2021/06/24
アビリンピック過去問題|第18回東京(2019)ホームページ
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今や日常生活の一部として当たり前に活用されているウェブサイト。アビリンピック競技種目「ホームページ」は、ホームページ全体のデザインや素材の準備からコードの記述まで、サイト制作に関わるさまざまな技術が問われる種目です。
2019年度東京アビリンピックでは、「IOT・5G」を活用した高齢化社会における課題解決をテーマとするホームページの制作が求められました。
競技種目「ホームページ」の概要と評価ポイント
アビリンピック競技種目「ホームページ」は、ウェブサイト制作スキルを競う種目です。テーマに合ったサイトデザインや具体的なコンテンツを考えるとともに、高齢者や障害者でも閲覧・選択しやすいよう、アクセシビリティに配慮して制作することも求められます。課題には、大会前に取り組む事前課題と、大会当日に取り組む当日課題があります。
身体障害者・知的障害者・精神障害者が参加可能です。
当日課題は、事前課題で作成した作品に修正・改善・追加を施すという内容。具体的な内容は当日にならないと分かりません。ただ、事前課題の中に当日課題の例が提示されています。当日の競技時間は短めですので、事前準備をしっかりと行いましょう。
作品に対する評価は、原則として大会当日に作成されたものが対象。事前に用意された素材などは評価対象ではありません。評価ポイントと配点は、以下の通りです。
<「ホームページ」の評価ポイントと配点>
- 技術力(アクセシビリティを含む) 50点
- 芸術性 30点
- 独創性 20点
「ホームページ」競技全体の流れ
事前課題への取り組みは必須であるとともに、事前にどれだけテーマについて調査し、当日課題に向けた準備ができるかが作品の質に大きく影響します。そのため、「ホームページ」競技全体の流れを確認することが重要です。
事前課題制作から当日課題の提出までの流れは、概ね以下のようになります。
<競技全体の流れ>
- 大会前
- 事前課題に取り組み、サンプルコンテンツを制作する
- 事前課題の作品を事前課題提出用CD/DVDに保存する
- 当日に使うツールや素材を別のCD/DVDに入れる(1枚のみ)
- 大会当日
- 事前課題作品のCD/DVDとツール・素材を入れたCD/DVDを持参する
- 競技開始前に機器等の動作確認を行う
- 競技会場で説明と当日課題の配付を受ける
- 「始め」の合図で競技開始
- 事前課題の作品をPCにコピーする
- 必要に応じて用意した素材をPCにコピーする
- 当日課題に取り組む
- 「やめ」の合図で競技終了
- 当日の作品と事前課題の作品を指定の方法で提出する
「ホームページ」の事前課題
2019年度大会での事前課題は、「IOT・5G」を活用した高齢化社会における課題解決をテーマとしたホームページ(サンプルコンテンツ)を作成すること。以下の架空設定に基づき、仕様等に従ったホームページを作成し、CD/DVDに保存しましょう。
<制作すべき作品の架空設定>
- 選手が所属する企業で、人生100年時代に向けて「IOT・5G」のプロジェクトに取り組む
- 同プロジェクトで、“企業と社会課題の解決”をテーマとしたサイトを立ち上げる
- メインテーマ:『高齢者や障害者を含むすべての人が社会とつながり、安心して暮らせる社会の実現に向けたソリューションの創出を目指す』
- テーマ内容:
- 高齢化社会における「IOT・5G」を使って社会課題を解決できないか?
- 解決すべき具体的な課題や必要なソリューションの計画は?
- 社会課題:「高齢者の単独世帯化」「介護需給のギャップ」など
<事前課題におけるホームページの構成>
- 「トップページ」(index.html)※phpでも可:
- 国の施策を紹介
- 全国各地で取り組んでいる「IOTと5G」のトピックを紹介
- 「IOT・5Gで健康と福祉」:(以下2項目を画像で見やすく閲覧・選択できるよう配置)
- “高齢者の単独世帯化がどのように解決できるのか?”
- “どんな介護需給のギャップが解決できるのか?”
- 「作品紹介」:
- どのような考えで本作品を作成したか説明
<事前課題作品の仕様等>
- ソースコードを見やすく記述する
- 選手が自分の力で今回のために新たに作成する
- 動画・画像・音楽・文章等はオリジナルのものを使い、他人の知的財産権を侵害しない
- JavaScript、PHP、SQLは使用可
- XAMPPなどの開発も可
- Flashは使用不可
- 市販のホームページ作成専用ソフトの使用は不可
- 障害のある方でも閲覧できるようアクセシビリティに配慮する
「ホームページ」大会当日の制限時間と課題の概要
大会当日は、事前に作成したサンプルコンテンツに修正・改善・追加等を行った新バージョンのホームページを作成します。
事前課題には当日課題の例も提示されていますので、課題例のどれが出題されても大丈夫なように、しっかり準備しておきましょう。
制限時間
「ホームページ」の制限時間は90分です。
制作時間に余裕はありませんので、事前に当日課題を想定した準備(レイアウトや必要なコード等の確認など)をしておく必要があります。
当日課題の概要と作品提出方法
当日課題では、事前課題で制作したサンプルコンテンツを修正・改善します。2019年度東京大会で出題された内容は以下の通りです。
<当日の課題の概要>
- 「作品の説明」への加筆(デザイン審査対象外):
- 旧バージョンと新バージョンへリンクする
- 新たなリクエストに対して何をどのように修正・改善・追加したのかを箇条書きで書く
- 新たなリクエスト:
- 「トップページ」:
- 『サイト内検索フォーム(検索機能)』を設置する
- 「検索ボタン」はわかりやすい表示にする
- 「IOT・5Gで健康と福祉」ページ:
- 『2つの項目(“高齢者の単独世帯化がどのように解決できるのか?”、“どんな介護需給のギャップが解決できるか?”)』のどちらか1つに対して、具体的な先進事例をあげる
- 「お問い合わせ」のフォームページを追加する
- 「トップページ」:
作品提出については、DVD-RWに保存して提出するとともに、競技で使用したPCでも閲覧できる状態にしておく必要があります。