アビリンピック過去問題|第39回全国(2019)義肢と歯科技工


アビリンピックの競技種目「義肢」と「歯科技工」は、失った体の一部の機能を補う装具や義歯を製作する種目。選手には高度な専門知識や製作スキルが求められ、競技時間も比較的長く設定されています。

2019年全国アビリンピックの「義肢」の課題は「下腿義足(PTB式)ソケット」の製作で前大会と同じ内容。それに対して、「歯科技工」では前大会とは大きく異なる内容での出題となりました。

競技種目「義肢」の課題内容と2018年大会からの変更点

アビリンピック競技種目「義肢」では、脚を失った人のために下腿義足(PTB式)ソケットを製作するのが課題です。2018年全国大会の課題内容と同様、与えられた断端モデルと材料を使って製作します。

身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能で、2019年大会では2名の選手がエントリーしました。

材料や基本的な設備・機械、一部の用具等は会場側で用意されます。裁ちばさみやドライバー、たがねといった用具類は選手が持参しなければなりません。

2019年大会では、選手が持参するものとして示された用具類に3つの用具が追加されました。

選手が持参するもののリストにない用具類を会場に持ち込む場合は、事前に持参リストを主催者に提出し、許可を受けましょう。

会場側で準備されるものについては、ほぼ2018年大会どおりです。ただ、真空ポンプの支給個数には変更がありました。

ソケットを製作するための支給材料は、前大会からの変更はありませんでした。

「義肢」の制限時間と製作のポイント

競技種目「義肢」の競技時間も例年どおりです。

<「義肢」の競技時間>

  • 標準時間 4時間15分
  • 打ち切り時間 4時間45分
  • 2019年大会の実施時間 9:00-14:45

標準時間を超過すると減点対象となります。そのため、練習段階でもなるべく標準時間内に完成させられるよう、時間配分を工夫することが大切です。

製作にあたっては、ソケットの内側に使うクッション材など、材料の特性をしっかり理解することも重要。ソケット本体の加工法である「注型法」の技術を高めることで、実用に耐え得る義肢を製作できるでしょう。

製作技術も含めた「義肢」の評価ポイントは、大きく分けて3つあります。

<競技種目「義肢」の評価ポイント>

  • 作業態度(安全・丁寧に作業を進められているか、など)
  • 寸法精度(切断端にぴったり吸着しているソケットを製作できているか、など)
  • 出来映え(除圧が必要な部位がスムーズな歩行を妨げていないか、など)

細かな仕様や注意点については、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)による全国アビリンピック公式ページから見られます。また、以下の関連記事もご参照ください。

(関連記事)
アビリンピック過去問題|第38回全国(2018)義肢と歯科技工

【参考】
過去3年の技能競技課題(参考資料)|JEED

競技種目「歯科技工」の課題概要

アビリンピック競技種目「歯科技工」は、歯の形状を回復したり入れ歯を作ったりする種目。2019年全国大会では、課題内容が2018年大会とは大きく異なり、「上顎無歯顎模型での蝋義歯」を製作するとともに、「下顎模型の支台形成部をワックスにて歯冠回復」させるという課題でした。

身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加で、2019年大会では3名の選手がエントリーしました。

「歯科技工」の特徴は、事前に各選手に咬合器や模型、硬質レジン歯2種類、歯冠回復用ワックスが送付されること。これらを使って練習を行い、練習に使った咬合器を大会当日にも使用します。

大会当日の製作に必要な材料(咬合器以外)は、主に会場側で用意されています。事前に製作したワックスパターンやシェルなどの使用は認められません。

なお、下顎のワックスパターンは分離不要です。

「歯科技工」の制限時間と評価ポイント

「歯科技工」の制限時間は5時間です。

<「歯科技工」の競技時間>

  • 競技時間 5時間
  • 作品提出時間 最終30分程度
  • 2019年大会の実施時間 9:00-15:00

例年、競技時間の途中に1時間の昼休憩があります。

作品提出が可能なのは14時30分から。製作は15時で打ち切りとなりますが、スチームクリーナーによる模型洗浄作業は15時以降も可能です。

「歯科技工」での高評価につながるポイントは5つあります。

<競技種目「歯科技工」の評価ポイント>

  • 上顎前歯は健全な歯との形態的バランスや顎の動きを考慮しているか
  • 上顎前歯は審美的に美しく製作されているか
  • 上下の歯ともに顎の動きを考慮しているか
  • 上下の奥歯は噛み合わせも配慮して製作しているか
  • 下顎の歯肉が自然で機能的に形成されているか

「歯科技工」では、見た目の美しさと機能性の両方が求められます。練習では丁寧に作業を進めるとともに、効率よく製作するための時間配分などを工夫しましょう。

「歯科技工」で会場に準備されているもの・選手が持参するものの変更点

「歯科技工」使用する用具と材料は、基本的には会場側で用意されます。ただ、選手が持参しなければならないものもあります。特に練習で使った咬合器は、持参しないと製作ができませんので忘れずに持っていきましょう。

必要とされる用具と材料は2018年大会とほぼ変わりありませんが、以下の3点のみ変更がありました。

これ以外の用具・材料については、以下の関連記事で詳しく紹介しています。

(関連記事)
アビリンピック過去問題|第38回全国(2018)義肢と歯科技工

2019年全国大会「歯科技工」の課題内容

2019年大会の「歯科技工」では、上顎無歯顎模型での蝋義歯の製作および下顎模型の支台形成部のワックスによる歯冠回復が出題されました。

製作にあたっての要件は、以下のとおりです。

<上顎の要件>

  • 模型:機能印象で製作
  • 床外形線:青色で記入
  • 形成不要な部分:ポストダム、リリーフ、口蓋ヒダ
  • 着脱:可能にする(ブロックアウトに用いたワックスの除去は不要)

<下顎の要件>

  • マージン:青色で記入
  • 支台歯とワックスパターンの分離:不要
  • 単冠で製作

<咬合等の要件>

  • 咬合様式:指定なし(下顎運動を考慮する)
  • 咬頭嵌合位において前歯の強い接触は避ける
  • 人工歯の削合調整:可

<使用する人工歯>

  • 前歯部:松風ベラシアSA(形態 ST6、色調A3)
  • 臼歯部:松風ベラシアSA(形態 S34、色調A3)

使用する人工歯は、毎年異なった形態が指定される可能性が高い部分。過去の課題内容と比較したい場合は、JEEDの全国アビリンピック公式ページにある過去問題(3年分)を参照するとよいでしょう。

【参考】
過去3年の技能競技課題(参考資料)|JEED

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