2020/09/30
アビリンピック過去問題|第37回全国(2017)製品パッキングと喫茶サービス
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流通・販売で縁の下の力持ちとなる製品パッキング。アビリンピック競技種目「製品パッキング」では、商品が傷つかないよう緩衝材を組み立てて設置したり、見栄えよく箱を組み立てて梱包したりする技術を競います。
一方、飲食店でお客さまに飲食物を提供するサービスも私たちの生活には欠かせません。競技種目「喫茶サービス」では、お客さまから注文をとって飲食物を提供するとともに、他のスタッフや選手と連携しながら業務を行うスキルが問われます。
いずれの種目も、全国アビリンピックの課題は地方大会の課題より難易度が高くなっています。全国大会の課題がこなせるようになれば、現場でも大きな戦力になれるでしょう。
もくじ
競技種目「製品パッキング」とは? 出来映えが主な評価ポイント
アビリンピック競技種目「製品パッキング」は、緩衝材を組み立てて結束する競技課題1と、競技課題1で作った緩衝材を使って箱の組立やセットアップ梱包を行う競技課題2の2つで技能を競う種目です。
課題1と課題2の前には説明と部材の準備時間があり、どのように組み立てるか、完成品をどのように並べるかなどが説明されます。
完成品の審査では、以下のポイントから評価されます。
<競技課題1の評価ポイント>
- 規定された数量を時間内に作成できたか
- 完成品が正しい向きで並べられているか
- 完成品を規定通りに結束できているか
<競技課題2の評価ポイント>
- 規定された数量を時間内に作成できたか
- 緩衝材・小箱・中箱・化粧箱の組み入れが指示通りにできているか
- きれいにクラフトテープを止めているか
- 外観にしわ・破れ・汚れ・凹みなどがないか
作成個数や出来映えが主な評価ポイントとなっていますので、丁寧に、きれいに仕上げましょう。
「製品パッキング」の制限時間と課題の概要
「製品パッキング」には競技課題が2つあり、競技時間も午前と午後に分けて行われます。また、競技課題1で作成したものは競技課題2でも使用しますので、手際よく組み立てていきましょう。
制限時間とタイムスケジュール
「製品パッキング」の制限時間は、競技課題1の場合は30分、競技課題2の場合は60分です。
各課題の前には5分間の説明と5〜10分間の準備時間があります。また、課題1と課題2の間には、審査・採点時間40分と昼休憩60分がとられます。休憩時間中に食事やトイレを済ませ、午後の課題2のために体力を回復させておきましょう。
競技課題1、競技課題2の概要
全国アビリンピックの「製品パッキング」は、2つの競技課題で構成されています。地方大会にはあまり見られない完成品の結束があるのも大きな違い。どのくらいの作業量になるのか、事前公開の課題内容で必ずチェックしましょう。
2017年の全国大会で課題となった組立・梱包は下図のようなイメージです。
競技課題:緩衝材の組立・結束の概要
競技課題1では、緩衝材の組立と結束を行います。競技の際は、ケガをしないよう必ず手袋を着用してください。
競技会場では、各選手が下図のような配置の作業台で作業を行います。作業台のどこで組立・梱包を行うかは自由です。
課題1で組み立てる緩衝材は2種類。どちらも折り方は基本的に同じです。見本の折り方通りに折ると組み立てやすいでしょう。穴部に凸部分を差し込む時は、隙間ができないようにぴったり差し込むのがポイントです。
緩衝材は各種類5個、合計10個を時間内に完成させましょう。どのような緩衝材をどうやって組み立てるかは事前に公開されます。きれいに素早く折れるよう、練習をしておくとよいでしょう。
緩衝材の組立が完了したら、作業台に結束ひもを置き、ひもの上に緩衝材を5個ずつ2段にして置きます。緩衝材の向きも指示通りにする必要がありますので、よく確認しながら配置してください。
次に、緩衝材の端から15cm以内の角で結束します。結び目は10cm以内です。課題2でひもを解きますので、簡単に解けるような結び方にしましょう。また、ひもを持ち上げたときに、製品とひもの間隔が8cm以内になるよう、しっかりと結ぶ必要もあります。緩衝材のもう一方の端も、同じように結束してください。
以上で、競技課題1は終了です。
競技課題2:小箱・中箱・化粧箱・外箱の組立・セットアップ梱包の概要
競技課題2では、さまざまな大きさの箱の組立と、それらを使ったセットアップ梱包を行います。作業量がとても多く、競技時間も1時間と長いのが特徴です。
まずは小箱の組立から始めます。構造はシンプルですが薄い段ボールなので、しわや凹みがないよう丁寧に組み立てましょう。組み立てたら、底部を下にして商品を中に入れ、蓋をします。
次に、中箱の組立です。展開図が細長い形状で、組立の途中で横から小箱を入れる構造になっています。フラップ部分をきちんと折り、凹みや破れがないように仕上げましょう。小箱を指示通りの向きで入れ、天面の先端を本体切れ込み部に挿入したら、中箱の完成です。
