インクルーシブなAI楽器はポーズや視線で演奏!—NECによる障害者の社会参加支援


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障害者雇用や障害者の社会参加支援に長らく取り組んできたNECが、誰でも演奏できるAI楽器を開発しました。体に麻痺があったり楽器演奏に苦手意識があったりしても演奏しやすいAI楽器です。一体どのような技術が使われているのでしょうか? NECによる障害者の社会参加支援とともにお伝えします。

持たずに演奏できるAI楽器「ANDCHESTRA(アンドケストラ)」

2020年3月、NECが「世界ゆるミュージック協会」とともにAI楽器を開発したと発表しました。「ANDCHESTRA VIOLIN(アンドケストラ バイオリン)」と「ANDCHESTRA TRUMPET(アンドケストラ トランペット)」です。

ANDCHESTRAは、ORCHESTRA(オーケストラ)の頭2文字である「OR」を「AND」に変えた造語。簡単な動作で障害の有無や年齢にかかわらず誰もが演奏できるインクルーシブなAI楽器を使ったオーケストラを意味します。

ANDCHESTRAの楽器は、楽器の演奏経験がない人や演奏に苦手意識をもつ人でも演奏できるのが特徴です。

その仕組みは、視線やポーズによる音の定義とNECの「姿勢推定技術」および「遠隔視線推定技術」を組み合わせるというもの。ANDCHESTRA VIOLINでは姿勢推定技術で人の姿勢をとらえ、腕の上げ方や曲げ方でドラミファソラシドを、ANDCHESTRA TRUMPETでは遠隔視線推定技術で人の視線をとらえてドレミファソラシを奏でられます。


出典:AIで、あなたをミュージシャンに!視線やポーズで演奏する楽器”ANDCHESTRA”|NEC

開発にはNECのAI技術者はもとより、車椅子のシンガーソングライター、脳性麻痺がある一方で抜群の聴力・記憶力をもつ小学生音楽コンシェルジュ、パラスポーツのメダリストが参加しました。

2020年12月13日に開催された「パラ大学祭」では、大学生たちがパラスポーツをとおして交流するとともに、展示されたANDCHESTRAの楽器に挑戦。会場を楽しませたとのことです。

【参考】
NEC、最先端のAIを活用したインクルーシブな楽器を開発 視線や姿勢で奏でる楽器で「ANDCHESTRA」に挑戦!~人と協調するAIで”不可能”を”可能”に~|NEC
AIで、あなたをミュージシャンに!視線やポーズで演奏する楽器”ANDCHESTRA”|NEC
パラ大学祭 公式サイト

2020年1月にV500に参加、NECのコミットメントは?

ANDCHESTRAを開発したNECは、2020年1月に障害者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」(以下、V500)に加盟しています。

NECがV500で表明した主なコミットメントは、次の3つです。

<NECの主なコミットメント>

  • 「NECグループダイバーシティ推進会議」を2018年に発足させ、多様性を受け入れ、活かすための議論を行ってきました。障がいある従業員がその能力を発揮しやすい環境づくりを行います。
  • 障がいある方が安全・安心・効率・公平の実現により豊かな社会生活を送ることができるよう、事業活動を通じた障がい者支援を行います。
  • 20年以上にわたる車いすテニスの支援実績をいかし、パラスポーツを取り巻く環境の課題に着目してきました。今後もパラスポーツの支援を通じて社会に貢献していきます。

出典:NEC、「The Valuable 500」に加盟|日本電気株式会社

以下では、この中で障害者雇用に関わるNECの取り組みを中心に見ていきましょう。

NECにおける障害者雇用の取り組み

NECでは、「できることは自分で、できないことは助け合って」という考え方を基本に、障害者雇用推進に長く取り組んできました。企業風土の醸成、採用と現場での定着支援、グループ全体での取り組みなど、さまざまなレベルで実施されているのが特徴です。

40年以上前から続く職場環境づくり

NECは40年以上前から、障害のある従業員も能力を発揮できる職場環境づくりに取り組んでいます。

特に企業風土の醸成にあたっては、従業員それぞれの多様性を尊重し、受け入れ、活かし合っていくことを重視。従業員のもつ多様な価値観や視点を知ってお互いに尊重、共感できるカルチャーや、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)への正しい理解とマネジメントに注力し、公平な雇用とキャリアの機会を提供することを目指してきました。

こうしたインクルージョン&ダイバーシティ推進の取り組みの結果、NECの単独障害者雇用率は2.37%、国内の連結障害者雇用率は2.27%となっています。

【参考】
サステナビリティレポート2021|NEC

NECでの基本的な考え方

NECがダイバーシティ&インクルージョンに取り組むのは、それによって組織として新たなインプットが得られ企業として挑戦や成長ができる、新しい発想やイノベーションの創出につながるという考えが基盤にあります。

また、「できることは自分で、できないことは助け合って」という考え方も基本姿勢の1つ。採用活動にも大いに反映され、採用基準、募集職種、採用枠、入社後の処遇、キャリアアップなどについて障害の有無による区別を行っていません。

しかし同時に、「できないことは助け合って」という部分に対応し、採用選考のバリアフリー化も進めています。

たとえば、障害者の採用にあたっては「障害者採用窓口」を設置して選考。Zoomを使って一人ひとりに合理的配慮などの取り組みを説明するとともに、入社前には内定者とともに配属先の職場や日常でよく利用する場所のバリアフリー状況を確認しています。

2022年度新卒採用者向けにはオンラインセミナーも開催しました。NECで働くイメージをもってもらうため、入社後の業務内容や支援内容、NECグループの事業内容を説明するとともに、障害をもちながら働く先輩社員との懇親会も実施したとのことです。

