2021/06/01
アビリンピック過去問題|第18回東京(2019)ワード・プロセッサと表計算
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障害者雇用や特例子会社の業務として多く見られる事務代行。文書作成、データ入力、データ処理といった業務に必須のWordとExcelを使う種目は、アビリンピック競技でも選手数が多いことで知られています。
東京アビリンピックの種目「ワード・プロセッサ」と「表計算」は全国大会よりも基本スキルを重視する内容。「これからスキルを高めていきたい」という方にとっても良い目標になるでしょう。
「ワード・プロセッサ」の競技概要と使用されたOS・ソフト
東京アビリンピック競技種目「ワード・プロセッサ」は、MicrosoftのWordを用いた文書作成スキルを競う種目です。
競技本番では3つの課題が課され、作成した文書を印刷したものを対象に採点が行われます。そのため、入力の速さや正確さだけでなく、印刷したときの体裁にも配慮しながら作成しなければなりません。
身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。
2019年度の東京大会では、
- OS:Microsoft Windows 8.1
- ソフト:Microsoft Office Word 2016
が使用されました。
「ワード・プロセッサ」の制限時間と課題の概要
2019年度東京大会の「ワード・プロセッサ」では前大会と同様に次の3つの課題が出されています。
- 作表
- 書簡文作成
- 文章入力
全国大会のような英文競技はなく、和文の文書を作成する基本的なスキルを問う内容です。
制限時間
東京アビリンピック「ワード・プロセッサ」の制限時間は、合計で90分。この時間内に、作表・書簡文作成・文章入力を行います。
「作表」の課題概要
「作表」では、見本通りに表を含んだ文書を作成します。見本は、罫線を含むA4判縦長に印刷された横書きの文書です。
今大会では、マラソン大会の大会要領やコースに関する情報を2つの表を使って作成する内容が出題されました。
<作表で求められた操作>
- ページ設定
- 余白:上・下・左・右それぞれ20mm
- 1行の文字数:48字
- ヘッダーの設定
- 見本に従い、受験番号と氏名を入力
- 表題の作成・設定
- ワードアートで作成し、見本により近いものになるよう設定
- 表の作成(2つ)
- 12行2列の表の作成・テキストの中央揃え・罫線・文字色・セルの背景色等の設定
- 20行4列の表の作成・テキストの中央揃え・罫線・文字色・セルの背景色等の設定
- その他
- 見本通りのフォント・文字色・文字背景色の設定や図形の挿入等
「書簡文作成」の課題概要
「書簡文作成」では、図形や画像を用いて見本通りの文書を作成します。見本は、「作表」と同様にA4判縦長に印刷された文書です。
今回の文書の内容は、沖縄へのツアー企画の紹介と参加者募集というものでした。
<書簡文作成で求められた操作>
- ページ設定
- 余白:上・下・左・右それぞれ20mm
- 1行の文字数:45字
- ヘッダーの設定
- 見本に従い、受験番号と氏名を入力
- 文書の一部に段組みを設定
- 3段組みに設定し、段組みの間に境界線を引く
- 画像の挿入
- 見本に従い、複数の画像を挿入・配置
- 図形の挿入
- 見本に従い、図形を挿入
- 見本に従い、図形の書式を設定
- 図形を組み合わせて簡単なマップ(集合場所)を作成
- その他
- 表の作成・設定
- ページ罫線の設定
- 見本通りのフォント・文字色・文字背景色の設定や図形の設定等
- ワードアートやスマートアートの挿入・設定
「文章入力」の課題概要
文章入力では、1300字程度の象徴の文章を入力する課題が出されました。
解答ファイルには1行40字×33行の設定で入力していきますが、入力用文章が印刷された問題文は1行43字で作成されています。1行当たりの文字数が異なりますので、抜け漏れがないように気をつけましょう。記号や数字等も見本となる文章の通りに入力します。
「表計算」の競技概要と使用されたOS・ソフト
東京アビリンピックの競技種目「表計算」は、MicrosoftのExcelを用いるスキルを競う種目。ピボットテーブルの作成・編集や条件付き書式の設定、関数設定、データ処理、グラフ作成などが出題されます。
身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。
