2018/04/27
日本の労働人口推移と障害者雇用に関する一考察
本ページはプロモーションが含まれています
みなさん、こんにちは。
障害者の皆さんの労働環境は間違いなく良くなっていると思います。
今回は、障害者を取り巻く労働環境の変化と障害者雇用の今後について、労働人口の推移から考察してみましょう。
我が国の人口構造の変容について
まずはこのグラフをご覧ください。
2010年までは実績値、2015年以降は予測値となっています。
順調に人口が増加してきた我が国の様子が見て取れます。
バブル経済までの経済拡大は人口の増加によるボーナスという説もありますが、人口の増加=経済の拡大という図式が成り立つことがよくわかります。
問題は、2015年以降の予測値です。
出生率の低下という問題はみなさんも耳にしたことがあると思います。急激な核家族化、女性の社会進出などを理由に出生率の低下に歯止めがかかりません。
その結果、徐々に人口減少が始まり、2050年には1億人、2060年には9,000万人を割り込むことが予想されています。
それだけでも経済の縮小が懸念されるわけですが、さらに極端に進んでいくのが高齢化率の上昇です。
具体的には、2025年には1人の高齢者(65歳以上の人)を1.8人の労働人口(20歳から64歳の人)で支えますが、2060年には1人の高齢者を1.2人の労働人口で支えなければなりません。
政府でも年金支給開始年齢の繰下げを検討しているようですが、小手先の施策ではなんともならない状況と言えるでしょう。
また、保育所の整備など、安心して子育てをすることができる施策を国、地方公共団体も実行してはいますが、充分とはいえません。したがって、出生率の急激な回復を望むのも難しいと言えるでしょう。
なんにせよ、高齢者を支える労働人口の絶対数が足りません。
障害者の推移
一方、障害者の数は増えています。
平成26年度現在で800万人強の方が障害をお持ちです。特に精神障害の方の数が増えています。
障害に対する理解の深まり、受け入れ体制の整備を背景に障害者手帳を取得する方が増えていると思われます。
いずれにせよ全人口の7%程度の方が何らかの障害をお持ちと言えるでしょう。
税金でサポートされる側から税金を支払う側へ
さまざまな障害福祉サービスがあります。多くのサービスには税金が投入されています。言い換えれば税金でサポートされている障害者の方がいらっしゃいます。
1.8人で1人の高齢者を支えていた時代から、1.2人で1人の高齢者を支えなければならない時代になり、税金でのサポートは難しくなりつつあります。
むしろ仕事をし、給料を得、税金を支払う側になることが求められていると言えるでしょう。つまり、障害者の方が仕事に就くことは社会的要請なわけです。
このような文脈で考えた場合、さまざまな障害者の方の就労をサポートする制度があることの理由も飲み込みやすいのではないでしょうか。
まとめ
障害者の法定雇用率制度、法定雇用率の上昇、障害者を雇用する企業に対する補助、就労継続支援A型・B型、就労移行支援事業所などの就労系の障害福祉サービスの整備など、障害者雇用を取り巻く環境は良い方向に変わりつつあります。
→(関連記事)障害者雇用に関する法律 平成30年4月の改正点をまとめてみました
これらの制度を上手に活用して、ぜひ就職を目指してみましょう。