公式サイトには、障害をもちながら働く先輩社員の声も掲載。体幹機能障害をもつながらクラウドやAIなどの専門技術を扱う部署の主任として働く方は、手を挙げればさまざまなことに挑戦できる、さまざまな人が働ける仕事があると語っています。

もう1人の先輩社員、聴覚障害をもつ人材開発部インクルージョン&ダイバーシティチーム所属の方は、NECは採用面接時にどの会社よりも柔軟に対応をしていたこと、職場内でも音声認識アプリや筆談を用いて業務を行っていることを紹介。「どういった配慮があれば、何ができるのか」を自分で理解して相手に伝えることが重要だと強調しました。

【参考】
障がい者採用|NEC
先輩社員からのメッセージ|NEC

組織全体で取り組む障害者雇用

NECでは、組織全体で障害者雇用に取り組み、人事担当部署の中にインクルージョン&ダイバーシティに取り組む専門部署を設置しています。

最初に人事担当部署の中にダイバーシティ推進グループを設置したのは2013年のこと。2015年からは聴覚障害がある従業員を対象とした勉強会を開催し、NECについての知識を深めたり、働き方の中で工夫・対策できる点の話し合いや共有を行ったりしてきました。

特に2020年度のコロナ禍では、テレワーク前提の働き方に向けてオンライン会議やディスカッションでどのような工夫・対策ができるのか意見交換を実施。実際にオンラインコミュニケーションツールを活用したスキル向上勉強会も開催されています。

2018年には、NECグループ各社のダイバーシティ担当者で構成される「NECグループダイバーシティ推進会議」も発足。グループ各社に対して施策を展開する他、好事例の共有も行いながら障害者雇用を進めてきました。

続く2019年は、人材組織開発部内にインクルージョン&ダイバーシティチームを新設。社内の関係部門と連携しながら、女性の登用・活躍推進、性的マイノリティに対する理解・支援・諸施策の実施、外国籍の従業員やキャリア採用者の定着支援とともに、障害者の雇用促進に取り組んでいます。

NECグループの特例子会社「フレンドリースタフ株式会社」

NECグループは特例子会社「フレンドリースタフ株式会社」も設置しています。NECの府中事業所に本社を置き、田町事業所、玉川事業所、我孫子事業所でも活躍。知的障害者や精神障害者を中心に雇用を推進。2021年6月1日時点で133人が働いています。

フレンドリースタフの従業員が担当するのは、清掃や営業関係書類の電子化などです。また、テレワークでの働き方に変化してきたことから、オンライン研修の立ち上げサポート、在宅勤務の従業員宛の文書メールを確認し連絡する業務、各種発送業務なども手がけています。


出典:NECフレンドリースタフ ご参考:書類の電子化作業の流れ

NECの業務の効率化とともに、コンプライアンス面の管理強化にも貢献する会社です。

NECの価値観と主な事業

日本電気株式会社が設立されたのは1899年。NECの技術力は日本の歴史や今の生活とも深く結びついています。NECグループの価値観や事業内容を概観しましょう。

「NEC Way」と4つの構成要素


出典:NEC 統合レポート 2020

NECはグループ共通の価値観・行動の原点として「NEC Way」を定めています。NEC Wayを構成するのは、

  • Purpose(存在意義)
  • Principles(行動原則)
  • Code of Values(行動基準)
  • Code of Conduct(行動規範)

の4つです。

Purposeでは「安全・安心・公平・効率」という社会価値を創造するとともに、「誰もが人間性を十分に発揮できる」社会の実現を目指し、Principleでは創業の精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」および常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重などを規定。

Code of Conductでも、人種、信条、年齢、社会的身分、門地、国籍、民族、宗教、性別、性的指向・性自認、および障害の有無などを理由とした差別行為や、いじめ、ハラスメント、児童労働、強制労働など、個人の尊厳を損なう行為を禁止しています。

NECの主な事業

日本電気株式会社設立以来、NECは1958年の国産初のトランジスタ式電子計算機の完成、1964年の東京オリンピック国際衛星中継、1970年の日本初の人工衛星「おおすみ」に携わるなど、歴史的にも大きな実績を残してきました。

現在NECが手がける事業は、「社会基盤事業」「ネットワークサービス事業」「エンタープライズ事業」「グローバル事業」「社会公共事業」など。連結子会社数は50か国以上、合計300拠点にのぼります。


*2 2020年3月期実績
出典:NEC 統合レポート 2020

<NECの主な事業内容>

事業名 内容
社会公共事業 地方公共団体、医療機関、電力会社などに向けて、ITシステムやネットワークシステムなどを提供
社会基盤事業 政府、官公庁や放送局などに向けて、大規模ミッションクリティカルシステムやネットワークシステムといった社会インフラを提供
エンタープライズ事業 製造業、流通・サービス業、金融業などに向けてITソリューションを提供、バリューチェーン全体で新たな価値を生み出す
ネットワークサービス事業 国内通信事業者向けに、ネットワーク構築に必要な機器や運用管理の基盤システム、運用サービスなどを提供
グローバル事業 海外市場を対象に、生体認証ソリューション、サービスプロバイダ向けソフトウェア・サービス、大型蓄電システムなどを提供。AI、IoT関連の先端技術を活用して社会課題の解決に貢献

特にNECの生体認証技術は世界トップクラス。「顔認証」「指紋認証」「虹彩認証」では世界No.1を誇っています。

【参考】
事業内容|NEC
NEC 統合レポート 2020

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