2022/05/12
【障害者の在宅ワーク】ライティング・イラスト制作【職域と事例】
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IT系の在宅ワークにはWebサイトの制作とともに、Webコンテンツの制作も多く見られます。具体的な業務でいえば、サイトに掲載する文章を書く「ライティング」やロゴ・アイコン、イラスト等を作成する「イラスト制作」など。必要な知識やツール、業務管理の方法を実際の事例とともにご紹介します。
「ライティング」「イラスト制作」で得意分野を生かす
在宅ワークがしやすいIT系業務には、データベースやプログラミング、Webサイトの制作や保守などがあります。いずれも高いレベルの専門的な知識やスキルが求められる業務です。
その中で、Webサイトに関連する業務として「ライティング」や「イラスト制作」があることも忘れてはいけません。
ライティングでは、サイトに掲載するさまざまな文章を作成します。プロジェクトによっては冊子やチラシに載せる文章を書くこともあるでしょう。
- 企業サイト等で企業の情報や商品の特徴を書く
- プレスリリースを書く
- 経験してきた内容をコラムで書く
- これまでの職務経験や資格取得で得た知識などを元に記事を書く
- 取材をして書く
など、さまざまなスタイルやジャンルの文章があることが特徴です。
同様に、イラスト制作でも
- デザインを基本とするロゴやアイコンを作る
- 商品画像をイラストにする
- キャラクターを作る
- Webサイトのコラムなどに掲載するイラストや漫画を描く
- LINEスタンプを作成する
- 商品パッケージやグッズに利用するイラストを描く
- 冊子やチラシ等で親しみやすさや分かりやすさにつながる挿絵を描く
といったように、非常に多様な業務が見られます。
ライティングもイラスト制作も、1人が全てのジャンルを担うというよりも、それぞれの得意分野を生かして業務を担当しながらチームとして業務を進めていくイメージです。
必要な知識・スキル・ツール
ライティングやイラスト制作には、それぞれ基本となる知識・スキルや多くの企業で使われている標準的なツールがあります。
ライティング業務に必要な知識・ツール
ライティング業務では、執筆する内容に関する知識とともに、「読みやすい」「分かりやすい」文章を書くスキルが求められます。大まかにいえば、文法力と語彙力です。
文法力とは、たとえば「てにをは」の使い方が適切である、主語と述語にねじれがないなどのこと。語彙力とは、分かりやすい表現に適した言葉選びができる、差別用語や不快感を与える言葉を使わないといったことです。
リサーチや取材をもとに文章を書く場合は、資料や取材相手の言葉をより正確に理解できる読解力も必要になるでしょう。
さらに、Webサイト用の文章では、検索エンジンでヒットしやすいようSEO(検索エンジン最適化)を意識しなければなりません。ライティングの部分では、検索されやすいキーワードを中心に書く(タイトルや見出しに設定する)、情報の出典元を記載するなどの対策が可能です。
ライティングに必要なツールについては、あまり多くありません。最低限必要なのは、Microsoft OfficeのWordやExcelと、Webサイトを閲覧するためのブラウザです。
納品の方法やファイルの共有方法によっては、Googleアカウント、Google Chrome、テキストエディタ、クラウドストレージサービスへの登録などが必要な場合もあります。
イラスト制作に必要な知識・ツール
イラスト制作業務では、求められる内容や雰囲気を表現する描画力が必要となります。
デザインの要素が大きいイラスト制作には、アイコンや解説等に用いるシンプルなイラストの制作があります。一方、商品等のアピールや読者をひきつけるなら、魅力的なキャラクターやイラスト、漫画などの制作が求められるでしょう。
イラストの制作にあたっては、画像サイズや解像度、納品ファイルの形式(拡張子の指定など)、レイヤーのフォルダ分け、カラーモードなど、さまざまな指定に沿って業務が進められます。そのため、発注企業や在宅ワーカーは、これらの言葉が何を意味しているのか、具体的にどうすればよいのかを知っておかなければなりません。
