アビリンピック過去問題|第17回東京(2018)ワード・プロセッサと表計算


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障害者のスキルアップに役立つアビリンピックの過去問題。

今回は、第17回東京アビリンピック(2018年度)の「ワード・プロセッサ」と「表計算」の競技課題を紹介します。

競技種目「ワード・プロセッサ」とは? 競技で使われたOSとソフトウェア

東京アビリンピック競技種目「ワード・プロセッサ」は、マイクロソフト オフィスのワードを用いた文書作成技術を競う種目。身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加できます。

第17回東京大会では、作表・書簡文作成・文章入力という3つの課題が出されました。作表と書簡文作成では、見本通りの文書を作成・保存する技能を競い、文章入力では制限時間内にどれだけ速く正確に文章を入力できるかを競います。

使用されたOSはMicrosoft Windows 8.1、使用されたソフトはMicrosoft Office Word 2016です。

ワード・プロセッサの制限時間と課題の概要

種目「ワード・プロセッサ」の課題は、どれだけ見本に近い仕上がりになるかが評価のポイントです。タイプミスや体裁のズレがないか確認しながら、制限時間内に課題を完成させます。

仕上がりの確認のために参加者が自分で印刷することはできません。仕上がりのチェックは印刷プレビューで行いましょう。

制限時間

制限時間は3つの課題で90分です。途中休憩はありませんので、トイレ等は必ず事前に済ませておきましょう。また、機器トラブルがあっても競技時間の延長はされません。事前のパソコンやソフトウェアの動作確認も必須です。

作表競技

A4縦1枚に収まるように、見本通りの文書を作成・保存する課題です。第17回東京大会では「パピー犬しつけ教室」開催の案内を作成する課題が出されました。文書の作成にあたって、以下のような操作が求められます。

  • 文書名:[課題1]
  • 保存場所:指定の解答フォルダ
  • ページ設定(余白):上・下20mm、左・右20mm
  • ページ設定(1ページの字数):1行の文字数は48字、行数は各自で設定
  • ヘッダー:番号と氏名
  • 表題など指定の部分:ワードアートで作成
  • 本文:見本通りに書式設定をしながら作成
  • 作表:見本通りの罫線の種類・太さ・改行・空白で作成

印刷したときにA4縦1枚に収まるよう印刷プレビューなどで確認しながら作業を進めましょう。

書簡文作成競技

A4縦1枚に収まるように、見本通りに文書を作成・保存する課題です。第17回大会では、「フラワーアレンジメント体験」参加者募集の案内を作成する課題が出されました。以下の要領で文書を作成していきます。

  • 文書名:[課題2]
  • 保存場所:指定の解答フォルダ
  • ページ設定(余白):上・下20mm、左・右20mm
  • ページ設定(1ページの字数):1行の文字数は48字、行数は各自で設定
  • ヘッダー:番号と氏名
  • 表題など指定の部分:ワードアートや図形を用いて作成
  • 本文:見本通りに書式設定をしながら作成(段組設定あり)
  • 作表:見本通りの罫線の種類・太さ・改行・空白で作成
  • 画像の挿入:指定のフォルダから見本通りに画像を挿入

この課題も、印刷プレビューなどで確認しながら作業を進めましょう。

文章入力競技

A4縦長で、見本の文章を入力・保存するものです。第17回東京大会では「平成29年度版 厚生労働白書」内の文章を入力する課題が出されました。以下の設定や注意事項を守りながら文章を入力し、保存します。

  • 文書名:[課題3]
  • 保存場所:指定の解答フォルダ
  • ページ設定(余白):規定値のまま
  • ページ設定(1ページの字数):1行40字詰め×30行
  • 1行目:番号と氏名
  • 2行目以降:指定の文章を入力
  • 大文字・小文字・半角の区別:見本通りに入力

速く正確なタイピングが要求される課題で、図表の挿入などはありません。

競技種目「表計算」とは? 競技で使われたOSとソフトウェア

アビリンピックの競技種目「表計算」は、マイクロソフト オフィスのエクセルを用いた文書作成技術を競う種目。身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。

第17回東京大会では、次の5つの課題が出されました。

  • ピボットテーブルの作成と編集
  • 関数式による表の完成
  • データ処理
  • グラフ作成
  • マクロ作成

いずれも、大会当日に提供されるデータをもとに入力や処理、作成、書式設定等を行います。取り組む順番は任意。得意な課題から始めるとよいでしょう。

使用されたOSはMicrosoft Windows 10、使用ソフトはMicrofost Office Excel 2016です。

表計算の制限時間と課題の概要

種目「表計算」の課題は、提供データを用いたデータの処理・分析が中心です。適切な分析や関数の設定、グラフの作成ができるかどうかが評価のポイントです。

制限時間

制限時間は5つの課題で90分、取り組む順番は自由です。途中休憩はありませんので、トイレ等は事前に済ませておきましょう。

ピボットテーブルの作成と編集

提供データのファイルにある次の3種類のシートを使います。

  • 「課題1 受注一覧」:伝票番号・商品・単価・数量・売上額・配送地域・受注日・発送日からなるレコードが530件記載されているシート
  • 「課題1 ピボット」:ピボットテーブルを作成するためのシート
  • 「課題1 受注集計」:「課題1 ピボット」の表をコピーし、書式設定を行うためのシート

