【障害者が作る商品】知的障害者の特性がアートに! マスク・バッグ・服も展開


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専門的な美術教育の訓練を受けていない人々が作成する「アール・ブリュット(生の芸術)」。知的障害をもつ方々のアートも、アール・ブリュットとして話題を呼んでいます。知的障害の多様でユニークな感性が作品となることに注目し、そこから「障害」のイメージを変容させるため活動しているのが福祉実験ユニット「ヘラルボニー」です。

知的障害者のアート作品が身近な商品へ

障害をもつ方々の感性がアートとして成立することは社会でも少しずつ知られるようになってきました。その中で、ヘラルボニー株式会社は特に知的障害をもつ方の作品を絵画としてだけでなく、さまざまなプロダクトの製造・販売にまで拡大させています。

ヘラルボニー株式会社のミッションと事業

岩手県盛岡市に本店をもつヘラルボニー株式会社は、2018年7月に設立。知的障害をもつ人々によるアートを基軸とした事業を展開し、現在は渋谷および名古屋にも拠点を持っています。創業者は松田崇弥さんと松田文登さん。双子の兄弟です。

ヘラルボニーのミッションは「異彩を、放て。」というもの。知的障害の方々がもつ豊かな感性や大胆な発想など、いわゆる“普通”ではないことを可能性としてとらえ、そうした「異彩」を多様な形で社会に送り届けながら、福祉を起点とした新しい文化を生み出していくことを目指しています。

ミッションに基づき、ヘラルボニーでは「アソブ、フクシ。」として次のような3つのバリューも掲げています。

<VALUE「アソブ、フクシ。」>

  1. 福祉領域を、拡張しよう。
  2. 多者の視点で、思考しよう。
  3. クリエイティブに、はみだそう。

ヘラルボニーが展開する事業はさまざまで、企業・自治体・団体・個人など対象も多様でですが、中心的な事業となっているのは、アートライフブランド「HERALBONY」、「全日本仮囲いアートミュージアム」、「アートライセンス」などです。

<ヘラルボニーの事業例>

  • HERALBONY事業
    • 知的障害者によるアートやそれを用いた傘、ネクタイ、スカーフ、バッグ、マスクなどの制作
  • 全日本仮囲いアートミュージアム事業
    • 建設現場の仮囲いを“街の中の美術館”に見立て、ヘラルボニーが扱うアートを展示する
  • アートライセンス事業
    • ヘラルボニーが扱うアート作品を高解像データ化し、使用ライセンスを提供する(当該アートを使用したプロダクトの生産・販売が可能)

【参考】
ヘラルボニー 公式サイト

「ヘラルボニー」とは、どういう意味?

社名やブランド名になっている「ヘラルボニー」という聞き慣れない言葉。一体どういう意味なのでしょうか?

創業者である松田崇弥さんと松田文登さんには自閉症をもつ4つ上のお兄さんがいます。彼が7歳の頃に自由帳に書いた言葉が、この「ヘラルボニー」でした。

「ヘラルボニー」自体がどのような意味の言葉なのかは分かりません。7歳のお兄さんにとってその言葉の響きが良かったのかもしれないし、字面が良かったのかもしれないと公式サイトでは推測しています。

世間から見れば無意味だと思われそうな言葉や、その言葉にまつわる思い。そうした思いを世の中に価値として創出したいという意味を込めて、お兄さんの綴った「ヘラルボニー」を会社名としました。

【参考】
STORY|ヘラルボニー

アートライフブランド「HERALBONY」のプロダクト例

アートライフブランド「HERALBONY」では、知的障害者によるアート作品や、それを用いたさまざまな商品を製造・販売しています。人気が高いのは、エコバッグやマスク。数ある商品の中から、その一部と原画を制作したアーティストをご紹介しましょう。

アートエコバッグ


出典:YU TAKADA「迷路」|ART ECO BAG|HERALBONY
MICHIYO YAEGASHI「ワープロ 」|ART ECO BAG|HERALBONY

近年のレジ袋有料化から需要が高まっているエコバッグ。HERALBONYでは10種類のアートのエコバッグを販売しています(2021年7月現在)。

画像左側の黒地にカラフルな四角形が描かれているのは、高田祐さんの作品。農作業、絵画、ダンスなどの表現活動に取り組み、海外公演にも参加。田楽舞いの太鼓の演奏でも中心的役割を果たしています。2013年秋には個展「色彩の迷路展」も開催しました。

