サンアンドホープの“手作業”製造「令和7年度障害者雇用優良事業所」厚生労働大臣賞受賞企業紹介【後編】


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2025年9月、東京都の丸ビルホールにて「令和7年度障害者雇用優良事業所等表彰」が行われました。「障害者雇用優良事業所」として厚生労働大臣賞を受賞したのは7社。取り組み紹介の後編は、株式会社サンアンドホープの “手作業”にこだわる製造工程と職場での支援についてお届けします。

株式会社サンアンドホープの事業と特徴


画像提供:株式会社サンアンドホープ(PR TIMES)

株式会社サンアンドホープ(以下、サンアンドホープ)は、株式会社welzoのグループ企業である、第3セクター方式の重度障害者多数雇用企業です。ハローワークや特別支援学校を通じて障害者を雇用してきました。

同社の事業は、農業・園芸関連の製品製造。家庭用からプロ用まで、肥料を中心に1,000種類を超える商品を製造・販売しています。ホームセンターなどのOEM・ODMも製造しています。

1997年の創業から28年間掲げてきた使命は、障害者の就労場所の確保と社会参加・経済的自立の支援。同業他社が工場内のオートメーション化を前提に事業を進める中、サンアンドホープではあえて“手作業”中心の業務を続けてきました。手作業には、多品種小ロットへの対応が可能というメリットがあり、雇用創出とともに他社との差別化にもつながるからです。

製造業における障害者雇用モデルを確立

サンアンドホープ障害者雇用のまとめ図。詳細は本文。

サンアンドホープは、外部評価でも複数の受賞・認定があります。例えば、2018年度には障害者雇用優良事業所として独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)理事長賞を受賞。2023年6月には、障害者雇用に関する優良中小事業主を対象とする「もにす認定制度」での認定も受けました。

今回の厚生労働大臣賞受賞で評価されたポイントは、製造業における障害者雇用モデルの確立への貢献です。具体的には、

  • 作業工程の工夫とバリアフリー環境の整備
  • 地域の学校や支援機関と連携したキャリア支援・研修制度
  • 長期的な雇用定着率の向上

などとなっています。

作業工程の工夫やバリアフリー環境の整備

まず、働きやすい職場づくりとして実施されている作業工程の工夫では、わかりやすいマニュアルの作成と根気強いサポートを続ける風土が醸成されています。

マニュアルは文字による説明だけでなく、イラストや写真も使用した直感的に把握できる構成。作業手順の理解しやすさなども意識されています。

障害特性に対応したバリアフリー設備とともに、社員同士のコミュニケーションでバリアフリーが意識されている点も特徴。障害の有無にかかわらず、業務中も休憩中もコミュニケーションを大切にしてきました。

配属にあたっては、一人ひとりの得意分野と業務のマッチングが欠かせません。得意分野に合った業務を担当することが職場での活躍につながるからです。商品製造の工程には、原料の配合、袋詰め、パッキング、フォークリフトの運転といった業務があります。こうした業務から社員一人ひとりの能力が活きる業務を選定し、資格取得やスキルアップも支援してきました。

地域学校や支援機関と連携したキャリア支援・研修制度

同社では、障害のある人の就労支援も実施しています。対象者は、特別支援学校の生徒や障害者施設などの利用者です。

具体的な支援内容は、自社の工場見学の受け入れと就業体験。実際に働く現場を見学し、梱包作業やシール貼りなどの業務を体験することで、就職希望者が「働くイメージ」を具体的に持ちやすくなります。同時に、現場でどのようなサポートを受けられるかも体験できます。

見学や業務体験で本人にとっての課題が見つかれば、その後の学校や施設などでの訓練課題として取り組むモチベーションにもなるでしょう。

サンアンドホープに限らず、障害者雇用に積極的な企業では、こうした見学や就労体験(実習)の受け入れにも積極的に応じる姿が見られます。

長期的な定着率の向上

そして、サンアンドホープのもう1つの大きな特徴が定着率の高さです。

2025年6月時点での障害のある社員の数は27名。そのうち9割以上が勤続年数10年以上となっています。定着率の高さは、70%超という障害者雇用率の高さにも表れています。

わかりやすいマニュアルや社員同士のバリアのないコミュニケーション、現場での継続的なサポートなどが、こうした定着率の高さを実現しました。

2022年からはインターンシップ制度も実施

クラフトシリーズの袋にラベルを貼る手元
画像提供:株式会社サンアンドホープ(PR TIMES)

障害者が働く職場で大切なポイントの実例を示したサンアンドホープ。従来の工場見学や就労体験機会の提供に加え、近年はインターンシップ制度(就労体験実習)も導入しました。障害のある人が入社後も安心して働くための仕組みです。

現在、民間企業の障害者法定雇用率は2.5%。全国で約68万人の障害のある方が働いていますが、「働きたくても働けない」という方も多くいます。サンアンドホープをはじめとする障害者雇用のノウハウを蓄積している企業の施策は、多くの企業にとって“次の一歩”を踏み出すヒントとなるでしょう。

当マガジンでご紹介している障害者雇用事例やJEEDによる好事例集、データベースなども、ぜひご活用ください。

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【参考】
株式会社サンアンドホープ 公式サイト
令和7年度「障害者雇用優良事業所等の厚生労働大臣表彰」受賞者決定 9月9日に都内で表彰式を開催します|厚生労働省

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