2021/07/13
障害の有無にかかわらず活躍できる職場環境づくりへ —コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社が「健康経営優良法人2021(ホワイト 500)」に選定
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「コカ・コーラ」や「綾鷹」など、なじみ深い飲料を製造・販売しているコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社。社内のダイバーシティ&インクルージョンに積極的に取り組み、「健康経営優良法人2021(ホワイト 500)」に選定されるなど外部から高い評価を得ています。
同社の障害者雇用では、どのような取り組みをしているのでしょうか。
もくじ
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社が「健康経営優良法人2021(ホワイト 500)」に選定
2021年3月、コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社(CCBJI)が、「健康経営優良法人2021(ホワイト 500)」に選定されました。これは、地域の健康課題に応じた取り組みや健康増進の取り組みなどを行う、特に優良な企業を経済産業省・日本健康会議が顕彰する制度。同社では、社員一人ひとりが自律的な健康保持・増進活動を行えるよう、会社と健康保険組合が一体となってさまざまな取り組みを行っています。
CCBJIでは以前から障害者も含むさまざまな人材の採用、活躍の支援を行ってきました。こうした取り組みは以前から評価されており、2019年10月に東京都の令和元年度「障害者雇用エクセレントカンパニー賞」産業労働局長賞を受賞、2020年3月16日に「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選定されています。
「障害者雇用エクセレントカンパニー賞」は、産業労働局長賞は2019年度に設けられたもの。障害者の能力開発や処遇改善を行い、優れた取り組みを行った企業から優良企業を表彰するものです。
一方、「新・ダイバーシティ経営企業100選」は、女性、外国人、高齢者、障害者を含むさまざなま人材が能力を最大限に発揮し、価値創造に参画していく「ダイバーシティ経営」という観点から選定されます。
CCBJIにおけるダイバーシティ経営推進における主な取り組みは6つあり、これらが評価されて「新・ダイバーシティ経営企業100選」選定となりました。
<CCBJIにおけるダイバーシティ経営推進の取り組み>
- グループの新企業理念における「ミッション・ビジョン・バリュー」の策定
- 「ピープルストラテジー」(人材戦略)の策定
- 優秀な人材を早期育成
- 事業部ごとの効率性向上と成果の拡充を実現
- 障がいの有無にかかわらず活躍できる機会・環境づくり
- 旧所属等に関係なく意見を出し合える組織風土づくり
CCBJIにおける障害者雇用の取り組み
CCBJIにおける障害者雇用推進に関する具体的な取り組みには、特例子会社の設置・パラアスリートなどの雇用、日本体育大学との協定、各種制度の導入・運用などがあります。
特例子会社の設置
CCBJIは障害特性に応じて社員が必要する配慮を提供し、全員が目標をもって生き生きと働けるようにすることを目指しています。そうした障害者雇用推進の一環として設立されたのが、福岡県にある「コカ・コーラ ボトラーズジャパンベネフィット株式会社」(CCBJB)。2019年に特例子会社の認定を受けました。
CCBJBで働く障害のある社員は、不動産の賃貸・売買・仲介および管理、保険代理業務、クリーニング、各種自動販売機・ショーケース・販売機材などの整備・修理・設置といった業務を担っています。
社員一人ひとりの多様性を尊重し、性別・年齢・障害の有無・国籍・性的指向等に関係なく全ての社員が能力を最大限に発揮できるようにすることで、「品格を備えたエクセレントカンパニー」として価値創造や競争力の向上を目指していくとしました。
パラアスリートなどの雇用、日体大と協定
また、CCBJIでは日本オリンピック委員会 「アスナビ」を通じ、複数のアスリートを社員として迎えています。「アスナビ」は、世界を目指すトップアスリートの就労によって選手の生活環境を安定させ、安心して競技を続けられるようにすることを目的とした、選手と企業のマッチング活動です。
2019年6月にはパラ陸上競技・やり投げで活躍する政成晴輝さんをアスリート社員として採用。政成氏は2018年の第23回関東パラ陸上競技選手権大会で当時日本記録を樹立する他、国際パラリンピック委員会陸上競技世界ランキング5位にもなった選手です。
同社は、これまでに高嶋活士さん(2017年6月)、鎮守美奈さん(2018年10月)、辻村真貴さん(2019年3月)も採用しています。
同社は、2019年11月に日本体育大学(日体大)と「障がい者支援に関する包括協定書」にも調印。日体大やその付属高等支援学校に在学するパラアスリート選手、デフアスリート選手、障害者の活動について、必要となるウェアやバッグ、タオルなどの物品支給、職場実習受入れ、卒業生の雇用など、多岐にわたる連携・協力を行うとしました。
この協定に基づき、2020年には髙居千紘さんを採用。デフ陸上・走り高跳びで活躍する選手です。