画像右側はMichiyo Yaegashiさんによるもの。ブラシマーカーを使って描かれた膨大な数の形と色彩が特徴で、19歳から「自分の絵」を描き始めたとのことです。鮮やかで緻密な構成が特徴の作品です。

<アートエコバッグの仕様>

  • サイズ:本体40cm×70cm、持ち手60cm
  • 重さ:53g
  • 素材:ポリエステル100%

アートマスク


出典:SATORU KOBAYASHI 「夏の魔物」|ART MASK|HERALBONY
DAICHI SAKAMOTO「ギザギザ」|ART MASK|HERALBONY

2020年から、感染症対策としてマスクは必須のものとなりました。HERALBONYでもMとLの2種類のサイズ展開でアート作品を使った個性的なマスクを製造・販売。今回ご紹介するのは、小林覚さんによる作品(画像左側)と坂本大知さんによる作品(画像右側)です。

小林さんは音楽と散歩が好きで、すべての文字を独特の形にアレンジして書く特性があります。これを造形表現としてとらえ、作品に生かしてきました。普段見慣れた文字が思いがけない形をとって現れ、既知と未知を同時に感じさせてくれます。

坂本さんは、温厚な性格でユーモアと強い責任感をもつ方です。同時に、自由でのびやかな感性をもっており、太鼓演奏、ダンス、歌、絵画といった多様な領域で活動。絵画では「筆を滑らす動き」が特徴です。代表作に2019年の「土偶」があります。

<アートマスクの仕様>

  • サイズ:MとLの2種類(耳かけの長さが異なる)
    • M … 縦13.5cm・横20cm、耳かけの長さ17cm
    • L … 縦13.5cm・横20cm、耳かけの長さ20cm
  • 内側:東洋紡の抗ウイルス加工材“ヴァイアブロック(R)”使用
  • 生地:木材から作られた繊維“マイクロもダール”使用
  • 洗濯:可能(くり返し使用可)
  • その他:リバーシブルでの使用可(プリント/黒色)

アートハンカチ


出典:TAKASHI ANZAI 「かぶと」|ART HANDKERCHIEF|HERALBONY
KIYOSHI YAEGASHI「無題(家)」(黒)|ART HANDKERCHIEF|HERALBONY

日常使いとして便利なアートハンカチも人気商品の1つです。正方形のキャンバスにプリントされた1枚の絵画としても楽しむことが可能で、額縁付きの販売もあります。普段使い用なら、エコバッグやマスクのプリントに合わせて選ぶのも楽しいでしょう。

画像左側の作品は、安斎隆史さんによる「かぶと」のハンカチ。安斎さんは感情表現が豊かで、身のまわりにある新聞や広告、身体表現、言葉にならない声のトーンなど、さまざまな手段を使ってコミュニケーションをとっています。本作は5月の節句に合わせたかぶとの広告からインスピレーションを受け、布を丸めてさらに布で包んだ“たんぽ”という画材を使って制作されました。

「かぶと」は、2020年6月から7月15日に開催された「ArtHandkerchief AWARD 2021」で国内外から寄せられた536作品の中から選ばれた3作品の1つでもあります。

画像右側の作品は、Kiyoshi Yaegashiさんによる「無題(家)」(黒)。ぱっと見では抽象的な幾何学的模様に見えますが、実は独自の感性によって描かれた建築物とのこと。独自に生み出した表現様式で、子どもの頃からこの様式で制作を続けてきました。すでに数千点の作品があると考えられています。

<アートハンカチの仕様>

  • 素材:綿100%
  • サイズ:53cm×53cm
  • その他:額縁付きでの販売あり

アートライセンス事業の導入事例

ヘラルボニーで扱うアート作品は、同社が直接てがける商品以外でも目にすることができます。そうした事業を行っているのがアートライセンス事業。代表的な導入事例としては、「Panasonic Laboratory Tokyo」の6階オフィスエリアやファッションブランド「MAISON SPECIAL」があります。

