2022/01/06
京王プラザホテルのD&I、補助犬専用トイレも—京王グループの障害者社会参加
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世界からお客さまをお迎えしている新宿の京王プラザホテル。1971年の創業から50年という歴史の中で、障害をもつお客さまが快適に滞在できるようさまざまな取り組みを行ってきました。その中から、障害をもつ方への配慮に関わる3つの「業界初」をご紹介します。
もくじ
京王プラザホテルが平成30年度「心のバリアフリー」サポート企業認定
京王プラザホテルは、1971年に西新宿に創業したホテルです。2021年6月に創業50周年を迎え、世界中のビジネスパーソンや旅行者に利用されてきました。国賓や多くのVIPをもてなすなど信頼も厚く、国際会議などのメイン会場にもなっています。
社会におけるこうした位置づけの中で、京王プラザホテルは障害のあるお客さまも快適に利用できるよう、さまざまな取り組みを進めてきました。
たとえば、本館30階には車椅子利用者だけでなく目や耳に障害のあるお客さまでも利用しやすい設備を整えた「ユニバーサルルーム」を設置。ドアチャイムの音や電話等の着信、緊急時の放送などの表示、視覚障害があっても分かりやすいカーペットの配色、手で触れて分かる浮きだし文字の部屋番号といった工夫があります。
出典:ジュニアスイート(ユニバーサルタイプ)|京王プラザホテル
身体障害者の補助犬の受け入れも、全館で積極的に実施。障害の知識やサポート方法を学ぶ研修などにも参加し、ハード・ソフト共に取り組みを進めています。
京王プラザホテルの取り組みは外部からも評価され、2018年度には東京都「心のバリアフリー」サポート認定企業に認定されました。
業界初・補助犬専用トイレの設置(2007年)
障害のある方の社会参加に関する京王プラザホテルの取り組みには、業界初となったものが複数あります。
最初にご紹介する「業界初」は、補助犬専用トイレ。盲導犬、介助犬、聴導犬といった補助犬のユーザーであるホテル利用者なら誰でも使える設備で、2007年から設置しています。
トイレ内は車椅子でも出入りがしやすく、補助犬の足にもやさしい素材を使った人工芝を採用。視覚障害者のための点字ブロックもあります。排泄用の場所は一段高いところに設置され、車椅子利用者でも後片付けがしやすいようにしました。
外出先で安心して補助犬に排泄させられる場所として、大きく評価されている設備です。
業界初・タブレット端末によるコミュニケーション・サービス導入(2016年)
京王プラザホテルの2つめの「業界初」は、タブレット端末によるコミュニケーション・サービスの導入です。端末では「UDトーク」「音声自動変換システム」「遠隔手話通訳サービス」の利用が可能。ホテルでの手続きや問合せなどで活用される他、ホテル内であればお客さま同士のコミュニケーションにも使えます。
「UDトーク」は、会話を見える化するためのアプリです。音声認識を使って文字化したり、文字化したものにフリガナをつけたり、多言語の翻訳をしたりできます。1対1の会話から多人数での会話まで対応できるのも大きな特徴。障害者雇用に関わる施設や企業では会議やセミナー等での情報保障手段として広く活用されている有名なアプリの1つといえるでしょう。
車椅子への対応やペンと紙などを用いた筆談での案内を実施しているホテルは多くありますが、ICTを用いたコミュニケーション・サービスの導入まで進んでいるところは、まだ少ないもの。京王プラザホテルは、ホテル業界で障害者雇用に取り組む企業で活用される「UDトーク」や「音声支援変換システム」などのICTによる情報保障を実施する先駆け的存在です。
日本のホテル初・The Valuable 500に参加(2019年)
近年の京王プラザホテルの取り組みで日本のホテル初となったのは、障害者の社会・ビジネス・経済における潜在的な価値を発揮できるよう改革に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」への参加です。
The valuable 500に参加するには企業規模と取り組みの表明などいくつかの条件があります。京王プラザホテルは、2019年12月に参加を表明しました。
The Valuable 500でのコミットメント
The Valuable 500への参加にあたって京王プラザホテルが発表したコミットメント(取り組み)は、次のとおりです。
- 障害の有無に関わらず幅広いお客様が安全で快適にホテル滞在を楽しめる環境整備に努めます。
- 一人ひとりのお客様の心に寄り添うサービスや適切なご提案ができるよう、従業員の心のバリアフリーを推進します。
- バリアフリーやユニバーサルデザインをテーマとした社内横断チームの活動を継続します。
- 障害の有無に関わらず多様な人材が活躍できる職場作りを推進します。
- 広報活動を通じ、京王プラザホテルの取り組みを社内外に積極的に発信します。
出典:日本のホテルとして初めて「The Valuable 500」に加盟|京王プラザホテル
ホテルのお客さまに対しては、快適なホテル滞在ができる環境整備と心のバリアフリーを推進。特にハード面・ソフト面の両方でユニバーサル対応を進めるために発足した社内横断プロジェクト「バーズアイ」は、部門や年齢・性別を超えて社員が参加する組織として注目されています。
