2020/03/05
就労移行支援と就労継続支援の違いは?
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障害のある方が働きたいと思い、情報収集をした際に出てくる「就労移行支援」と「就労継続支援」。名前の似ているこれら2つの違いについてよくわからないと思う方もいるでしょう。今回は、就労移行支援と就労継続支援の違いについて解説します。
就労移行支援 = 一般企業への就職を目指す障害者の就職サポートをする
就労移行支援とは、一般企業での就労をめざす障害を持つ方に対して、就労に必要なスキルの習得をサポートするサービスです。希望する仕事に就くための知識と能力を身につけるための職業訓練や、履歴書の添削などの就職試験におけるサポート、個々の適性に合った仕事探しのアドバイス、就職した後のサポートなど、就職前から就職後まで一貫して支援を行ってくれます。
就労継続支援 = 一般企業への就職が困難な障害者へ働く場所を提供する
就労継続支援は、障害を持つ方が一定の支援を受けながら働ける場所を提供するサービスです。就労継続支援にはA型とB型があります。
就労継続支援A型は雇用契約を結んで働きます。一方、就労継続支援B型は雇用契約を結ばずに働くスタイルです。就労継続支援A型/B型は雇用契約の締結有無のほかに年齢制限の有無にも差があります。
就労移行支援と就労継続支援の違い
就労移行支援と就労継続支援は、名前が似ていることから違いがわかりにくいと感じる方もいるでしょう。
就労移行支援と就労継続支援は、その目的や対象者、賃金の有無、利用期間に違いがあります。
就労移行支援の場合
就労移行支援の目的は、一般企業への就労を希望する障害のある方に対し、就労に必要なスキルを身につけるサポートをすることです。あくまで一般企業の就労に向けてサポートするサービスであることから、就労移行支援事業所との雇用契約はなく、賃金も原則として発生しません。
年齢については65歳未満と定められています。また、利用期間にも制限があり、2年とされています。
就労継続支援の場合
一方、就労継続支援は一般企業での就労が現時点で困難な方に対して、働く場所を提供しながら就労に必要なスキルを身につけるサポートをするサービスです。主たる目的は働く場所の提供のため、賃金が発生します。
先ほども述べたように、就労継続支援はA型とB型に分かれており、細かな点で違いがあります。就労継続支援A型は雇用契約を結んで働き、対象者も65歳未満となっています。対して就労継続支援B型では雇用契約は結ばれず、年齢制限も設けられていません。
また、就労継続支援の利用期間の制限はありません。
【表解】就労継続支援「A型」「B型」と「就労移行支援」の違い
以下の表では、就労継続支援「A型」「B型」と就労移行支援の違いについてまとめています。ここまでの説明で分かりづらかったという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
就労移行支援 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | |
目的 | 一般企業へ就労を希望する障害のある方に対し、就労に必要なスキルを身につけるサポートをすること | 就労継続支援は一般企業での就労が現時点で困難な方に対して、働く場所を提供しながら就労に必要なスキルを身につけるサポートすること | |
雇用契約 | なし | あり | なし |
賃金 | 原則なし
(一部事業所によっては発生) |
給料が支払われる | 工賃が支払われる |
年齢制限 | 65歳未満 | 65歳未満
|
なし |
利用期間 | 原則2年間以内 | 定めなし | 定めなし |
就労移行支援と就労継続支援、どちらを利用すべき?
就労移行支援と就労継続支援のどちらを利用すべきかについては、個々の状況によって異なります。障害者へ向けた就労支援を受けながらすぐに一般企業に就労したい方は就労移行支援がよい場合もありますし、すぐに一般就労をすることが不安な方や年齢や体調面で一般就労が難しい方は就労継続支援がよい場合もあります。
また、年齢制限に当てはまらない場合は就労継続支援から就労移行支援へと移行することも可能です。
就労移行支援と就労継続支援、どちらを利用したほうがよいか迷ったらまずはお近くの就労移行支援事業所または就労継続支援事業所に相談するとよいでしょう。
就労移行支援・就労継続支援で自分に合った働き方を見つけよう
障害を持っていても働ける機会は増えています。今回紹介したような障害のある方に向けた支援サービスを利用して就労をめざしたり、実際にサポートを受けながら働いたりすることも可能です。「働きたい」と思ったら、まずは就労移行支援事業所や就労継続支援事業所などで相談してみるとよいでしょう。
【参考】
障害者の就労支援について┃厚生労働省