いつでも・どこでも学べる障害者支援向けeラーニング3選!


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障害者雇用や障害者支援では、特性に応じた適切な支援が不可欠です。支援方法を学ぶには、講座やセミナー、ジョブコーチによる社内研修などが一般的。しかし、現場で働く支援者には「研修やセミナーに参加できない」「上司が多忙で教えてもらえない」という方もいるでしょう。そのような場合におすすめなのがeラーニングです。今回は、障害者支援を行う方向けのeラーニングを3つご紹介します。

厚労省「精神・発達障害者しごとサポーター 養成講座 e-ラーニング版」(無料)


画像出典:精神・発達障害者しごとサポーター養成講座 eラーニング版|厚生労働省

最初にご紹介するのは、厚生労働省による「精神・発達障害者しごとサポーター 養成講座 eラーニング版」です。

近年、障害者雇用の中でも精神障害者の雇用人数が大きく伸びています。精神障害者には発達障害による生きづらさを抱える方も少なくないため、厚生労働省は精神障害者や発達障害者の就労支援施策に力を入れてきました。

「精神・発達障害者しごとサポーター 養成講座 eラーニング版」は、精神障害や発達障害をもつ方と一緒に働く同僚や上司の方などを対象に、障害特性や日常的な関わり方を紹介・解説しています。全体としてシンプルなつくりになっているため、これまであまり障害者支援について学んだ経験がない方にも取り組みやすいでしょう。

大きく分けて精神障害に関するパートと発達障害に関するパートがあり、それぞれ以下のような構成になっています。

<精神障害のある方と共に働く上でのポイントと障害特性>

大分類 チャプター シーン 内容
精神障害のある同僚への接し方 1.出勤時 1-1 初出勤で最初から声をかけると緊張させてしまう?
1-2 前日に体調不良で休んでいたけど、どう声をかける?
2.仕事中 2-1 あのやり方でいいの? と感じたら
2-2 仕事が進んでない? 困っている?
3.休憩時間 3-1 食事に誘うほうがいい?
3-2 話しかけたいけど、どんな話題がいい?
3-3 スマホの音量が大きすぎる…
3-4 落ち込んでいる・体調が悪そうなときは?
4.社内イベント 4-1 飲み会などに誘ってもいい?
精神障害(精神疾患)の特性(代表例) 代表的な精神障害(精神疾患)の特徴と配慮ポイント

<発達障害のある方と共に働く上でのポイントと障害特性>

大分類 チャプター シーン 内容
発達障害のある同僚への接し方 1.出勤時 1-1 初出勤で最初から声をかけると緊張させてしまう?
2.仕事中 2-1 あのやり方でいいの? と感じたら
2-2 仕事が進んでない? 困っている?
2-3 繁忙期になり周りを気にしている様子…
2-4 メモ取りに時間がかかるんだけど…
3.休憩時間 3-1 食事に誘うほうがいい?
3-2 話しかけたいけど、どんな話題がいい?
3-3 スマホの音量が大きすぎる…
4.社内イベント 4-1 飲み会などに誘ってもいい?
発達障害(精神疾患)の特性(代表例) 代表的な発達障害の特徴と配慮ポイント

職場で障害をもつ方が新しく入ってくるとき、こうした基本を知っているだけでも声のかけ方や困ったときの相談の仕方が分かり、不安が和らぎやすくなります。サイト内には「しごとサポーター・クイズ」という計5問(2択)のチェックテストもありますので、学習前と学習後でどのくらい理解度が変化したか比較してみるとよいでしょう。

より本格的に支援方法を学びたい場合は、「養成講座のご案内」から、各都道府県の労働局へお問い合わせください。

「発達ナビポータル」のe-ラーニングコンテンツ(無料)


