2020/03/20
東京都・神奈川の障害者雇用支援一覧|奨励金・助成金・補助金
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障害者や病気のために就労が難しい労働者の雇用を促すため、国や独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下、機構)にはさまざまな助成金があります。また、都道府県の中には独自に助成金や奨励金、補助金を設置しているところもあります。障害者や難病患者等を雇用していきたい事業主は、地方公共団体の支援制度も積極的に検討してみましょう。
地方公共団体に独自の障害者雇用支援制度あり
障害者雇用に関わる助成金の申請や支給は、主にハローワークや労働局、機構が窓口になっていますが、都道府県が独自に支援制度を設けている場合もあります。どういった支援に力を入れるかや、どのくらい支援するかは各都道府県の状況によって異なります。
今回は東京都と神奈川県の障害者雇用支援として奨励金や助成金、補助金を見ていきましょう。
東京都の場合|奨励金・助成金
東京都の場合、障害者や難病患者等の雇用に関連した奨励金、補助金があります。
問い合わせ・申請窓口は、東京都産業労働局 雇用就業部 障害者雇用促進担当。申請にあたっては、必要な書類を持参するか郵送しましょう。
東京都障害者安定雇用奨励金
東京都障害者安定雇用奨励金の目的は、障害者の雇用の安定と処遇改善に取り組む企業を支援すること。正規や無期で採用する場合と、有期雇用を正規や無期の雇用に転換する場合とがあります。受給するには、さまざまな要件を満たさなければなりません。
主な要件は、以下の通りです。
- 対象障害者を週所定労働時間20時間以上の無期労働者として雇用している
- 雇入れ後6か月間の評価を行い、今後の育成方針を作成する
- 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コースまたは発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)の支給決定通知を受けている
- 当該障害者に適用される次のいずれか2つ以上の制度がある:昇給制度・賞与制度・通院有給休暇または病気有給休暇制度・テレワーク制度・フレックスタイム制度・通勤緩和制度・時間単位での年次有給休暇制度・永年勤続表彰制度
- 採用または転換後に当該障害者に支払われる賃金が、継続して常に最低賃金を5%以上上回る額である
申請期間は、当該労働者を採用・転換した日から6か月経過した日から2か月以内です。
対象障害者等を正規雇用や無期雇用で採用した場合
新しく対象障害者を正規や無期で採用した場合は、前項の要件を満たせば申請可能です。審査に通れば当該事業主には「雇入奨励金」が支給されます。
支給額は、中小企業の場合1人あたり最大180万円、大企業の場合は1人あたり最大150万円(いずれも精神障害者を雇い入れた場合で、人数に上限なし)です。
対象障害者等を有期雇用から正規雇用や無期雇用に転換した場合
対象障害者を正規や無期に転換した場合は、主な要件に加え、以下の受給要件を満たす必要があります。審査に通れば「転換奨励金」が支給されます。
- 有期雇用労働者を週所定労働時間20時間以上の無期雇用に転換した
- 当該障害者が、転換の日の前日から、当該事業主に雇用される期間が過去3年以内の有期契約労働者であり、転換日から6か月上継続して雇用されている労働者である
- 転換後の賃金が、転換前の賃金より5%昇給しているか、最低賃金を10%以上上回っている
支給額は、中小企業の場合1人あたり最大150真似ん、大企業の場合は1人あたり最大120万円(いずれも精神障害者を雇い入れた場合で、人数に制限なし)です。
東京都中小企業障害者雇用支援助成金
東京都中小企業障害者雇用支援助成金の目的は、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コースまたは発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)の助成期間が満了となる中小企業の障害者雇用を拡大し、職場定着を促進すること。
対象事業主となるのは、以下の要件を満たす事業主です。
- 東京都内に事業所がある中小企業の事業主
- 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コースまたは発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)を受給している(特例子会社を除く)