Panasonic Laboratory Tokyoでは、「Ideation Lounge(通勤などのストレスをリセットし、独創のインスピレーションを得る場)」に佐々木早苗さんと工藤みどりさんのアート作品をもとにした壁面やクッションを採用。汐留浜離宮にあり、予防医学者・石川善樹さん監修のもと設計された『共創と集中の両立』の空間を彩ります。

他方、MAISON SPECIALでは上質な服とHERALBONYのアートによるコラボレーションを実現。“同情”や“かわいそう”という理由で購入されるのではなく、モノとして欲しいと思われること、購入後にMAISON SPECIALとHERALBONYの思いやストーリーが伝わることを重視してきました。

ヘラルボニーの創業者には自閉症をもつお兄さんがいらっしゃいますが、MAISON SPECIALの創業メンバーにも、障害をもつお姉さんがいるとのこと。一方で、障害をもつ方の中に、その個性を生かして生活できる状況は現在の社会にはあまりいません。そうした現状を打破するためにコラボレーションを決定し、CAMPFIREでクラウドファンディングを行いました。

2020年から始まった本コラボレーションの特徴は、単発ではなく絶えず続けていくこと。ヘラルボニーが障害をもつアーティストのエージェントとなり、MAISON SPECIALがプロダクトデザイン・製造・販売を手がけています。


出典:【COLLABORATION ITEM】“想いを纏う”HERALBONY/ヘラルボニー byGAKUヘビー天竺オーバーサイズTシャツ|MAISON SPECIAL

【参考】
佐々木早苗・工藤みどりのアート作品が、壁面・クッションに採用|ヘラルボニー
【へラルボニー × MAISON SPECIAL】”障害”を”個性”に|CAMPFIRE

ヘラルボニーのアートが使われた商品を購入するには?

ヘラルボニーで扱うアートが使われた商品を購入する方法は主に2つあります。1つはHERALBONYの店舗や公式オンラインストアでの購入、もう1つはコラボ企業の店舗や公式オンラインストアでの購入です。

公式オンラインストアで通販と常設店舗


出典:HERALBONY 公式オンラインストア

HERALBONYの公式オンラインストアでは、さきほど紹介したエコバッグやマスク、ハンカチの他、傘、ネクタイ、トートバッグ、Tシャツ、スカーフ、扇子、カードケース、財布、コースター、絵本、そして原画の販売があります。

商品別・アーティスト別の検索が可能で、基本的には注文から7営業日以内に発送されます(原画を除く、天候・災害等による遅延の可能性あり)。

また、本店がある岩手県では、盛岡市のパルクアベニュー・カワトク3階にある紳士服売場でも購入可能です。

コラボ企業の店舗やオンラインストアで購入

ヘラルボニーが直接販売していないコラボ商品は、コラボ先の企業の店舗や公式オンラインストアで購入できます。

MAISON SPECIALの公式オンラインストアでは、商品検索に「ヘラルボニー」または「Heralbony」と入力して検索すると見つけやすいでしょう。

他のコラボ商品については、ヘラルボニーやコラボ先企業の公式サイト、プレスリリースで購入方法を知ることができます。

展示会に伴うポップアップ出店など

展示会や百貨店などでHERALBONYのポップアップ出店がある場合も。2021年では、コレド日本橋2階(東京都)、設立3周年を記念した展覧会(東京都)、名古屋PARCO西館2階(愛知県)などで実施されます。

<コレド日本橋での出店>

  • 期間:2021年6月19日〜7月17日
  • 場所:コレド日本橋 2階 208-B号室(東京都中央区日本橋1-4-1日本橋一丁目ビルディング)
  • 時間:11:00〜20:00 土日祝11:00〜19:00 ※短縮営業
  • 店舗HP:コレド日本橋

<ヘラルボニー設立3周年記念展覧会での出店>

  • 期間:2021年7月19日〜25日
  • 場所:no-ma(東京都渋谷区宇田川町13−17 シネマライズビル)
  • 時間:11:00-20:00
  • 入館料:無料

<名古屋PARCOでの出店>

  • 期間:2021年5月15日〜8月31日
  • 場所:名古屋PARCO 西館2階(愛知県名古屋市中区栄3丁目29−1)
  • 時間:10:00-20:00

ポップアップ出店の最新情報はHERALBONY公式サイトの「SHOP LIST」をご覧ください。

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