画像出典:発達ナビポータルeラーニングコンテンツ

「発達ナビポータル」は、厚生労働省や国立障害者リハビリテーションセンター、文部科学省、国立特別支援教育総合研究所(NISE)による、発達障害をもつ子どもや大人への支援方法を動画で学べるコンテンツ集です。発達障害の特性理解、支援のポイント、就労支援、生活や余暇の支援、法律など、発達障害者支援に関わるポイントを網羅的に学べます。

利用するには、視聴者情報(視聴目的・所在地・分野など)を選択する必要があります。支援者が個人で学習したり、施設や企業が職員を対象とする研修のために視聴したりすることが、利用条件で、個人学習及び研修目的以外の二次利用や営利目的での使用は禁止されています。
動画は、テーマごとに「概要」と「サブコンテンツ」に分かれています。「概要」は2~5分程度の短い動画で、そのテーマのエッセンスをさっと確認できるもの。「サブコンテンツ」は20分以上ある動画が多く、じっくり学びたいときにおすすめです。

内容構成は、以下のとおりです。

<発達ナビポータルのeラーニングコンテンツ 構成>

分類 テーマ 内容
A-1 発達障害の障害特性の理解 概要

発達障害の障害特性の理解

発達障害の基本的理解 概念と定義

発達障害の基本的理解 分類と特性

A-2 発達心理 概要

認知機能および感情・社会性の発達

自己と他者の関係性のあり方と心理的発達

非定型発達

A-3 切れ目のない支援 概要

連携・情報共有の必要性

縦と横の連携:乳幼児期

縦と横の連携:学齢期

縦と横の連携:成人期・まとめ

B-1 アセスメント 概要

アセスメントの基本的理解とその活用について

行動観察および面接・面談

発達障害領域でよく使用されるアセスメントツール

幼児期・学齢期・青年期のアセスメント事例

B-2 支援の計画の作成と活用 概要

個別の教育支援計画、個別の計画支援の作成

連携のための活用ポイント(教育)

障害児支援利用計画と個別支援計画の作成

連携のための活用のポイント(福祉)

B-3 特性に応じた指導・支援 概要

特性に応じた指導・支援の基本的な考え方

学習面、生活面、社会性に関する指導・支援

行動面、情緒面、感覚・運動に関する指導・支援

B-4 併存障害の理解と対応 概要

発達障害に併存する障害

二次的な問題が現れている状態像

二次的な問題に対する支援

B-5 就業(就労)支援 概要

学校における進路やキャリア教育に関する指導・支援

就業支援の実際

就労支援に係る事例

B-6 生活・余暇支援 概要

QOLの向上

生活習慣の形成・健康管理・金銭管理

住居・年金・余暇活動

C-1 早期発見・早期支援 概要

早期発見・早期支援の意義

早期の相談と対応、自治体による発達支援

C-2 家族・保護者支援 概要

家族・保護者支援

D-1 他の分野との連携 概要

連携とは

各機関の役割

連携の方法と実際

E-1 発達障害者支援法 概要

発達障害者支援法「総則」

発達障害者支援法「第2章以降」

F-1 障害者の権利に関する条約

及び児童の権利に関する条約

概要

障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)

児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)

児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)

障害者虐待の防止、障害者の擁護者に対する支援等に関する法律(障害者虐待防止法)

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)

細かい部分まで解説されているeラーニングですので、まずは「概要」を一通り確認した上で、現在必要な支援内容や観点を中心に見ていくとよいでしょう。

「サポーターズカレッジ」(有料)


画像出典:サポーターズカレッジ 公式サイト

「サポーターズカレッジ」(以下、サポカレ)は、NPO人材開発機構による障害福祉事業所の職員向けeラーニングです。2016年からサービスを提供し、15分のWeb講義動画とテキストを利用できます。

支援者育成や組織マネジメント、リスクマネジメントなど、障害者支援に関わるさまざまなテーマをWeb講義として配信するとともに、生放送による双方向参加型のゼミやワークショップも提供。忙しい現場の方々の専門スキル・知識習得につなげるとともに、支援者の働きがい醸成や利用者満足度の向上にも取り組んでいます。

