2021/10/26
アビリンピック過去問題|全国大会第39回(2019)家具と木工
本ページはプロモーションが含まれています
木材を使用して作品製作を行うアビリンピック競技種目「家具」と「木工」。2019年全国アビリンピックでは、いずれも昨年とほぼ同じ内容での出題です。ただ、「木工」では支給材料の個数に制限がつき、よりミスのない作業が求められました。
競技種目「家具」の課題内容
アビリンピック競技種目「家具」では、「花台」の原寸図作成と製作を行います。身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能。2019年全国大会には4名の選手が参加しました。
「家具」では、原寸図を作成した後、手工具や木工機械を使って制限時間内に作品を完成させなければなりません。製作する花台の仕様は例年と同じ内容です。原寸図作成は2017年大会から課題内容に追加されました。
製作にあたって特に注意が必要なのは花台の脚部。正面から見ると左右対称、側面から見ると左右非対象の形になります。歪み・ねじれがないように仕上げる必要があります。
「家具」における課題は「2級家具製作(家具手加工作業)」と同じくらいの難易度です。
「家具」における変更点
2019年全国大会の「家具」では、競技会場に準備してあるものに若干の変更がありました。
変更点 | 2018年全国大会 | 2019年全国大会 |
会場に準備されているもの
「ウエス」の枚数 |
全体で1束 | 競技者1名につき1枚 |
「家具」の作品製作に直接関係する変更は、主に2018年全国大会で行われています。具体的には、以下の点が変更されました。
- ほぞ穴加工には、角のみ盤を使用しても良い
- ほぞの加工は手加工に限る
- 前脚のほぞ穴加工に角のみ盤を使用する場合は、治具を使用する(治具は選手が持参)
また、選手が持参するものについても、2018年大会から以下の3つが変更・追加されています。
- 斜め定規が自由定規に変更
- 留定規(150-200mm)を追加
- 直角木口台(300mm×300mm程度)を追加
「家具」の競技時間と評価ポイント
「家具」はアビリンピック競技種目の中でも競技時間が長い種目の1つ。5時間半〜6時間という長さです。
<「家具」の競技時間>
- 標準時間 5時間半
- 打ち切り 6時間
- 2019年大会での実施時間 9:00-16:00
作品は、標準時間内に完成させるのが目標です。標準時間を過ぎると減点されてしまいます。
また、作業に適した服装で安全に進めることも大切。作業態度が危険と判断されると、これも減点対象となります。安全、正確、迅速に作業を進めることが高評価のポイントです。
採点に関わる具体的な評価ポイントとして、以下の点にも気をつけましょう。
<アビリンピック競技種目「家具」の評価ポイント>
- 板と板を正確に接合する
- 角材と角材を正確に接合する
- 左右の脚が対称に組み上げられている
- ケガをせず、安全に作業ができている
- 時間内に完成し、見栄えよく仕上がっている
花台の形状や製作上の仕様、各種注意事項等は、以下の関連記事もご覧ください。
(関連記事)
アビリンピック過去問題|第37回全国(2017)家具と木工
アビリンピック過去問題|全国大会第38回(2018)家具と木工
また、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の全国アビリンピック公式ページでは、過去課題の図面などを見ることができます。
競技種目「木工」の課題内容と2019年全国大会での変更点
アビリンピック競技種目「木工」の課題内容も毎年同じ内容で出題されています。課題は、「蓋付き小箱」の製作です。知的障害者のみが参加できる種目で、2019年全国大会には11名の選手が出場しました。
「木工」では、課題にある指示に従って墨付け・加工・組立を行います。支給された材料を自分で加工する必要があるため、正確な寸法で加工できるかどうかがポイントです。
2019年全国大会では、製作にあたり3つの追加・変更が見られました。
変更点 | 2018年大会 | 2019年大会 |
注意事項
材料の交換 |
制限の記載なし | 「2枚(2本)まで」 |
仕様
蓋の組み立て |
記載なし | 「平紐を使用して行うこと」 |
会場に準備してあるもの
クランプ |
L型クランプ | F型クランプ |
「木工」の競技時間と評価ポイント
「木工」もアビリンピック競技としては競技時間が長い種目です。
<「木工」の競技時間>
- 標準時間 5時間
- 打ち切り時間 6時間
- 2019年大会での実施時間 9:00-16:00
「家具」と同じく、標準時間を超えると減点対象となり、6時間の時点で打ち切りとなります。
「木工」では主に以下の4つが評価のポイントです。
<アビリンピック競技種目「木工」の評価ポイント>
- 高い加工精度
- 仕口などの出来映え
- ケガをせず、安全に作業ができている
- 時間内に作品が完成し、美しく仕上がっている
のこぎりなどの道具を基本に忠実に使って加工を行う他、道具の手入れ、刃の調整を必ず行うことが大切。課題の練習を行う際は、刃の調整も忘れずに行いましょう。
「家具」同様、以下の関連記事で製作上の注意点などを紹介しています。
(関連記事)
アビリンピック過去問題|第37回全国(2017)家具と木工
アビリンピック過去問題|全国大会第38回(2018)家具と木工
「木工」も、全国アビリンピックの公式ページで過去課題の図面を見られます。
【参考】
過去3年の技能競技課題(参考資料)|独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構