アビリンピック過去問題|第39回全国(2019)製品パッキングと喫茶サービス


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私たちの便利な生活を支えてくれるパッキングや喫茶サービスでも障害を持つ方々が活躍しています。アビリンピック競技種目にも、製品の梱包の技能を競う「製品パッキング」、カフェなどで接客する技能を競う「喫茶サービス」があります。

2019年全国アビリンピックの「製品パッキング」と「喫茶サービス」では、前大会から大きな変更はありませんでした。両種目の特徴や重要ポイントを見ていきましょう。

競技種目「製品パッキング」の概要と変更点・評価ポイント

アビリンピック競技種目「製品パッキング」の課題内容は、梱包に使用する化粧箱や梱包緩衝材の組立およびセットアップ梱包です。身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能で、2019年大会では24名の選手がエントリーしました。

2019年全国大会の「製品パッキング」の具体的な課題内容や組み立てに使う緩衝材、各箱の大きさ・構造については、2018年大会から変更はありません。

<「製品パッキング」の課題>

  • 課題1 合計25セット(5束)
    緩衝材の組立・結束をする
  • 課題2 合計4梱包(4箱)
    小箱・中箱・化粧箱・外箱を組み立てる
    課題1の結束を解く
    セットアップ梱包をする

ただし、課題1の緩衝材の結束に関しては2018年大会で変更があります。結び目の長さや位置、紐を持ち上げたときの紐と製品の間隔が、それまでの大会よりも短く指定され、難易度が上がりました。

<「製品パッキング」課題1の結束に関する指示>※2018年大会以降

  • 8cm以内の結び目で、容易に解くことができる結び方になっている(以前の10cmから減少)
  • 緩衝材の端から10cm以内の位置で結束されている(以前の15cmから減少)
  • 紐を持ち上げたときに、紐と製品の間隔が5cm以内である(以前の8cmから減少)

競技本番では、以下の評価ポイントによって採点が行われます。

<競技課題1の評価ポイント>

  • 規定の数量を時間内に作成できたか
  • 完成品が正しい向きで並べられているか
  • 完成品を規定通りに結束できているか

<競技課題2の評価ポイント>

  • 規定の数量を時間内に作成できたか
  • 緩衝材・小箱・中箱・化粧箱の組み入れが指示通りにできているか
  • きれいにクラフトテープを止めているか
  • 外観にしわ・破れ・汚れ・凹みなどがないか

大会前の練習として資材を購入することができるので、素早く正確に作業を進められるよう何度も練習しましょう。

「製品パッキング」の会場下見と当日持参するもの

競技種目「製品パッキング」では、会場下見で競技のポイントの説明があり、実際に1ケース分の作成練習ができます。また、当日のスタッフ・競技場所・ゼッケン・作業台の高さなど、競技に必要なルールだけでなく作業環境等についても確認可能です。

2019年大会の作業台や椅子のレイアウトは、2017年大会と同じでした。

競技大会当日に選手が持参するものは3種類。手袋・作業着・飲料です。

<「製品パッキング」で選手が持参するもの>

  • 手袋 2双(破れた場合のための予備分1双を含む)
  • 作業着 1着(任意持参)
  • 飲料 必要量(熱中症対策のため)

選手の服装についても、パッキング作業の支障にならないよう指示があります。具体的には、以下の服装、装飾品を避けるよう指示されています。

  • スカートやフリルの付いたもの
  • 短パン
  • スリッパ・サンダル等
  • 指輪・ピアスなどの装飾品

「製品パッキング」の制限時間と競技の流れ

2019年大会の「製品パッキング」の競技時間は、例年と同じでした。

<「製品パッキング」の競技時間>

  • 課題1 30分(最大で緩衝材25セットを組み立て、5束に結束)
  • 課題2 60分(4梱包を完成)

競技自体にかかる時間は90分ですが、説明・準備・審査・休憩等があるため、競技全体としては午前と午後に分けて行われます。

2019年は以下のようなスケジュールで進められました。

<「製品パッキング」競技の流れ>

  • 11:10-11:20 全体説明
  • 11:20-11:25 課題1の説明
  • 11:25-11:30 競技部材準備
  • 11:30-12:00 競技(課題1)
  • 12:00-13:40 休憩・昼食(審査・採点)
  • 13:40-13:45 課題2の説明
  • 13:45-13:55 競技部材準備
  • 13:55-14:55 競技(課題2)

