2023/02/24
アビリンピック過去問題|第19回東京(2020)DTP
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2020年度の東京アビリンピックは、コロナ禍の影響で本大会中止となりました。一方、競技会自体は「第41回全国障害者技能競技大会出場候補選手選考会」として開催。チラシやポスター制作を行う競技「DTP」も実施されました。今回の作品テーマは、「東京水辺のナイトクルーズによる東京の魅力再発見」です。
東京アビリンピック競技種目「DTP」と持ち込める物
アビリンピック競技種目「DTP」は、チラシやポスター制作に必要な印刷・デザイン・関連ソフトに関する知識・技能を競う種目です。毎回与えられるテーマに基づき、競技本番で提供される画像やテキストなどのデータを用いて制作します。
チラシやポスターのデザインを考える必要があるため、競技当日は筆記用具や色鉛筆などを持ち込めます。
<競技本番で持ち込めるもの>
- 鉛筆・色鉛筆
- 定規
- カラーマーカー
- 電卓
ただし、事前に考えたレイアウトのメモやデータそのもの、参考書などは持ち込めません。使用する画像やテキストの条件を守り、よりテーマに合った魅力的な作品になるよう制作を進めましょう。
今大会の受賞者は、金賞1名、銀賞1名、銅賞1名、努力賞1名の計4名でした。
2020年度大会のテーマと競技で使われたOS・ソフト
2020年度東京大会における「DTP」の課題は、「東京水辺のナイトクルーズによる東京の魅力再発見」をテーマとするチラシ制作です。
今回は、地域活性化のため東京水辺のクルーズ推進協議会とコラボレーションを行うという設定。その中で、東京水辺のスポット紹介フォトコンテストを行うことになっています。そうしたフォトコンテストがあることを知らせ、作品を募集するために、チラシを制作せよという課題です。
サイズや形式などが指定される一方で、デザインは各選手に任されています。いかに目的に沿った魅力的なチラシに仕上げられるかが大きな評価ポイントです。
チラシ制作にあたっては、以下のハード・OS・ソフト・フォントで行うことが求められました。
- Windows PC (OS: Windows 8.1)
- Adobe Photoshop CC
- Adobe Illustrator CC
- 使用フォント:Windows搭載フォント・Illustratorバンドルフォント
大会当日の制限時間と支給材料
「DTP」の制限時間には、作品完成の目安とするべき「標準時間」と、完成していなくても作業をやめなければならない「打ち切り時間」の2種類があります。時間内に仕上げられるよう、作業工程や時間の管理も含めて練習しておきましょう。
制限時間
2020年度東京大会での標準時間と打ち切り時間は前年と同様でした。
- 標準時間 1時間45分
- 打ち切り時間 2時間
決して多くの時間があるわけではありません。事前に公開される課題に基づいて調査をしたり大まかなレイアウトを考えたりなど、できる限りの準備をしておくことが重要です。
当日の支給材料
大会当日、制作のために支給される材料には、カラープリント用の用紙、ラフ用紙、課題データ一式があります。
<大会当日の支給材料>
支給されるもの | 詳細 |
カラープリント用の用紙 | 3枚
(プリンタにセット済み) |
課題データ一式 | デスクトップ上のフォルダに配置済み
– 写真データ(解像度72dpi/RGB-JPG)7点 – テキストデータ(txtファイル・Wordファイル) – イラスト5点 – シンボルマークの図案1点 |
下書き(ラフ)用紙 | 3枚 |
課題データの使い方には条件がありますので、よく確認しながら利用しましょう。
課題制作に関する条件等
「DTP」における作品制作で提示される条件には、作品全体の形式に関わるものと、データの扱い方に関わるものがあります。いずれも条件に従っていない部分は減点対象となりますので、制作を進める中で必ずチェックを行いましょう。
<制作条件>
- 仕上がり寸法 A4サイズ、縦・横自由
- 色数 4色(CMYK)片面
- 画像解像度 300dpi
- トンボ 裁ち落とし 3mm
- プリンタ出力サイズ A3
<画像の使用に関する条件>
- 写真は提供される写真素材の中から使用する(使用点数自由)
- トリミング・拡大・縮小、その他加工は自由
- 変倍は不可
- RGBをCMYKに変換してから配置する
- 原寸以上で使用する場合は画像の劣化に注意する
- 低解像度の効果を表現する場合は効果的に使用する
- 画像処理効果(カラーバランス、フィルタ処理、変形等)は必要であれば使用可
- イラスト
- 支給されるイラスト使用の有無は自由
- イメージイラストの制作は自由(持ち込みは不可)
- イラストの配置等は自由
- シンボルマーク
- 図案をもとにIllustratorでトレースして保存する
- トレースしたシンボルマークをチラシに使用する
- 配置はイベント趣旨と意図を踏まえて行う
<テキストの使用に関する条件>
- テキストは支給データにあるものを使用する
- 囲み罫、配色、大きさ、書体、効果などは自由
- 作品内に効果的に配置する
- txtファイルとWordファイルがあるので、使いやすい方を利用する
以上の条件に基づき制作を行ったら、指定された提出データ形式で保存し、テストプリントを行いましょう。
<提出データの形式>
- Adobe PDF形式 高解像度PDF(PDF/X-4形式)
テストプリントは2回まで可能です。テストプリントの時点で完成した場合は、それを最終作品として提出することもできます。
なお、競技終了が近づくにつれて他の多くの選手もプリンターを使い始めます。混雑して時間切れになるとテストプリントができないかもしれません。テストプリントで仕上がりをチェックできるよう、余裕をもって作業を進めましょう。
今大会はシンボルマークのトレースあり
テーマに基づき魅力的なポスターやチラシを制作するという課題内容は例年と同じでした。しかし、今大会ではシンボルマークの図案をIllustratorでトレースするという新たな工程が指定され、Photoshopだけでなく、Illustratorの操作スキルも求められる内容となっています。
全国アビリンピックの「DTP」では、シンボルマーク制作も出題されます。東京大会の課題も、全国大会レベルに近づけているようです。
練習を行う際は、東京大会の課題とともに、ぜひ全国大会の課題もチェックしておきましょう。