イラスト制作の代表的なツールは、Adobe社のPhotoshopとIllustratorです。Photoshopは細かいイラストの制作や写真・イラストの加工・調整に、Illustratorはアイコンやシンプルなイラストの制作に多く使われます。また、漫画制作を行う場合は専用機能を多く備えたセルシスのClip Studio Paintが人気です。
ライティング・イラスト制作の在宅ワーク事例と業務管理
では、実際に在宅ワークでライティングやイラスト制作業務を進めている企業の業務内容や業務管理の方法を見ていきましょう。
UTハートフル株式会社の取り組み
UTハートフル株式会社は、UTグループの特例子会社。手がけている業務に、ブログ記事の作成、イラストやポスターの制作などがあります。
UTハートフルでは、就労を希望する障害者を積極的に雇用し、通勤が困難な重度障害者の在宅雇用を行っています。特に在宅ワークに注力しているのが、千葉市川オフィスと船橋オフィス。2016年の時点での在宅勤務者数は70名以上です。
退職の申し出がない限りは定年となる60歳まで契約を自動更新するシステムがあり、さらに役職名をつけずに呼ぶ風通しのよさで、社員の定着率は98%となりました。
在宅ワークに必要な機器を会社から貸与するとともに、Web会議を使ったコミュニケーション体制の整備が特徴です。
<UTハートフルでの業務管理>
雇用形態
勤務時間 |
契約社員(60歳定年制の自動更新)
週30時間勤務(勤務日時は調整可能) |
環境整備 |
|
業務管理 | Web会議システムに常時接続
|
Web会議システム内に設けられた「何でも相談室」では、障害者生活相談員の資格をもつ精神障害者が親身になって対応しています。
【参考】
UTハートフル株式会社 公式サイト
UTハートフル株式会社(平成28年登録)|チャレンジホームオフィス
社会福祉法人 東京コロニーの「es-team(エス・チーム)」の取り組み
社会福祉法人 東京コロニーが運営する「es-team」は、障害をもつ人々の登録制在宅就労グループです。同グループではフリーランス、就労継続支援A型事業の在宅利用、就労継続支援B型事業の在宅利用といった形で在宅ワークを実施しています。
在宅ワーカーが担う業務は、Webサイトの企画制作・運営、紙媒体の告知物等の企画・制作・印刷、ノベルティ制作、編集・執筆など。受発注の窓口は、東京コロニーの東京都葛飾福祉工場です。
es-teamでは、「コーディネータ」が営業や業務管理、在宅ワーカーの健康状態の把握、スケジュール管理等を担っています。
<es-teamでの業務管理>
就労形態 |
|
研修等 |
|
業務管理 | es-teamコーディネータによる業務管理
コミュニケーション
|
【参考】
社会福祉法人 東京コロニー 公式サイト
es-team 公式サイト
スキルアップとともにコミュニケーションも大切に
在宅ワークでライティングやイラスト制作を実施する際は、制作に直接関わる専門知識やスキル以外に、求められる文章やイラストの要件をきちんと把握したり相談したりできるスキルも欠かせません。
そのためには、
- 誰を対象とするのか
- 何を伝えたい(アピールしたい)のか
- どのような場面で読まれる・見られるのか
- どのような雰囲気(文体・絵のテイスト)にするのか
- 読みやすさ・見やすさの点でどんな工夫が必要か
といったことを発注元やプロジェクトチームのリーダーと共有できるコミュニケーション体制を整える必要があるでしょう。
同時に、制作する中で「ここはどうすればいいのかな?」と迷う部分がある場合などに、発注元やリーダーに質問・相談できるよう、基本のあいさつ、メールやメッセージの書き方、ミーティングでの発言の仕方といった部分でのスキルアップも求められます。
専門スキルとビジネスの基本スキルの習得、コミュニケーション体制の整備が進めば、在宅ワークでのライティングやイラスト制作がよりスムーズになるでしょう。
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