2020/12/21
アビリンピック過去問題|第38回全国(2018)DTP
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印刷する広告物や誌面などを制作するDTP。アビリンピック(障害者技能競技大会)の競技種目「DTP」では、シンボルマークとポスターまたはフライヤーの制作が出題されます。同じ素材を使いつつ他の選手より魅力ある作品を制作しなければなりません。高い評価を得るには、印刷のためのデータ作成スキルだけでなく、デザインセンスや創造性も重要です。
2018年全国アビリンピックでの課題は、開催地・沖縄の観光をテーマに、女性をターゲットとした観光アピールを行うシンボルマークとポスター制作が課されました。
今大会の競技種目「DTP」課題は沖縄の観光がテーマ!
沖縄県で開催された第38回全国アビリンピック。競技種目「DTP」のテーマは毎回開催地に関係するものが多く、今大会では「沖縄の観光」がテーマです。「DTP」では最終的に印刷するための作品を制作しますので、印刷に適したデータとして作成する知識やスキルとデザインセンスや創造性の両方が問われます。
身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能。2018年大会の参加者は18名でした。
課題で制作するのは、シンボルマークと片面フライヤー。素材は提供された画像や文章を使いますが、選手によってさまざまな表情の作品が出来上がります。各選手の個性が表れる作品となるため、見学者も楽しめる競技の1つです。
「DTP」で高評価を得るには、全体のイメージのまとまりやインパクトあるデザインとともに、分かりやすく表現することを意識して取り組みましょう。
「DTP」の競技時間と持参できるもの・提供されるもの
「DTP」では課題内容の一部が事前公開されます。
基本的なレイアウトは大会前に考え、当日に細部のデザインを詰めていくという流れになります。そのため、競技時間は基本的にデザイン等の確定とオペレーションの時間になるでしょう。
「DTP」の競技時間
全国アビリンピックでの「DTP」の競技時間は3時間。競技修了後に、提出用の作品をプリントアウトする時間が設けられています。
デザインの一部は事前に考えることができますので、競技本番では効率よく作業を進めていきましょう。
2018年は13:30-16:45で実施されました。
「DTP」で選手が会場に持参できるものと提供されるもの
「DTP」では、デザインを考えるための道具類は一部持ち込みが認められています。しかし、選手が事前に作成したデータ類、事前に配布された課題やメモ、参考書等は持ち込めませんので注意してください。大会前に考えたマークやフライヤーのデザイン案は、自分の頭の中に入れていきましょう。
<選手が持参できるもの>
- 鉛筆
- 色鉛筆
- 定規
- カラーマーカー
- 電卓
<競技会場で提供されるもの>
- 写真素材(200dpi)
- フライヤー作成に必要な情報(主催者名・テキストデータ等)
- カラープリンタ用紙 3枚
- A4サイズ下書き用紙 3枚
- 作品保存用USBメモリ 1個
- Windows 10 Pro 搭載のパソコン
- フライヤー制作に必要なソフト(Photoshop CC、Illustrator CC、Acrobat DC)
どのような写真素材やテキストが提供されるかは、大会当日に初めて分かります。そのため、細かいデザインは、本番の競技中に下書き用紙を使うなどして検討・確定しなければなりません。
「DTP」の課題はシンボルマーク制作と片面フライヤー制作
「DTP」では大会当日に使用するシンボルマークを事前に考えて制作手順を練習したり、大まかなデザインを考えたりできます。
大会前に作成したデータやメモを持ち込むことはできませんが、どれだけ準備・練習できたかが、当日の作業時間短縮につながります。
「DTP」の事前準備
「DTP」の今回のテーマは「沖縄の観光」。女性を対象とした観光アピールを目的としたシンボルマークと片面フライヤーの制作が出題されました。
マーク制作では、仕上げ寸法(10cm×10cm)が事前公開されたため、大会前にデザインを練って確定して競技に臨む選手が多く見られました。実際の制作と制作意図の説明(100文字)は、本番の競技中に行いますが、全体としてよく練られたマークが多かったようです。
片面フライヤーの制作準備では、このフライヤーを見た女性が思わず「行ってみたい!」と思えるようなデザインを考えます。仕上げ寸法(A4変形)や裁ち落としの設定(3mm)などが事前公開されました。
準備段階でのポイントは、テーマや目的をよく理解した上でシンボルマークを作成すること、フライヤーとして分かりやすい・印象的・魅力的などの要素を満たせるようなデザイン案を大まかに考えておくことです。
印刷するためのデータ作成についても、しっかり確認しておきましょう。
「DTP」の大会当日課題
今回の「DTP」競技のテーマは、「沖縄の観光」。競技本番では、まずシンボルマークを作成し、そのマークと提供された写真やテキスト等を用いてフライヤーを制作するのが課題です。
作品は、適宜高解像度PDF(PDF/X-1a:2001)で保存し、以下の条件に従って制作しましょう。
<2018年全国大会「DTP」作品の条件等>
- テーマに沿ったマークを作成する(10cm×10cm)
- フライヤーの仕上げ寸法はA4変形サイズ(210mm×210mm)、縦・横は自由
- CMYKフルカラー片面で制作する
- フライヤーにはトンボを配置する(裁ち落としは3mm)
- フライヤーには必ず自分で作成したマークを使用する
- 出力サイズはA3(マークとフライヤーを並べて配置)
- 提供される写真素材の解像度は200dpi(使用点数は自由)
- 画像データのトリミング・拡大・縮小は自由だが、画像の劣化に留意すること
- 画像処理効果(カラーバランス、フィルタ効果、変形等)は表現上必要であれば使用可
- タイトルは選手が考える
- ロゴは選手が作成する(主催者は「ハイタイ観光」、ロゴ形状は自由)
- テキストは、「沖縄観光ご紹介」で始まる1段落分のテキストデータを用いる
なお、競技中に2回までテストプリントが可能です。競技時間終了前は多くの選手がテストプリントをしようとしてプリンタが混み合います。待っている間に競技時間が終了しても延長はされませんので、テストプリントは時間に余裕をもって行いましょう。
提出作品は、高解像度PDFで保存し、使用した画像データと一緒に最終作品フォルダに入れます。ファイル名は「競技者番号」と「名前」で設定しましょう。また、競技時間終了後、競技委員の指示に従って最終作品を印刷し、競技者番号と名前を書いて提出してください。
データと印刷物の提出が済んだら、競技は終了です。