障害者雇用と働き方改革は同じ根っこの問題


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みなさん、こんにちは。

最近、障害者の就労についてはこの話題で持ち切りです。

障害者雇用水増し3460人 国の機関の8割、雇用率半減 

中央省庁が雇用する障害者数を水増ししていた問題で、厚生労働省は28日、各省庁を再点検した結果、計3460人分が国のガイドラインに反して不正に算入されていたと発表した。障害者数の約半分が水増しだったことになる。雇用の旗振り役である中央省庁自らが数値を偽っていたことになり、制度の信頼が大きく揺らいでいる。

水増しは内閣府や総務省、国土交通省など全体の約8割にあたる27の機関で発覚した。法務省や財務省、外務省、気象庁、公正取引委員会などでも見つかった。実際の雇用率は大きく減少し、公表していた2.49%から1.19%に落ち込む。

障害者数が最も減るのは国税庁で1000人超のマイナスになる。雇用率が0%台なのは総務省や法務省、文部科学省など計18機関になった。

というわけで今回はこの話題を中心に障害者雇用のあり方を考えてみましょう。

当然ウソをついてはいけません。

障害者雇用促進法に基づき公的機関や民間企業に一定の障害者雇用が要求されています。

詳しくは、この記事もご参照ください。

法律で決まっている話ですので、法律を執行する行政機関がこの有り体では困ってしまうわけです。

なぜこのようなことが起こったのか、そして再発防止をどうするのかということは国会を中心に解明されるでしょうから、それを待ちましょう。

何にせよウソをつくのはいけません。

議論を矮小化するのはいけません。

しかし、この話を役人けしからん的な議論で終わらせることには反対です。

元官僚の方のコメントなどを見ていると障害者雇用をするには「仕事が専門的すぎる」「仕事量が多すぎる」などの言い訳が聞こえてきます。

だから仕方がない、ではいつまで経っても障害者雇用が進まないわけです。

働き方改革が進まないことと根っこは一緒?

さて、視点を少し変えて、現在政府は「働き方改革」の旗を振っています。

多様な働き方、ワークライフバランスを考えた働き方を目指そうという改革であり、総論において反対する人はいないでしょう。

しかし、各論になると働き方改革も進まない、

経営者いわく

「人手不足などもあり、一人あたりの仕事量が多い」

「仕事を複数人で分担することは難しく、時短勤務の人などは雇えない」

などなど言い訳が聞こえてくるわけです。

そして、これは上で述べた元官僚の方がいうところの障害者雇用が難しい理由とおおむね符合します。

要は一人あたりの適正な仕事量を模索し、いろいろな働き方が許容される社会であれば、働き方改革も実現できるでしょうし、同時に理想的な障害者雇用も実現できるはずです。

企業は障害者雇用をどう設計すべきか

以上を受けて、企業は障害者雇用をどう設計すべきか。あまりに大きなテーマですので、考え方の糸口だけでも示してみます。

まず、業務を洗い出す必要があります。

企業の各セクション(製造、サービス提供、総務、経理、人事などなど、企業によっていろいろあるでしょう)でどのような業務があるのか洗い出しましょう。

例えば、総務であれば、株主総会対応、社内規定の整備、社内備品の購入、外注業務における業者の選定、郵便物の発送、郵便物の仕分けなどなど。

専門性が高く、有資格者しか対応できない業務もあれば、比較的汎用的な業務でマニュアル化に馴染みやすいものまでいろいろな業務があると思います。

そして、更にこれらの業務を細分化してみましょう。

郵便物の発送であれば、

  • 郵送物の作成
  • 郵送物の印刷
  • 郵送物のチェック
  • 宛名の入力
  • 宛名の確認(場合によっては住所録のアップデート)
  • 切手の貼付
  • 郵便局への持ち込み

といった感じです。

それぞれをマニュアル化し、細分化された業務を適した人に割り当てていきましょう。

適切な量の業務を、いろいろな働き方をする人、いろいろな障害をお持ちの方に割り当てることができるのではないでしょうか?

もちろん、最初の業務の分析→マニュアル化→従業員への割り当てという業務が増えて大変という指摘はあるかもしれませんが、この作業によって働き方の多様化、いろいろな人材の活用が可能となるはずです。

これからやってくる少子高齢化を考えてもいろいろな人材の活用は不可欠でしょう。

ぜひ、障害者雇用だけではなく、いろいろな人材の多様な働き方を実現するという観点で業務の洗い出しをしてみてください。

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資格試験予備校での講師・教材制作、IT企業での管理部門を経て、就労移行支援事業所「ルミノーゾ町田」施設長。採用を経験していることから、採用者に刺さる履歴書や面接の指導を得意とする。また、集合研修の講師等を現在も行っており、分かりやすい・実戦的な指導を得意とする。

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