2026年度に民間企業の障害者法定雇用率2.7%へ 法定雇用率達成に「あと何人」? 相談先はどこ?


障害者雇用促進法に基づき、法定雇用率は少なくとも5年毎に設定される事になっています。
2023年1月18日の労働政策審議会の分科会で、2026年度の民間企業の障害者法定雇用率を、2.7%とすることが決定されました。これは、2024年度に2.5%、2026年度には2.7%とするもの。2.7%になった場合に必要な雇用障害者数は何人になるのでしょうか。初めて障害者雇用を行う際の相談先とあわせてお伝えします。

障害者の法定雇用率、2024年度に2.5%、2026年度には2.7%へ

毎日新聞によれば、厚生労働省は障害者の法定雇用率を現行の2.3%から2.7%へ大幅に引き上げる方針を固めました。厚生労働省の引き上げ案が通れば、まずは2024年4月に2.5%へ、次に2026年度中に2.7%へ引き上げられるとのことです。

現在の2.3%という法定雇用率の達成は、常用雇用労働者数が43.5人以上である民間企業全てに課せられた義務です。達成できない場合は、不足人数から算出された障害者雇用納付金を納付する必要があり、さらに大幅に不足していたり雇用率に改善が見られなかったりする場合は、雇入れ計画の作成命令や特別指導等も行われます。

適切な障害者雇用の推進と法定雇用率達成のため、民間企業にはさらなる取り組みが求められています。

(関連記事)
障害者雇用が進まない企業の課題は? 障害者雇用促進法に基づく企業名公表の流れと計画実施における困難

法定雇用率2.7%を達成するには「あと何人」?

ここで気になるのは、「法定雇用率を達成できる雇用障害者数は、あと何人?」というところ。そこで、常用雇用労働者数の人数ごとに、法定雇用率2.3%、2.5%、2.7%で算出してみました。

<法定雇用率達成に必要な雇用障害者数>

常用雇用労働者数 法定雇用率

2.3%

 

2.5%

 

2.7%

43.5〜50人 1 1 1
100人 2 2 2
150人 3 3 4
200人 4 5 5
250人 5 6 6
300人 6 7 8
400人 9 10 10
500人 11 12 13
600人 13 15 16
700人 16 17 18
800人 18 20 21
900人 20 22 24
1000人 23 25 27

表にあるように、常用雇用労働者が50人程度なら現在の2.3%と同じ雇用障害者数となります。しかし、企業規模が大きくなるほど追加で雇用すべき障害者数は増加。1000人の企業の場合は、算定方法に従った人数で23人を雇用すれば2.3%を達成できたところ、2.7%になると新たに4人を雇用する必要があります。

なお、2022年12月に障害者総合支援法を含む8法の一括改正法が賛成多数で成立しました。これにより、障害者雇用率制度における雇用障害者数や実雇用率の算定対象とカウント方法が変更される見込みです。具体的には、超短時間労働(週10時間以上20時間未満)で働く精神障害者、重度身体障害者、重度知的障害者を0.5人としてカウントできるようになります。

<障害者雇用におけるカウント方法>

  • 週所定労働時間が30時間以上の場合、以下でカウント
    重度以外の身体障害者 1人=1
    重度身体障害者    1人=2
    重度以外の知的障害者 1人=1
    重度知的障害者    1人=2
    精神障害者      1人=1
  • 週所定労働時間が20時間以上30時間未満の場合、以下でカウント
    重度以外の身体障害者 1人=0.5
    重度身体障害者    1人=1
    重度以外の知的障害者 1人=0.5
    重度知的障害者    1人=1
    精神障害者      1人=0.5または1(一定の要件を満たす場合)
  • 週所定労働時間が10時間以上20時間未満の場合、以下でカウント
    重度身体障害者    1人=0.5
    重度指摘障害者    1人=0.5
    精神障害者      1人=0.5

たとえば常用雇用労働者数300人である企業の場合、法定雇用率2.7%を達成するには「8」人の障害者を雇用する必要があります。これには、一例として

  • 週30時間以上の重度身体障害者、重度知的障害者を4人雇用する
  • 週30時間以上の重度ではない障害者を8人雇用する
  • 週20〜30時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者、一定の要件を満たす精神障害者を8人雇用する
  • 週20〜30時間未満の重度ではない障害者、一定の要件を満たしていない精神障害者を16人雇用する

などのパターンが考えられます。

現実的には、さまざまな障害状況・障害種別の方をご本人にとって無理のない労働時間で雇用することになるため、より複雑な計算になるでしょう。加えて、障害の状況の変化により労働時間が変更されるケースも珍しくありません。定期的に再計算し、自社の実雇用率(常用労働者数に占める雇用障害者数の割合)をチェックする必要があります。

算定対象とカウント方法については、以下の関連記事でも紹介しています。

(関連記事)
週20時間未満の超短時間労働が障害者雇用率算定対象に! 障害者総合支援法改正案のポイント

より詳しい計算方法は、ハローワークにお問い合わせください。

はじめての障害者雇用の相談先はどこ?

