アビリンピック過去問題|第40回全国(2020)フラワーアレンジメント


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アビリンピック競技種目「フラワーアレンジメント」では、支給された花材等を用いて、花束やテーブル装飾を製作。毎年、美しいアレンジメントが観客の目を楽しませています。今大会は国際アビリンピックを見据えた内容で実施されました。

2020年度の「フラワーアレンジメント」は国際アビリンピックを見据えたハイレベルな戦いに

アビリンピック競技種目「フラワーアレンジメント」は、支給された20種類以上の花材を用いて3つのアレンジメントを製作する競技です。例年、ラウンドスタイルの「花束」、キャスケードスタイルの「花嫁の花束」、ホリゾンタルの「食卓テーブル装飾」が出題されています。

2020年度全国アビリンピックは国際アビリンピックの選手選考を兼ねた大会となり、一部課題で競技時間が変更されるとともに、角度など細かな条件を追加。過去の金賞受賞者3名を加えたハイレベルな戦いとなりました。

「フラワーアレンジメント」の制限時間・評価ポイント

競技種目「フラワーアレンジメント」の制限時間は、課題ごとに設定されています。今大会では前大会よりも「花嫁の花束」が10分長く、「食卓テーブル装飾」が20分短くなりました。

<「フラワーアレンジメント」の制限時間>

  • 課題1:花束 最長50分
  • 課題2:花嫁の花束 最長70分
  • 課題3:食卓テーブル装飾 最長50分

競技全体は13時から開始され、各課題の間に30分の休憩をはさみながら17時まで行われました。

「フラワーアレンジメント」の主な評価ポイントは、指示通りのスタイル、大きさで作品を制作するとともに、見る人が感動するような美しさと実用性を兼ね備えていること。さまざまな観点から評価されるため、花材を扱う技術だけでなく美的センスも大きく関わってきます。

<「フラワーアレンジメント」の評価ポイント>

  1. 支給された花材で指示通りのスタイル・大きさで作られているか
  2. 課題の目的を理解しているか
  3. 課題の目的に合った雰囲気の演出ができているか
  4. 課題の目的に合わせて美しく仕上げられているか
  5. 芸術性と実用性を兼ね備えたデザインになっているか

多くの花材を目的に合わせて3つの課題に振り分け、各課題ではそれらを効果的に組み合わせて魅力的な作品に仕上げましょう。

「フラワーアレンジメント」の課題概要と変更点

「フラワーアレンジメント」の課題は、「花束」「花嫁の花束」「食卓テーブル装飾」の3つのアレンジメントの製作です。今大会では、課題1「花束」と課題2「花嫁の花束」ではサイズの変更や角度の指定が追加され、課題3「食卓テーブル装飾」では制限時間が大幅に短縮されました。

課題1「花束」

1つめの課題である「花束」では、スパイラルテクニックを用いたラウンド型の花束を製作し、花瓶にセットします。競技種目「フラワーアレンジメント」の基本的な内容として、地方アビリンピックでも比較的多く出題されている内容です。

2020年度全国大会では、花束の直径および花束の底辺の角度が変更されました。

<課題1の変更点>

前年度大会 2020年度大会
花束の直径 37cm(±2cm以内) 40cm(±2cm以内)
花束の底辺の角度 25°以内 20°以内

製作にあたっての他の条件は、以下のとおりです。

<課題1 その他の条件>

2020年度大会
花束の高さ 結束部から25cm(±2cm以内)
ステムの長さ 結束部から14cm(±1cm以内)

大会前に発表される「競技課題A」には花束の側面図と上から見た図が記載されていますので、数値等の条件をよく確認して練習しましょう。

課題2「花嫁の花束」

前年度大会では3番目に実施された「花嫁の花束」(ブライダルブーケ)は、2020年度大会では2番目の実施となりました。花嫁が持つのにふさわしい花材を組み合わせ、美しいキャスケードブーケに仕上げなければなりません。

今大会での変更点は、ブーケの側面図とともに側面の展開が条件に追加されたこと、そして全体の幅が変更されたことです。

<課題2の変更点>

前年度大会 2020年度大会
側面の展開 中心から45°

190°以上210°以内で制作

FPは20〜30°

全体の幅 30cm(±2cm以内) 28cm(±2cm以内)

その他の条件は、以下のようになっています。

<課題2 その他の条件>

2020年度大会
製作条件 ブーケホルダーを使用

落下防止処理をする

全体の長さ 55cm(±2cm以内)
ハンドル リボン処理をする

「競技課題A」には課題2の側面図と正面図を掲載。細かく角度や大きさが指定されています。

今大会では、審査員が感動するほど非常にレベルの高い作品が並んだとのことでした。

課題3「食卓テーブル装飾」

「フラワーアレンジメント」3つめの課題は、食卓テーブルなどを飾るホリゾンタルスタイル(360°展開)のテーブルデコレーション製作です。

課題内容自体に変更はないものの、制限時間が20分短縮されました。製作条件等は以下のとおりです。

<課題3 製作条件等>

2020年度大会
スタイル ホリゾンタルオーバル(360°展開)
製作条件 180cm×90cmのテーブル上に製作
全体の幅 75cm(±2cm以内)
全体の奥行き 30cm(±2cm以内)
全体の高さ 17cm(±2cm以内)

課題3も「競技課題A」に側面図と上から見た図が記されていますので、中心からの大きさなどをよく確認して練習を重ねましょう。

会場に用意されるものと選手が持参するもの

「フラワーアレンジメント」では多くの花材を使用します。これらの花材と一部の資材、作業スペースは会場側で用意されます。

一方、選手が会場に持参するものもあります。いつものフラワーアレンジメントで使用する道具類や資材などです。

<会場側で用意されるもの>

項目 内容
花材 20種類以上

バラ、SPバラ、カーネーH、SPカーネ、トルコ、ミニガーベラ、笹葉ルスカス、アイビー等、毎年支給されるものもある

結束紐 2m
ブーケホルダー 松村工芸株式会社

「ブライディネット0

リボン 2m
花瓶(ピューレット)(生花用) ピエーガ6号(丸型)
吸水性スポンジ 1個
ブーケスタンド 1個
フラワーベース(アレンジメント用) EUR-03 ユーロベルコンポート
テーブル・丸椅子 1800mm×900mm×高700mm程
テーブルクロス
花バケツ
ゴミ袋

<選手が持参できるもの>

項目 内容
道具一般 平常使用すると考えられるもの
補強のためのワイヤー 裸、コーティング
フローラルテープ
両面テープ
その他 使用すると考えられるもの

2020年度全国大会は映像公開あり!選手の様子をチェックしてみて

コロナ禍での初開催となった2020年度大会では、無観客開催にあたってライブ配信を実施。遠隔地から競技を観戦することができました。

2022年3月現在、そのライブ映像を編集し短くまとめたものがアビリンピック公式チャンネルで公開されています。「フラワーアレンジメント」の競技会場の様子も見られますので、ぜひ選手の様子や作品例をチェックしてみましょう。

地方アビリンピックや全国アビリンピックなどの受賞者や作品、最新情報は、アビリンピック公式TwitterアカウントやInstagramアカウントでも発信中です。

地方アビリンピックの作品も含め、どのような作品が受賞しているのか探してみてください。

【参考】
アビリンピック 公式サイト
全国障害者技能競技大会(全国アビリンピック)|JEED

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