作業の順番は選手それぞれに任されており、大きく分けて「まとめ生産」と「1つの完成品を作る方法」があります。まとめ生産は多くの選手が用いる方法で、部材ごとにまとめて作っていくもの。1つの完成品を作っていく方法は、1つめの組み立て・組み込みを完成段階までやってから次の組み立てに入るというものです。

作業の進め方は、どちらが必ずよいというものではないので、実際に試した上で、より速くきれいに仕上げられる方法を検討してみましょう。

競技種目「喫茶サービス」課題内容と変更点

アビリンピック競技種目「喫茶サービス」では、カフェの店員として接客スキルを競います。地方大会では選手が1人ずつ競技を行う場合もありますが、全国大会では他の選手とグループになり、協力しながら競技を進めます。グループの人数は4〜5名です。

身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能で、2019年全国大会では44名の選手がエントリーしました。

2019年全国大会は、2018年大会とほぼ同じ方法で競技が行われました。ただし、メニュー設定に若干の変更が見られます。

<「喫茶サービス」のメニュー設定>

  • ホットコーヒー
  • アイスコーヒー
  • 紅茶(レモンorミルク)
  • アイスティー(レモンorミルク)
  • ジュース
  • Aセット:クッキー+コーヒーor紅茶(レモンorミルク)
  • Aアイスセット:クッキー+アイスコーヒーorアイスティー(レモンorミルク)
  • Bセット:クッキー+コーヒーor紅茶(レモンorミルク)
  • Bアイスセット:クッキー+アイスコーヒーorアイスティー(レモンorミルク)

当日の競技会場内には、2018年大会同様、以下のスタッフが配置されました。

<「喫茶サービス」で配置されるスタッフ>

  • 店長等フロア担当者
  • ドリンク等厨房担当者
  • 食器洗浄担当者
  • お客様案内・整理担当者
  • 競技者案内・誘導担当者

競技に関する具体的な内容は、以下の関連記事および独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の過去問題をご覧ください。

(関連記事)
アビリンピック過去問題|第38回全国(2018)製品パッキングと喫茶サービス

【参考】
過去3年の技能競技課題(参考資料)|JEED

「喫茶サービス」の競技時間と評価ポイント

「喫茶サービス」の競技時間は他の競技とは異なり、グループごとの競技時間で定められています。

<「喫茶サービス」の競技時間>

  • 1グループあたり2回実施 合計60分程度
  • 全グループの合計競技時間 6時間程度

「喫茶サービス」では、事務局で用意したお客様の他に一般のお客様に対しても接客を行います。以下が主な評価ポイントです。

<「喫茶サービス」の評価ポイント>

  • 喫茶店での業務にふさわしい身だしなみか
  • 業務に必要な挨拶・報告・連絡・相談などができるか
  • お客さまが来店してから帰るまでのサービスと後片付けまでの一連の接客業務を正確かつスムーズに行えるか
  • お客さまの立場に立って業務を遂行できるか
  • 他の従業員(スタッフ・競技者)と連携・協力して業務を遂行できるか

競技参加にあたってユニフォームを特別に用意する必要はありません。しかし、清潔で印象がよく、動きやすい服装で臨むことが重要です。エプロンの着用は必須で、必ず持参するか会場側から貸与を受けましょう。

また、他の選手はライバルではあるものの、同じグループの仲間でもあります。そのため、業務上必要なら他の選手とコミュニケーションをとることも大切です。

もし競技中に困ったことが生じた場合は、店長等フロア担当者に相談してください。指示が出た時は、速やかに対応しなければなりません。

他のグループの競技の様子は、専用の見学席から見ることができます。そのため、1回目の競技を終えて休憩時間に入るまでは、他のグループのやり方を見ておくのがおすすめ。よりよいサービスや上手な連携の仕方を考え、2回目の競技に臨みましょう。

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