- 助成対象期間が満了となった後も引き続き当該障害者の雇用を継続する
- 相談員の巡回訪問・相談を受ける
- 過去5年間に労働関連法令、障害者虐待防止法、その他重大な法令違反等がない
対象障害者は、就労継続支援A型事業利用者ではなく東京都内の事業所に勤務している必要があります。
最大支給額は、重度身体障害者、重度知的障害者、45歳以上の身体障害者または知的障害者、精神障害者で週所定労働時間が30時間以上の場合、月額5万円×3年間です。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コースまたは発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)の助成対象期間満了前から満了後4か月以内に申請する必要があります。
東京都難病・がん患者就業支援奨励金
この奨励金の目的は、難病やがん患者の治療と仕事の両立を目指して積極的に取り組む企業を支援することです。採用した場合の書売れ金と、雇用を継続した場合の助成金の2種類があります。
共通の受給要件は以下の4つ。
- 東京都内に事業所がある
- 対象労働者が東京都内の事業所に勤務している
- 当該労働者の採用時または復職時に治療と仕事の両立に向けて当該労働者と話し合い、支援計画を策定する
- 支援計画に基づき、合理的な範囲内で必要な配慮を行い、6か月以上雇用を継続する
そして、申請方法に注意が必要です。まず、申請期間は対象労働者を雇い入れた日または職場復帰させた日の翌日から起算して2か月以内。最初に支援計画書を作成して担当窓口に郵送または持参し、その後、支給申請書・実績報告書を提出する必要があります。
採用奨励金の受給要件と最大支給額
採用奨励金に申請する場合、前項の要件に加え、難病やがん患者を週所定労働時間10時間以上で雇用する必要があります(就労継続支援A型事業利用者を除く)。
最大支給額は、雇入れ時の週所定労働時間が20時間以上の場合は、1人あたり60万円です。
雇用継続助成金の受給要件と最大支給額
雇用継続助成金は共通の要件に加え、週所定労働時間20時間以上で継続的に雇用されている労働者が、発症等により連続して2週間以上休職した後に復職するという条件を満たす場合に申請可能です。
最大支給額は、復職時の週所定労働時間が20時間以上の場合、1人あたり60万円です。
制度導入可算
採用奨励金または雇用継続助成金の申請と併せて、対象労働者の雇入れ時または復職時に治療と仕事の両立に配慮した制度を新しく導入すると、制度導入可算として追加で支給されます。支給額は1制度導入につき10万円で、最大30万円です。
神奈川県の場合|補助金
神奈川県では、精神障害者の就業を支援する補助金があります。窓口は、神奈川県産業労働局 労働部 雇用労政課 障害者雇用促進グループ。
ただし予算内での補助金なので、場合によっては支給されないこともあります。必ず申請前に窓口に問い合わせましょう。
申請期間は、申請時点で雇用している週所定労働時間20時間以上の精神障害者の雇用期間が、雇入れの日の翌日から起算して1年以内です。
神奈川県精神障害者職場指導員設置補助金
この補助金の目的は、精神障害者の雇用と職場定着に配慮して職場指導員を設置する中小企業を支援することです。
職場指導員に特別な資格は必要ありません。ただ、精神障害についてきちんと理解し、精神障害者が働きやすいような職場環境を整えるために中心的な役割を担える人である必要があります。
職場指導員の具体的な業務は、当該精神障害者にとって適切な業務の選定や能力の開発、障害特性に応じた施設・設備の改善、作業環境の整備、労働条件や職場の人間関係などについて、相談や指導を実施することです。
この補助金の対象事業主となるには、以下の要件を満たす必要があります。
- 主たる事業所(本社)が神奈川県内にある
- 常用雇用労働者が45.5人以上100人未満である(特例子会社を除く)
- 週所定労働時間が20時間以上の精神障害者が1人以上在籍しており、雇入れから1年未満である
- 職場指導員を設置している
- 小売業の場合、資本金額が5000万円以下である
なお、障害者雇用安定助成金(障害者職場定着コースおよび障害者職場適応援助コース)の助成対象となった精神障害者と職場指導員は、この補助金を受けられません。
支給期間は3年間で、1年目は月額3万円、2年目と3年目は月額2万円が支給されます。