、知的障害者は108.2万人。精神障害者は392.4万人。特に精神障害のある方の人数が大きく増えました。

このうち、障害者手帳所持者は559.4万人とされています。障害種別では、身体障害者手帳の所持者は428.7万人、療育手帳の所持者は96.2万人、精神障害者保健福祉手帳の所持者は84.1万人。いずれも2011年調査の結果から30~40万人程増加する結果となりました。

こうした増加傾向は現在も続いています。今回の「障害者福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料として公表された推計値は、単純計算で2011年の約1.5倍、2016年の約1.2倍です。

障害のある方の社会参加

人口の約9.2%が何らかの障害を感じながら生活していると考えられる現在の日本。喫緊の課題は、「障害のある方の社会参加機会をいかに確保し、生活や活動をサポートするか」です。

社会参加のひとつの形に就労があります。世界的なインクルージョンの流れ、そして労働人口の不足が深刻化する日本企業において、障害者雇用は他人事ではありません。従業員数が43.5人以上の民間企業には障害者の法定雇用率達成が義務づけられており、2026年度からは2.7%に引き上げられます。2024年4月から施行される合理的配慮の義務化も目の前です。

働き方の多様化により、在宅勤務、アウトソーシング、週20時間未満での就労など、障害のある方も働きやすい就労条件、職場環境を以前より整えやすくなりました。日常生活で提供されるサービスにおいても、手話や筆談のほか、文字起こしツールの活用、障害者手帳代わりのアプリなど、少しずつバリアが軽減されているところもあります。

今後も、障害の有無にかかわらず、誰もが自らの特性、能力を生かして活躍できる社会づくりがいっそう求められています。それには、より多くの方が障害理解を進め、多様性のひとつの形として受け止めるような考え方が重要です。

(関連記事)
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【参考】
第28回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(オンライン)」資料|厚生労働省
生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)|厚生労働省

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