障害者雇用にそびえ立つ3の壁のお話


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みなさん、こんにちは。

先日、ある支援者さんから

「障害者雇用には3の壁がある。それは「3日」「3ヶ月」「3年」の壁だ」

というお話を伺いました。

雇用される立場、雇用する立場に分けて、この壁について考えてみましょう。

3日の壁

入社してまだ数日しか経っていないわけですが、ここに一つ目の壁があるようです。

雇用される側からすると、まだまだ不安がいっぱいの時期です。

  1. 朝起きて通勤電車に乗って、毎日会社に通うことができるのであろうか。
  2. 仕事を覚えて会社の役に立つことができるのであろうか。
  3. 周りの人に受け入れてもらうことができるのであろうか。

このような不安が絡み合って、会社に行けなくなってしまうということがあるようです。

雇用する立場からすると、上記の不安をいかに解消できるかがポイントなわけです。

1.満員電車がきついという方に対しては、時短勤務という選択肢、時差出勤という選択肢があればかなり楽になるはずです。

2.会社の役に立てるのかという不安に対しては、(3日まであれば、研修やOJTの最中でしょうから)今行っているトレーニングが仕事にどのように役に立つのかを具体的に説明できれば、不安は解消できるはずです。

3.周りの人に受け入れてもらうためには、ある程度の時間が必要になりますが、その前にくじけてしまわないように、マメに声がけをし、周りに溶け込みやすい雰囲気作りはするべきでしょう。

3ヶ月の壁

そろそろ仕事を覚えてくるタイミングです。ここでも一つの壁がやってきます。

それはさながら5月病のようなものなのかもしれません。

雇用される立場からすると

  1. 適切な休みを取っていたとしても疲れがたまってくる。特に久々の就労であったり、はじめての就労であれば、その疲れは大きいでしょう。
  2. 仕事を覚えてきたタイミングだからこそ、将来のキャリアプランが気になってくるタイミングでもあります。ずっとこの仕事が続くんじゃないか、その状況に自分が耐えられるのかという不安です。
  3. 多少周りが見えてきたからこそ、人間関係の悩みも出てくるかもしれません。どうしても人間ですので、苦手な人というのが出てくるものです。

雇用する立場からは、以上のような悩み・不安を解消する努力が必要です。

1.休みやすい環境を作ってあげましょう。有給制度があったとしても使えないと意味がありません。職場全体として、休みやすい雰囲気が必要です。

2.キャリアプランに関する不安は、誰でも生じます。これを解消するには、制度設計も重要ですが、会話も重要です。「○年後には、このようになっている」「○○さんは、いいモデルケースだよね」のように具体的なお話ができるように努力してください。

3.人間関係のトラブルは障害の有無にかかわらず発生します。ただ、障害の発端が人間関係のトラブルという方もいらっしゃいますので、人間関係については細心の注意が必要です。そのためにも「苦手な人間のタイプ」についてヒアリングをし、場合によっては配置換えも辞さない覚悟が必要と思われます。

3年の壁

3年の壁は上記3ヶ月の壁の延長線上に発生することもありますが、キャリアプランの変更や明確化によって生じることもあります。

キャリアプランとの関係で生じる、たとえば、「○○という職業につきたい」「○○という業界に行ってみたい」「もっと給料を稼ぎたい」「結婚をして家庭を中心に生活をしたい」といったケースは障害の有無を問わず発生すると言えるでしょう。

この場合は、当事者でよくお話をするしかありません。その上で、そのキャリアプランが正しいのであれば、新しい道に踏み出すことをみんなで応援するべきでしょう。

もちろん、思いつきだけの甘い考えであれば、たしなめてあげるのも愛情です。

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資格試験予備校での講師・教材制作、IT企業での管理部門を経て、就労移行支援事業所「ルミノーゾ町田」施設長。採用を経験していることから、採用者に刺さる履歴書や面接の指導を得意とする。また、集合研修の講師等を現在も行っており、分かりやすい・実戦的な指導を得意とする。

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