Web講義の講師を務めるのは、大学教員、社会福祉法人の理事長、専門学校の講師、福祉施設の看護師、行政サービスで働く方々など。講義内容も、車椅子を使う方の支援の仕方、知的障害者や発達障害者の高齢化、成年後見制度など、現場ですぐに役立つ内容から社会問題、制度の解説までさまざまなテーマを扱っており、「今これが知りたい!」というニーズに応えてくれるでしょう。

Web講義の受講は有料ですが、無料セミナー開催への参加やお試し受講も可能です。受講後は受講証明書を即時発行できるため、誰が何を受講しているのか確認しやすいシステムとなっています。会議室や食堂などで投影しながらグループ受講することも可能です。

料金プランなどは、以下のとおりです(2022年10月現在)。

<サポカレの受講料>1法人単位での年間契約

初期登録料 1万1,000円(税込)・初年度のみ
年間受講料 16万5,000円(税込)

最大5事業所まで受講可能

6事業所以上の追加受講料 1万1,000円/事業所

<サービス内容・特徴>

Web講義 事業所の職員なら何名でも受講し放題(同時視聴も可)

毎週新作が1本追加される

2022年10月現在で300本以上のWeb講義がある

受講証明書を即日発行

Liveゼミ 事業所から多人数で参加可能

Zoomを使用した集合型研修

毎回先着順で10事業所が参加可能(1法人1事業所まで)

多人数参加の場合、Webカメラ、マイク、スピーカーが必要

無料お試し受講 1カ月間無料ですべての講座を受講OK
導入実績 2022年3月時点で約350法人、1,300事業所

処遇改善加算のキャリアパス要件として利用可能

サポカレでは、2021年12月からメイン講義「15分で学ぶ!障がい者支援の基礎」シリーズのMCに障害や難病をもつ方を採用してきました。分身ロボット「OriHime」を使って動画に参加し、Web講義のタイトルと講師紹介を行っています。障害者支援や障害者雇用の現場に近いeラーニングとして、さまざまな学びや気づきを得られるでしょう。

サポカレの問い合わせ・申し込みは、以下の公式サイトをご覧ください。

eラーニング活用のメリット・デメリット

支援の現場で働く方々は、サポートにあたって多様な視点や知識、スキルが求められます。仕事の合間を縫ってそうした知識やスキルを身につけようと思っても、なかなか時間がとれない、十分な指導ができないと頭を抱える方は多く見られます。

そうした時に、支援スタッフが基本的な知識やスキルをeラーニングで学べれば、その知識やスキルを土台として実践演習に入りやすくなります。日々の業務のちょっとした空き時間、在宅勤務中など、学ぶ場所や時間の選択肢も広がります。また、専門家による説明がWebコンテンツとして提供されるため、職場で独自に研修準備を行う手間が省けることも、eラーニング活用の大きなメリットです。

サポカレの導入実績にあったように、一定の項目を受講することを条件とすることにより、キャリアアップにつなげることも可能です。

他方、eラーニングには、ある程度受講者の自主性が求められるものです。場合によっては、ぼんやり見ているだけで、あまり頭に入ってこないという場合もあるかもしれません。何より、基本は座学ですので、実践面は事業所でそれぞれ補う必要があります。こうした3点は、eラーニングのデメリットと言えるでしょう。

eラーニングのデメリットを解消してメリットを最大限に生かすには、計画的な受講と受講後のサポート、実践演習がおすすめです。
たとえば

  • 「1年目の支援スタッフが受講するべきもの」のような形で動画やテーマをリストアップしておく
  • キャリアアップの条件に特定の講義の受講を義務づける
  • 受講の目安となる時期を決め、そのあとに実践型の研修を行う
  • 支援対象者の特性に合わせてテーマや項目をピックアップして、現場で活用する

などの取り組みが可能です。

各eラーニングのサイトには導入事例などもあるため、そうした具体的な活用方法を参照しながら事業所全体で取り入れたり、個人学習に活用したりしてみてください。

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