前大会で出題されたマクロ作成課題は、今大会では出題されませんでした。
使用されたソフトは次の2つです。
- OS:Microsoft Windows 10
- ソフト:Microsoft Excel 2016
「表計算」の制限時間と課題概要
「表計算」競技には
- ピボットテーブル・編集
- 関数式による表の完成
- データ処理
- グラフ作成
の4つの課題があります。制限時間内に4つ全ての課題をこなせればいいので、取り組む順番は自由です。
Excelの操作スキルだけでなく時間配分も重要なポイント。自分の得意な分野の課題から取り組み、難しい課題により多くの時間をかけられるよう調整する練習が必要です。
制限時間
今大会の「表計算」の制限時間は85分でした。
前大会より課題が減ったため、制限時間も5分短く設定されています。
「ピボットテーブル・編集」課題の概要
「ピボットテーブル・編集」は、提供されたExcelファイルとそのデータを使って、ピボットテーブルを作成し、書式設定をするという課題です。前大会とほぼ同内容で出題されました。
<「ピボットテーブル・編集」で要求される操作>
- ピボットテーブルの作成
- 指定の行ラベル・列ラベル・Σ値でピボットテーブルを作成
- 指定の位置に作成する
- テーブルの編集
- ピボットテーブルを別のシートに列幅を保持して貼り付ける
- 行ラベルを変更する
- 書式を貼り付ける
- テキストを均等割り付けにする
- 数値データを桁区切りスタイルに変更する
- 条件付き書式を設定する
- 罫線を設定する
- 列幅を調整する
- 図形を使って表題を作成する
「関数式による表の完成」課題の概要
「関数式による表の完成」は、提供されたExcelファイルとそのデータを使って、プルダウンリストを作成した上で、料金を計算するという課題です。
こちらも、前大会とほぼ同じくレンタル用品の料金計算が出題されました。
<「関数式による表の完成」で要求される操作>
- 名前の定義
- 指定のセルの範囲に名前をつける(3箇所)
- プルダウンリストを一括設定する
- レンタル料金一覧表を完成させる
- 提供されるレンタル希望一覧表をもとに、プルダウンリストから各項目を選択する
- レンタル料を金額*個数として記入する
- 総合計金額を算出する(消費税は10%で設定)
「データ処理」課題の概要
「データ処理」課題では、与えられたデータから条件にあったデータを抽出して並べ替えなどの内容が出題されます。
本課題も前回大会とほぼ同内容で、100件の図書のレコードから指定条件にあったデータを抽出したり条件付き書式を設定したりする課題内容でした。
<「データ処理」で要求される操作>
- データの抽出と並べ替え
- 別のシートのデータを指定条件に従って抽出する
- 図書の貸し出し件数が多い順に並び替える
- 条件付き書式の設定
- 図書内容紹介に指定の文字列を含み、図書の発行日が指定の年以降のものの背景色を黄色系にする
- 図書名に指定の文字列を含み、貸出件数が指定件数以上のものの背景色を水色系にする
- 著者名が指定の人物(文字列)であるものの背景色を橙色系にする
「グラフ作成」課題の概要
「グラフ作成」では、与えられたデータをもとに指定されたグラフを作成し設定を編集します。
前大会では集合縦棒のグラフが課されましたが、今大会ではドーナッツグラフを出題。グラフにするデータの内容は飲料の販売数で、対象、種類、サイズ別の販売数を比較するために作成されるという設定です。
<「グラフ作成」で要求される操作>
- グラフの作成
- ドーナッツグラフの作成
- グラフの設定
- グラフエリア
- 枠線の設定
- 影の設定
- 領域に 画像ファイルの挿入
- グラフタイトル
- 指定のセルとリンクさせて表示
- 枠線の設定
- 影の設定
- 領域の色の設定
- フォントの選定
- 凡例の設定
- 枠線の設定
- 領域の色の設定
- 位置の設定
- データラベルおよびデータ系列の設定
- データラベルの表示とフォント設定
- データ系列の塗りつぶし設定、グラフ基本位置の設定、ドーナツの穴の大きさの変更
- 図形の挿入と設定(2箇所)
- 吹き出し(折れ線)の挿入と設定、フォント設定
- 印刷に関するページ設定
- 印刷範囲の設定(A4判1枚に印刷できるようにする)
- 余白:上下左右2cm
- ページ中央に配置
- ヘッダーの設定
- フッターの設定
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