2022/04/05
【障害者の在宅ワーク】業務管理に使えるツール3選
本ページはプロモーションが含まれています
在宅ワークの悩みの1つは、仕事とプライベートのメリハリをつけにくく仕事の生産性が落ちてしまう場合があること。効率的に在宅ワークを進めるには、業務管理が重要です。業務管理のポイントと便利なツールをご紹介します。
在宅ワークだからこそ業務管理が大切
障害をもちながら働く方にとってさまざまなメリットがある在宅ワーク。しかし、自宅での仕事だと同僚や上司が近くにいないため「ついだらけてしまう」「仕事の質が低下してしまう」「納期に間に合わない」といった課題も聞かれます。
在宅ワークで生産性や品質を維持・向上させるには、個々の在宅ワークを行う方に丸投げにするのではなく、何らかの形でしっかりした業務管理を行うことが大切です。
どのようなスケジュールで在宅ワークをするのか、品質のチェックはどのような体制で行うのか、業務上の疑問点や相談はどのような仕方でやればいいのかといったことを決めておくだけでも、プライベートと仕事のメリハリをつけて業務を進められるでしょう。
「在宅ワークなんて無理だ」と感じたときこそ、もう一度、業務管理を見直してみてください。
業務管理とは
業務管理の見直しにあたって、「そもそも業務管理とは何をすることなのか」を押さえておくことは、とても重要です。
業務管理をする目的は、ある特定の業務が効率的に進められるようにすること。誰に割り振り、どのような業務の流れで進めるのが効率的なのかをシステムとして作り上げ、定期的に見直すことで生産性や品質の改善を図っていきます。
効果的に業務管理を行うには、次のポイントを意識するとよいでしょう。
<業務管理のポイント>
- 全体の業務量と完遂するのに必要な時間
- ある在宅ワーカーが担う業務量と、業務にかかる時間
- 各在宅ワーカーの勤務スケジュール
- 各在宅ワーカーの勤務状況(勤怠・稼働時間等)
- プロジェクト全体の進捗状況
- 課題が発生した際の対応方法(体調不良等の急な欠勤に伴うタスクの割り振り等)
- 顧客管理(顧客の名称・所在地・連絡先・ミーティングの日程・議事録等)
- 発注・受注・売上等の情報
こうしたポイントをまとめて押さえるには、表計算ソフトで独自に進捗管理シート、タスク管理シートを作成しつつメール等で報告・連絡・相談をその都度行う、データベースソフトを用いて情報管理を行うなどの方法があります。
一方、各在宅ワーカーが自前でそうしたフォーマットを作成したりメールや電話のみで連絡を取り合っていたりすると、「あの話はどのメールだったかな」「ファイルに情報を入力し忘れた」等の取りこぼしが発生しやすいという難点があるので要注意。こうした業務管理上の課題を解消・軽減するためにも、業務管理に適したツールを活用しつつ抜け漏れを減らしましょう。
業務管理に使えるツール3選
在宅ワークに使える業務管理ツールには多くの種類があります。今回は、障害者の在宅ワークのために独自開発されたツール1つと、一般企業等でもよく使われている大手ツール2つをご紹介します。
※各ツールの最新情報は公式サイトをご確認ください。
在宅就労支援事業団「在宅就労管理システム」
障害をもつ方の在宅ワークに特化して独自に開発された管理システムとして、特定非営利活動法人である在宅就業支援団体による「在宅就労管理システム」があります。
在宅就労支援事業団は、在宅での就労移行支援事業や就労継続B型事業所の運営を手がける法人。自宅にパソコンとインターネット回線が利用できる環境をもつ障害者に対して研修等を行うとともに、在宅就業支援団体として企業から業務を請け負い、実際に業務を遂行する在宅ワーカーとの間に立ってさまざまな管理や調整、支払等を行っています。
「在宅就労管理システム」活用のメリットの1つは、クラウドシステムで簡単に導入できること。他にも、以下のような特徴があります。
<在宅就労管理システムの特徴>
- 管理者等から参加者全員への一斉通知ができる
- 支援員とのチャットで質問・相談ができる
- 訓練・作業に関する参考外部リンクの表示
- ログイン状況の記録(開始時刻・終了時刻)
- 連絡要求ボタン
- 作業日報の作成
- 遠隔サポート機能
- ログ管理画面(日時・画像・対応状況・コメント・マウスやキーボードの反応の有無等)
全体としてシンプルな見た目と操作性が魅力で、複雑な操作が難しい方にも使いやすい設計となっています。公式ページでは動画やスクリーンショット等が掲載されていますので、ぜひご覧ください。
在宅就労管理システムについて詳細を知りたい場合は、公式ページ記載の電話番号またはFAXから問合せ可能です。
【参考】
在宅就労管理システム|在宅就労支援事業団
Googleの多彩なサービスと連携「Google Workspace」
「Google Workspace」は、GoogleカレンダーやGmail、Google Meetなど、業務管理に必要なさまざまなツールを連携させて利用できるグループウェアです。高度なセキュリティと99.9%の稼働率が保証されており、一般企業でも広く利用されています。
大きな特徴は、Google WorkspaceのデータがすべてGoogleのサーバーに安全に保存されること。万が一在宅ワーカーのパソコンが壊れても、業務に使うデータがクラウド上に保存されているのでデータを失うことがありません。
Google Workspaceで利用できるサービスは、12種類あります。
<Google Workspaceで利用できる12のサービス>
- Gmail(メールサービス+サーバー機能)