中箱のあとは、化粧箱を組み立てます。化粧箱の身を先に組み立て、その後蓋を組み立てます。厚みをしっかり折れているか確認してください。見栄えに大きく影響する部分ですので、汚れやキズにも気をつけましょう。
最後に、ここまでで完成させた緩衝材や箱の中から、以下のものを使ってセットアップ梱包を行います。
<セットアップ梱包に使うもの>
- 緩衝材2種、各4個
- 小箱と中箱のセット、4セット
- 化粧箱の身と蓋、4セット
まず、化粧箱の身に小箱が入った中箱を入れて蓋をしましょう。これを4セット作ります。
次に、外箱を組み立てて、指示に従い緩衝材を中に設置しましょう。緩衝材にぴったりはまり込むように化粧箱を入れます。その後、化粧箱の上に緩衝材を下向きに入れ、外箱のフラップを折ってクラフトテープで封をすれば完成。クラフトテープにしわや破れができないよう、最後まで丁寧に作業を行いましょう。
競技種目「喫茶サービス」とは? ポイントは正確・スムーズ・連携
アビリンピック競技種目「喫茶サービス」は、来店したお客さまに正確で迅速なサービスを提供する技能を競う種目。アビリンピック地方大会では1人で行うことも多いのですが、全国アビリンピックでは5〜6人が1つのグループになって行います。他の従業員との連携・協力も重視され、お客さまが気持ちよく過ごせるよう配慮したサービスを提供できているかどうかが問われます。
2017年全国アビリンピックでは、従来の規定競技は行われず、自由競技のみで競われました。
「喫茶サービス」の具体的な評価ポイントは、以下の5点です。
- 喫茶店での業務にふさわしい身だしなみかどうか
- 業務に必要な挨拶・報告・連絡・相談などができるかどうか
- お客さまが来店してから帰るまでのサービスと後片付けまでの一連の接客業務を正確かつスムーズに行えるかどうか
- お客さまの立場に立って業務を遂行できるかどうか
- 他の従業員(スタッフ・競技者)と連携・協力して業務を遂行できるかどうか
メニュー設定と準備が必要なもの
「喫茶サービス」では、喫茶店を想定した競技会場で接客業務のスキルを競います。そのため、他の競技にはないメニュー設定や備品などが用意されています。
「喫茶サービス」のメニュー設定
競技課題で用いられるメニューは、飲み物が中心。他に、クッキーとのセットもあります。あまり種類は多くありませんが、コーヒーに砂糖・ミルクをつけたり、紅茶にはレモンやミルクをつけたりするといった細かい部分でうっかりミスをしないよう気をつけましょう。
<「喫茶サービス」のメニュー設定>
- ホットコーヒー
- アイスコーヒー
- 紅茶(レモン・ミルク)
- アイスティー(レモン・ミルク)
- オレンジジュース
- Aセット(クッキー+コーヒーor紅茶)
- Aアイスセット(クッキー+アイスコーヒーorアイスティー)
接客業務に必要な備品や消耗品等は、会場側で用意してもらえます。選手は接客業務にふさわしい服装で臨みましょう。とはいえ、専用ユニフォームを用意する必要はありません。
「喫茶サービス」の制限時間と課題の概要
「喫茶サービス」では、それぞれの選手がグループごとに2回以上競技を行います。地方大会とは異なり1人ずつの競技ではないので注意しましょう。1回目の競技と2回目の競技の間は、希望すれば他の競技者のやり方を見学することも可能です。
競技時間
「喫茶サービス」は1グループにつき2回以上競技を行いますが、合計の競技時間は75分程度で設定されています。他のグループの競技時間を合わせた競技全体の時間は、6時間程度です。
他のグループによる競技を見学したい場合は、選手専用のスペースで見学可能です。
課題の概要
競技会場には、喫茶店の業務に必要なスタッフが予め配置されています。スタッフたちと連携して競技を行いますので、どこに誰がいるかをきちんと把握しておきましょう。
<競技のために配置されるスタッフ(主催側)>
- 調理担当者(チーフ)
- 食器洗浄担当者
- お客さま案内・整理担当者
- 競技者案内・誘導担当者
競技会場は、下図のようなレイアウトになっています。
接客対象となるお客さまは、会場側で手配したお客さまか一般の会場来場者。店のきまりやルールに基づき、お客さまの立場に立ってサービスを提供することが重要です。
お客さまから質問されたり、対応に困ったりしたときは、チーフに報告・連絡・相談をしてください。チーフから指示が出た場合は、すぐに対応しましょう。
「喫茶サービス」をもっと知りたい時は
「喫茶サービス」は地方大会でも実施されることの多い競技種目。全国大会の課題だけでなく、地方大会の課題にも取り組むと役に立ちます。
ただ、喫茶店の設定やメニュー等は大会によって多少異なるので注意してください。たとえば、東京大会のメニューにクッキーセットはありませんが、神奈川大会では全国大会と同じメニュー設定です。さらに、トレーのセッティングについても細かく規定されています。
神奈川大会の課題内容は、サービス提供の手順やセッティングの参考になりますので、全国大会の課題内容とあわせて挑戦してみてください。