「課題1 ピボット」では、指定の場所にピボットテーブルを配置したり、行ラベルや列ラベルを指定の言葉に設定したりする操作が求められます。

「課題1 受注集計」では、以下の操作が求められます。

  • ピボットテーブルのデータ範囲をコピーして、元の列幅を保持したまま指定の場所に貼り付ける
  • 行ラベルや書式の設定を指示通りに行う
  • 指定の項目が指定の色で塗りつぶされるよう条件付き書式の設定を行う
  • 罫線や列幅の設定を行う
  • 図形を用いて表題を作成・配置する

関数式による表の作成

第17回東京大会では、学校用品のレンタル会社が、器具備品別にレンタル期間を設定して料金を算出するという設定で出題されました。提供データにある次の2種類のシートを使います。

  • 「課題2 料金計算表」
  • 「課題2 料金表」:小学校用の机・小学校用のイス・先生用の文房具・児童用の文房具・オフィス用品の5つのリストが記載されているシート

レンタルする品名・個数・期間に関するレンタル希望一覧表などが記載された問題文を見ながら作業を進めましょう。次のような操作が求められます。

  • 指定箇所に名前を定義する
  • プルダウンリストを一括設定する
  • 「課題2 料金計算表」のレンタル料金一覧表を完成させる
  • レンタル希望一覧表を元にして「課題2 料金計算表」で指定か所をプルダウンリストから選択する
  • レンタル料金と総合計金額を算出、記入する

データ処理

提供データから抽出を行い、条件付き書式設定を行う課題です。提供データにある次の2種類のシートを使います。

  • 「課題3 図書一覧表」:図書DVD・図書名・発行年月日・著者名・出版社名・内容紹介・貸出件数の7項目からなるレコードが100件記載されているシート
  • 「課題3 図書抽出」:データの抽出を行うためのシート

本課題では、次のような操作が求められます。

  • 抽出先セル、抽出条件、並び順の設定を行う
  • 指示に従ってデータの抽出を行う
  • 指定部分に条件付き書式を設定する

グラフ作成

提供データをもとにグラフを作成します。グラフに関して、以下のような設定や操作が求められます。

  • グラフの種類:集合縦棒
  • グラフの配置:課題で指定された場所(大体でOK)
  • 追加設定:指定項目をグラフに追加設定する(折れ線グラフの追加、縦軸の設定など)
  • グラフエリアの編集:枠線の色・スタイル・影・塗りつぶしを設定
  • その他の設定:グラフタイトル、凡例、軸ラベルデータラベル等の設定

最後に、印刷に関するページ設定を行います。

  • 印刷の向きと範囲:横(A41枚に収まるように)
  • 余白の設定:上下・左右とも20mm
  • 配置:ページ中央
  • ヘッダー:右側に「本日の日付」を自動挿入で表示
  • フッター:中央に「Tokyo」を表示

印刷プレビューなどで確認しながら、作業を進めましょう。

マクロ作成

VBAを利用し、提供データの編集を行うものです。以下のような操作が求められます。

  • シート「目次」を除いた既存シートのシート名一覧をハイパーリンク付きで作成する
  • 適正な場所にボタン「目次作成」を追加・配置し、リンクさせる
  • シート名欄の対象セルを選択してクリックすれば、そのシートが開くようにする
  • 上で作成したシート名一覧を削除し、元の状態に戻す
  • 適正な場所にボタン「目次クリア」を追加・配置してリンクさせる

最終的に、課題に関連したシートの一覧表(目次)がハイパーリンク付きで作成されます。

表計算競技の補足

第17回東京大会の表計算では5つの課題が出されましたが、第18回東京大会では4つに減らされました。出題がなくなった課題は、「マクロ作成」です。

表計算の課題数が減らされた理由は、全国アビリンピックの課題に合わせるため。今後、全国アビリンピック「表計算」の競技時間である75分になるよう、段階的に制限時間が減らされる予定です。

なお、全国アビリンピック「表計算」の課題は、

  • 課題1:装飾・編集
  • 課題2:関数式による表の完成
  • 課題3:データ処理
  • 課題4:グラフ作成

です。関数やセル参照、論理演算子や比較演算子などを扱うスキルが必要とされています。

【参考】
アビリンピック種目 表計算|あいち技能五輪・アビリンピック 2020

第18回東京障害者技能競技大会 競技概要 表計算競技|機構 東京支部

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