就労移行支援を使い倒す ~選び方から利用方法まで~



就労移行支援とは?

障害のある方の一般企業への就職をサポートする通所型の福祉サービスです。知的、精神、身体、各種障害手帳をお持ちの方、難病の方、自立支援医療サービスを使っている方が利用できます。

「障害者総合支援法」(2013年施行)により定められ、原則として生涯2年間の利用が可能です。対象年齢は18歳から65歳までです。ですので、使う前に病気の状況を主治医と相談し、計画的な利用をすることが望まれます。

就労移行支援事業所の選び方

就労移行支援事業所は、住居地の隣の市の事業所など、自治体を越境しての利用が可能です。

通いやすい場所、自分の目的にあった事業所、雰囲気が馴染むなどを理由に選ぶといいでしょう。

通いやすい場所

就労で大きなポイントとなるのが安定通所です。お仕事をするにも、週3日や週5日など勤務時間が決まっていると思います。

それを想定した訓練を行うためにも、バスや電車のルートなど体力的にも心理的にも通いやすい場所にある就労移行支援事業所を選ぶのがベターです。

自分の目的に合う

ITに強い、農作業ができる、などさまざまな特色の就労移行支援事業所があります。

また、まずはお家の外にでることや生活のリズムを整えるところから始めたい人や、資格を取得してキャリアに繋げたい人、すぐ就職へ向けて動きたい人など、みなさんの状況はさまざまです。そうしたニーズに応えてくれる事業所を選びましょう。

また、自分の病状で使えるか不安な方は、主治医ともよく相談してみましょう。

雰囲気が馴染む

スタッフの人柄や事業所内の雰囲気、これが自分に合うかどうかはとても大切です。悩みの相談ができそうにない雰囲気では、あなたにあった就労移行支援事業所とはいい難いでしょう。利用の前にかならず見学し、何回か体験をしてみるのをオススメします。

また、1ヶ所だけでなく、複数箇所体験し、自分に合うかどうか比べてみるのもいいでしょう。

あなたにぴったりな就労移行支援事業所はきっと存在します。知らないところに行くのは少し勇気の要ることですが、通院のついで、友達と遊んだ帰りなど、ちょっとしたきっかけを見つけて、訪ねてみてください。

可能なら、事前に電話やメールをしてみるとなおいいでしょう。事業所によっては見学に予約の必要なところもあります。予約が必要なのは、あなたに事業所をきちんと説明しご案内するためです。気張らず、連絡して見てください。

就労移行支援を利用するには?


さて、使いたいと思える就労移行支援事業所に出会いました。見学、体験もし、利用意思をスタッフさんに伝えました。

就労移行支援は福祉サービスですので、利用にはサービス受給者証が必要となります。住居地の市役所や区役所の障害福祉課に電話し、受給者証の申請をしましょう。申請後、認定調査が行われ、受給者証が発行されます。

受給者証が発行されるまでの期間は、自治体によって様々です。また年度末などは手続きが混み合い、通常より永くかかってしまうこともあります。この期間も、事業所を体験利用できると時間が無駄にならず、また本利用前に事業所にも馴染めていいでしょう。

受給者証が発行されたら、就労移行支援事業所との利用契約を結びます。この契約締結から、2年間が利用期間となります。

契約時の契約内容の説明は、事業所に義務付けられています。きちんと説明をしてもらいましょう。また、よくわからない部分は質問しましょう。

契約書の内容は「利用期間」「利用料について」「契約を打ち切りに出来る条件」「虐待防止について」「災害時の対応」と法令で定められたものになっています。

一般的な就労移行支援事業所では、利用料は前年度の収入によって、無料な方と利用料がかかる場合があるようです。約9割の方が無料で利用されています。見学時に相談しておきましょう。

いよいよ利用スタート

契約が済んだら、あなたのニーズを聞き取った個別支援計画を作成します。

あなたの強み、病気や障害の状況、短期目標、長期目標。支援員と相談しながら、計画に落とし込んで行きます。就労移行支援事業所でのトレーニングはこの計画書に基づいて行っていきます。個別支援計画は3ヶ月に1回、モニタリング面談で見直しし、その達成率や目標を元に、修正していきます。