バーズアイのメンバーは、毎年公募で決まった20名。障害への理解やパラスポーツの体験、補助犬養成施設の実地見学・体験、バリアフリーに関する勉強などを通して企業風土の醸成やレベルアップを図る役割を担ってきました。
ホテル内では、障害の有無に関わらずさまざまな従業員が活躍できる職場作りを行うとしています。障害をもつ方の中には、ホテル従業員として働く客室清掃などの他、グループの特例子会社で業務を行う方も。全社員を対象とした対策では、メンタルヘルス対策が行われています。
京王グループ特例子会社「株式会社 京王シンシアスタッフ」
京王グループの障害者雇用における主な取り組みとしては、特例子会社である「株式会社 京王シンシアスタッフ」があります。
京王シンシアスタッフは、2004年に設立された東京都多摩市にある会社。知的障害者を中心に雇用し、2021年5月16日時点で128名が働いています。
京王シンシアスタッフが担うのは、京王線・井の頭線沿線を中心とした京王グループ各社の清掃・シーツ交換・軽作業・名刺製作といった業務です。「人に誠実、仕事に誠実、自分に誠実」を理念とし、真面目な仕事ぶりで評価されてきました。
京王シンシアスタッフでは、チーム制で各職場を巡回し、作業を行うのが基本スタイル。指導員であるスタッフリーダーは、従業員を信頼して待つ、個性や特性による長所を伸ばして意欲を評価する、時間がかかってもきれいに仕上げる、従業員と一緒に汗を流すといった姿勢で共に働いています。
障害をもつ方がチャレンジできる環境をつくるため、時にローテーションを変えるなどの工夫が見られるのも特徴です。
また、親会社である京王電鉄が広い地域をカバーしているという利点も活用。多摩地域沿線の各市と神奈川県横浜市・川崎市にある多数の就労支援センターとも連携するといった外部による支援体制を整え、職場実習生も積極的に受け入れてきました。
京王プラザホテルの行動指針と主な事業
他のホテルがまだ取り組んでいないことでも積極的に開発・参加する姿勢の土台には、京王プラザホテルが大切にしている「プラザ(広場)」という考え方があります。
「プラザ(広場)」と行動指針
京王プラザホテルは、“人の和をつなぐ「広場」になる”ことを掲げ、高品質のサービス・商品を提供するとともに、社会全体から信頼され、従業員一人ひとりにとって働きやすい企業であることを大切にしてきました。
ホテルの名称の一部となっている「プラザ(広場)」は特別な広場です。「人のぬくもりがあり、ふれあいがあり、ドラマがあり、そこで思い出が生まれ、文化の発展にも寄与できる、そんな場でありたい」というこころざしを表現しています。
21世紀においてもいい企業であり続けることを目的に2000年に「行動の指針」を制定し、「プラザ」を主軸として4つの指針を掲げました。
<京王プラザホテルの行動の指針 -Moralcode->
- 私たちはプラザ(広場)を演出します。〜京王プラザホテルのサービス・商品〜
- 私たちはプラザ(広場)を創ります。〜京王プラザホテルの考える取引〜
- 私たちはプラザ(広場)を育みます。〜京王プラザホテルと社会の関わり〜
- 私たちはプラザ(広場)です。〜京王プラザホテルスタッフの行動〜
1つめの指針は、お客さまが過ごしやすいよう、ソフト・ハードの両面で高品質な商品・企画提案を行うこと、快適・安全・衛生的なプラザを提供することを定めています。
2つめは、お客さまや取引パートナーとの間で発生する取引に関する指針。公正なルールと適正価格、プライバシーを守ること、委託先が提供する商品に責任をもつこと、法律・契約を遵守すること、経済的利益の供与・受領をしないこと、情報管理を厳正に行うことなどです。
3つめは、社会から信頼される存在であるために、経営の透明性、社会貢献、環境に優しい経営、反社会的団体に対する確固とした対決姿勢を規定。
4つめの指針では、従業員それぞれがプラザの代表としての自覚をもち、職場環境づくりやスタッフ一人ひとりを尊重することを定めています。
主な事業
京王プラザホテルが手がける主な事業は、国際観光ホテル整備法に基づくホテル事業です。
国外から訪れるお客さまへのサービス・商品を提供することも多く、レストランの経営、会議・宴会・ウエディングといった各種イベントの企画提案と当日のオペレーション及びサービスなども行っています。
外出自粛と飲食店でのアルコール類提供の自粛下ではスイートルームで希少性の高いジャパニーズウイスキーを味わう宿泊プランを提供。また、50周年を記念して開業以来初めてホテルオリジナルのシャンパンを開発するなど、新商品・新サービスにも意欲的です。
障害のある方でも移動しやすくコミュニケーション支援も受けやすい京王プラザホテル。障害のある方にとって、安心してサポートを求めながら楽しく滞在できるホテルの1つといえるでしょう。
【参考】
CSR 社会貢献|京王プラザホテル
京王プラザホテルフィーチャー100 〜おもてなしの裏側にある、ちょっといい話〜
日本のホテルとして初めて「The Valuable 500 」に加盟|京王プラザホテル
株式会社京王シンシアスタッフ
“誠実”な社員による、“誠実”な仕事により、信頼される“誠実”な会社を目指す|障害者雇用事例リファレンスサービス