中小企業の場合、法定雇用率達成に必要な雇用障害者数は、0.5〜1人となることがあります。そうした企業が含まれる企業規模では、法定雇用率達成の割合が令和4年の集計結果で45.8%でした。そのため、2.7%達成に向けて「今回が初めての障害者雇用になる」という企業は少なくないでしょう。

障害者雇用について知る、支援を受けるには、主に公的機関の公式サイトを見たり、公的機関や就労移行支援事業所などの福祉事業所に相談したりしましょう。

障害者雇用全体についての知識はJEED公式ページで

初めて障害者雇用を行う場合、雇用に向けた準備や一緒に働く姿など、イメージできないことが多いかもしれません。まずは、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下、JEED)にある以下の公式ページで、必要とされる知識や採用から定着までの全体的なイメージをつかんでおくとよいでしょう。

同ページのリンク先には、障害者に対する差別の禁止や合理的配慮の提供義務、障害者雇用率制度、障害者雇用納付金制度など、障害者雇用で必ず知っておかなければならない法律や規則、制度なども紹介されています。

制度等の問い合わせや支援の相談は公的機関へ

障害者雇用に向けて直接支援を受けたい場合、以下の公的機関に問い合わせるのもおすすめです。事業所がある地域を管轄している以下の機関に「初めて障害者雇用をしたいが、どのような知識や準備が必要か」等と聞いてみてください。

  • ハローワーク
  • 地域障害者職業センター
  • 障害者就業・生活支援センター

特に、ハローワークは障害者の採用、雇用管理、雇用した障害者に対する個別支援や企業への支援の主要な窓口となっています。相談内容に応じて関連機関の紹介なども受けられるでしょう。

現場レベルで連携できる就労移行支援事業所

また、当マガジンの編集部がある「ルミノーゾ」のように、就労移行支援事業所などでも障害をもつ方の就職や採用後の定着支援を行っています。

ルミノーゾでは、支援スタッフのサポートを受けながら障害を持つ方や難病を抱えている方が就労に向けて生活リズムの安定やスキルアップを図っており、採用後も現場レベルで各人に合わせたサポートを継続。利用者の方の職場実習・体験にご協力いただける企業様も募集しています。

障害者雇用を成功させるには、事前に得ておくべき知識や採用・雇用継続で伴走できる支援機関との連携が不可欠です。ルミノーゾは障害者雇用を進める企業様と連携し、障害者雇用全般に関するサポートを提供。障害を持つ方の職場実習・体験の受け入れ企業の方には、障害を持つ方と一緒に働くことを実際に企業の現場の方に体感していただけます。

「障害者雇用は初めて」という企業様も、「今後もっと採用人数を増やしていきたい」という企業様も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

制度や相談窓口を活用して、障害者雇用を進めよう

障害者雇用を進める際の壁になっているのは、
「障害を持つ方と一緒に働くというイメージが持てない」
「障害を持つ方がどのような仕事をできるのか分からない」
といった「知らない」ことです。

しかし、職業リハビリテーションを行う機関、大企業や特例子会社、志を持つ中小企業の現場などでの取り組みを中心に、「こうすればスムーズに進む」「こうすればスキルアップにつながる」というさまざまなノウハウが蓄積されてきました。

JEEDは多くの障害者雇用事例を紹介し、ノウハウの普及に努めています。当マガジンも、民間企業における好事例や、サポートを続ける福祉事業所の取り組みをシリーズでお伝えしています。

こうした事例を見ていくことで、「どうすればよいか」の糸口がきっと見つかるはず。初めての障害者雇用は、「知る」ところから始めてみてください。

【参考】
障害者雇用率2.7%に 0.4ポイント引き上げ方針 厚労省|毎日新聞(2023年1月14日)
障害者雇用対策|厚生労働省
労働政策審議会(障害者雇用分科会)|厚生労働省
令和4年 障害者雇用状況の集計結果|厚生労働省
第123回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)丨厚生労働省

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