プログラムの内容は事業所により様々です。

学習プログラム

就労移行支援事業所内で行われる学習プログラムです。資格に向けた勉強をしたり、パソコンスを使えるようにトレーニングしたり、CADなどの専門性高い技術学習など。また2週間で1つのプログラムが組まれている事業所もあります。

グループワーク

コミュニケーションの向上を目的に、他の利用者さんたちと一緒に行うトレーニングです。内容は様々で、ビジネスに役立つ電話応対などの実践もの、会議を模して事業所内のイベントを運営していくもの、或いは創作活動で手芸や文芸作品をつくる事業所などもあります。

運動プログラム

体力は通勤や働く上で必要になってきます。日常的なウォーキングや、ヨガ、ボーリング大会や体育館をかりてのスポーツ大会など。事業所に慣れてきたらこうしたプログラムにも参加してみましょう。学習プログラムのいいリフレッシュにもなるでしょう。

この他に、美術館や博物館への課外活動、外部講師を招いての専門授業、封筒を作るなどの軽作業、工賃の発生するプログラムを設けている事業所もあります。

こうした様々なプログラムを通して、「就労移行支援に安定して通えること」「負の感情をコントロールすること」を身に着けていきましょう。

特に安定して通所できることは、大きなポイントです。最初は週3日午前中だけから始めてもいいのです。あなたの状況にあった個別支援なのですから。徐々に通所時間や日数を伸ばし、就職へ近づいていきましょう。

就職に向けて


安定通所ができ、他の人ともコミュニケーションが取れるようになってきたら、就職活動の時期です。ハローワークに登録し、どんな仕事があるのか探してみましょう。

仕事に何を求めるかも大切です。給料、休日、勤務時間、所在地、業種、業務内容。優先順位を付けましょう。

また、障害をオープンにするかしないかも、支援員やお医者さんともよく相談しましょう。永く安定して勤められること、幸せな就職へ向かっていきましょう。

履歴書や職務経歴書は、就労支援員にチェックしてもらうのも大切です。選んだ職種にどうしたらアピールできるか、読みやすく、伝わるものにしていきましょう。

書類選考に通ったら面接です。支援員と模擬面接を重ね、面接に慣れること、質問の答えを用意しておきましょう。

よく聞かれる内容としては、「病気の来歴や、状況」「どういう配慮が必要か」「本当に通えるのか」などがあります。自分で病気のことを説明し、出来ること出来ないことをきちんと伝えましょう。

また、「通える」根拠も必要です。就労移行支援での安定通所はここでも大きな強みになってきます。

就職後の不安解消


おめでとう!希望の会社に入社できました!!

でも、新しい環境、実際に始まる仕事、と不安は尽きません。そんなときは「就労定着支援」を活用しましょう。就労移行支援とは別に、安定してお仕事が続けられるようにサポートするサービスです。

就労移行支援事業所は、就労後半年間の定着支援を行います。7ヶ月目からは、別途、「就労定着支援」という福祉サービスの受給者証を取得する必要があります。

この就労定着支援は原則3年間利用できます。定着支援は、日々の悩み事の相談から、企業への配慮改善の交渉など多岐に渡ります。信頼できる事業所とよく相談し、7ヶ月目以降どうしたいか考えてみましょう。

障害をクローズにして就職した場合、企業側と支援員がやり取りできないため、定着支援は、本人の相談受付など、限られた内容になります。

就労移行支援の基本的な考え方は、一般就労を希望する人、それを支える支援員・就労移行支援、その下に自治体、国があり、利用者を頂点としたピラミッド型です。「一般企業で働きたい」という希望を、支援員、自治体、国が支えているのです。

お互い人間ですので立場は対等です。あなたの希望に対して、知識やスキル等サービス提供を以って応えるのが支援員。自治体や国は制度で支えます。

まとめ

2018年4月、法定雇用率の改正で障害者雇用の幅が広がっています。豊かな人生を行きていくためのチャンスが増えているのです。制度をうまく使って、あなたの人生をあなたのものにしていきましょう。

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