パラアスリートの採用は、アスリート活動を終えた後も社員として働く機会を提供するという前提で行われています。
障害者にとって重要な各種サポートや柔軟な勤務体制
CCBJIでは、従業員が安心して楽しく働けるよう、さまざまな制度の導入・運用も行ってきました。
それらの制度には、たとえば以下のものがあります。
- 休職期間中の給与補填(最大33か月)
- 職場復帰プログラムの運用
- 復職後の「時差勤務・時短勤務・通院用特別有給休暇付与」制度
- コアタイムのないスーパーフレックス制度の導入
- テレワーク勤務
- サテライトオフィス整備(全国104か所)
- 健康に関わる各種研修等の実施
治療と仕事の両立がしやすい柔軟な勤務を可能にするとともに、もし休職が必要になった場合でも安心して職場復帰できるようサポートしていく体制を整えています。
また、広報誌、社内イントラネット、SNSなどで、障害をもつ社員の活躍について積極的な発信も実施。障害の理解について社内研修を実施するとともに、障害をもつ社員ともたない社員が同じ新人社員研修に参加するなど、仲間としての一体感を醸成する取り組みを進めているとのことです。
コカ・コーラヨーロピアンパートナーズなどがThe Valuable 500に参加
世界に目を向けると、米国の「ザ コカ・コーラ カンパニー」や欧州の「コカ・コーラヨーロピアンパートナーズ」(CCEP)も障害者雇用に取り組んでいることが分かります。両者とも障害者の社会参加促進に賛同するThe Valuable 500に参加しています。
CCEPは2020年1月に参加を表明し、次のようなコミットメントを発表しました。
<CCEPのコミットメント>
- 今後もインクルージョン&ダイバーシティ戦略での優先事項とする
- 2025年までにビジネス障害フォーラムのゴールドスタンダードベンチマークを達成すべく取り組む
- 「Disablity Confident」(障害に自信を)スキームのレベル2に示される原則と具体例をより多くの分野に拡大し、レベル3を実現する
Disability Confidentとは、イギリスなどに見られる障害者雇用推進のための規定。レベル1〜レベル3があり、各レベルにおいて実践・達成すべきことが定められているものです。
Disability Confidentのレベル2は、障害者を実際に雇用し合理的配慮を提供していく段階。レベル3へ進むにはレベル2で求められるさまざまな条件に3年以上継続して取り組まなければなりません。
レベル3では、障害者雇用への継続的な取り組みが承認され、その活動について発信するとともに、職場における障害やメンタルヘルス、心身の豊かな生活(ウェルビーイング)の状況について報告することが求められています。
CCEPは、障害の有無に関係なく誰もが貢献できる包括的な環境づくりが私たちの将来には不可欠であるとし、同グループの「インクルージョン&ダイバーシティ戦略」の基盤を形成する優先事項として障害者雇用に取り組んでいます。
CCBJIの企業理念と事業内容
CCBJIは、社内のダイバーシティ&インクルージョンの醸成とともに、さまざまな社会貢献にも意欲的に取り組んできました。こうした積極的な姿勢は、同社の企業理念や事業内容からも伺えます。
企業理念
CCBJIが所属するコカ・コーラ ボトラーズジャパングループの企業理念は「Paint it RED! 未来を塗りかえろ」です。「ミッション」「ビジョン」「バリュー」で構成されています。
<CCBJI企業理念:Paint it RED! 未来を塗りかえろ。>
- ミッション
- すべての人にハッピーなひとときをお届けし、価値を創造します
- ビジョン
- すべてのお客さまから選ばれるパートナーであり続けます
- 持続可能な成長により、市場で勝ちます
- 常に学びながら成長します
- コカ・コーラに誇りを持ち、誰もが働きたいと思う職場をつくります
- バリュー
- 学ぶ向上心を忘れません
- 変化を恐れず機敏に行動します
- 結果を見据えて最後までやりきります
- 誠実と信頼に基づいた気高い志で行動します
【参考】
企業理念|コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社
事業内容
CCBJIの事業内容は、清涼飲料水の製造・加工・販売です。
製造・加工の様子は各地の工場で見学可能。2020年からの新型コロナウイルス感染症流行の影響により2021年4月現在は見学を休止していますが、公式サイトでバーチャル工場見学ができるようになっています。
また、多様な支援に対応した自動販売機の設置も有名でしょう。
災害時に飲料提供協力を行う自動販売機として2011年12月末時点で全国に6000台を設置。最近では指定商品の購入を通して東京2020オリンピック・パラリンピック日本代表選手団に寄付できるキャンペーン、売上の一部が障害者スポーツの団体などに寄付される自動販売機なども設置されています。
新型コロナウイルス感染症の流行以降は、医療施設や福祉施設などに対する飲料・エタノール製剤・再生ペット素材のフェイスシールド等の無償提供も積極的に実施。現場で働く多くの方から感謝の声が聞かれています。
【参考】
コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
バーチャル工場見学|CCBJI
The Valuable 500