- Googleカレンダー(社内やグループでのスケジュール共有)
- Googleドライブ(あらゆる形式のファイル保管、共有)
- Googleキープ(メモ・リスト作成アプリ)
- Googleドキュメント(ワープロアプリ)
- Googleスプレッドシート(表計算アプリ)
- Googleスライド(プレゼンテーションアプリ)
- Googleフォーム(アンケート等のフォーム作成アプリ)
- Googleチャット(1対1チャット、グループチャット)
- Google Meet(最大100ユーザーまで参加できるビデオチャット)
- Googleサイト(社内ポータルサイト、プロジェクトサイト等の作成)
- Google管理コンソール(ユーザーアカウントやアプリケーションの管理)
こうした中心的なアプリの他にも、60を超えるGoogleのサービスを利用できます。
具体的には、以下のような利用方法が考えられます。
<Google Workspaceを活用した業務管理>
メール | 作業内容や研修等の指示・通知 |
カレンダー | 研修・会議・面談・休暇・納期等の共有 |
ドライブ | マニュアルや作業ファイルの共有・納品物の格納、日報の提出 |
キープ | TODOリスト作成、作業手順のメモ作成等 |
ドキュメント | 各種書類・作業ファイルの作成・更新 |
スプレッドシート | 各種書類・作業ファイルの作成・更新、データ分析 |
スライド | マニュアル作成、作業ファイルの作成・更新 |
フォーム | 業務日報の作成、ヘルスチェック、面談日程調査等 |
チャット | 業務上の質問・相談、健康管理相談など |
Meet | Web会議システムによる会議・面談・朝礼等の実施 |
サイト | プロジェクトごとの進捗確認、共有事項の掲載・確認等 |
料金プランは
- Business Starter(1ユーザーあたり月額680円)
- Business Standard(1ユーザーあたり月額1360円)
- Business Plus(1ユーザーあたり月額2040円)
- Enterprise(要問合せ)
の4種類です。
プランによって保存容量やMeetへの参加可能ユーザー数、共有ドライブの有無等が異なるので、人数や保存容量などに合わせて選ぶとよいでしょう。
ビジネスのスタンダード「Microsoft365」
出典:Microsoft 365 の紹介|Microsoft
一般企業における業務管理に広く用いられているのが「Microsoft 365」です。
一般法人向けのプランでは、Mcrosoftが提供するさまざまなアプリケーションが使えるとともに、コミュニケーションツールでもあるTeams、文書共有システムであるSharePointなども使えます。また、一部のプランでは法人メールも利用可能です。
<Microsoft 365で利用できるサービス>
※Business Standardの場合
- Microsoft OneDrive(文書の保管・共有)
- Microsoft Outlook(メール・スケジュール管理等)
- Microsoft Word(ワープロアプリ)
- Microsoft Excel(表計算アプリ)
- Microsoft PowerPoint(プレゼンテーションアプリ)
- Microsoft Publisher(簡易DTPアプリ)※Windows PCのみ
- Microsoft Access(データベースアプリ)※Windows PCのみ
- Microsoft Teams(チャット、Web会議システム)
- Microsoft Exchange(法人メール・予定表)
業務管理での主な利用方法は、概ねGoogle Workspaceと同様と考えてよいでしょう。カレンダーやタスク管理機能はOutlookで利用できます。体調管理や業務日報等はワープロアプリや表計算アプリで文書を作成・編集することもできますし、Accessでデータベースを作成して入力・管理していくこともできます。
大企業を除く一般企業向けプランは、
- Business Basic(1ユーザーあたり月額540円)
- Business Standard(1ユーザーあたり月額1360円)
- Business Premium(1ユーザーあたり月額2180円)
- Microsoft 365 Apps(1ユーザーあたり月額900円)
の4プランです。
ただし、Basicはデスクトップアプリなし、AppsはWordなどの基本のデスクトップアプリとOneDriveのみの提供となるため、デスクトップアプリを使いながらファイル共有をしたい場合はStandardまたはPremiumでの契約が必要です。
【参考】
Microsoft 365 一般法人向け|Microsoft
事業の規模・内容にあった業務管理ツールで効率アップ
どの業務管理ツールを利用するかは、事業の規模、プロジェクトの内容、どのような業務管理が必要かなどで異なります。
勤怠管理と研修や業務連絡が中心なら在宅就労支援事業団の「在宅就労管理システム」が役立つでしょうし、ワープロや表計算ソフト、Web会議システムとの連携が重要ならGoogle WokspaceやMicrosoft 365が便利でしょう。
まずは業務管理のポイントを確認しつつ各項目の状況を洗い出し、それぞれの確認・管理をどのようにして行うのかを考えてみてください。
今回ご紹介した3つのツール以外にも、日本で開発されたさまざまな業務管理ツールがあります。いろいろ試しながら、事業やプロジェクトに合ったツールを探してみてください。