2021/03/15
障害者が企業の創造性と価値に貢献 —アクセンチュアがD&I指数で世界第3位に選出
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国際的に高い評価を得ているコンサルティング企業「アクセンチュア」。障害者雇用においてもダイバーシティ&インクルージョン・インデックス(D&I指数)で5年連続選出され注目されています。
アクセンチュアは障害者雇用が企業の創造性と価値に貢献すると指摘。日本のアクセンチュア株式会社も2019年から障害者の雇用と定着、人材育成などに取り組み始めました。
もくじ
ダイバーシティ&インクルージョン・インデックス(D&I指数)第3位のアクセンチュアが指摘する障害者雇用の重要性
アクセンチュアは世界中に50万人以上の社員と6000のクライアントを持つ世界的なコンサルティング企業です。職場環境の多様性と受容性を基準に上場企業100社を認定するリフィニティブの「ダイバーシティ&インクルージョン・インデックス」(D&I指数)に5年連続で選出され、2020年では世界第3位に選ばれました。
アクセンチュアでは、D&Iに積極的に取り組み、障害者雇用の重要性を指摘。人種・文化・宗教・価値観など、さまざまな社員が所属する中で障害者の可能性にも注目しています。
同社では2018年に障害者雇用の実態について調査を実施しました。障害者雇用が社会的課題を解決したり、雇用されている企業の企業価値の向上に貢献したりすることを発表。障害者雇用に積極的な企業では、競合企業よりも収益、純利益、利益率が高いという結果になりました。
また、障害者雇用の経済的効果として以下のことも指摘しています。
“障がい”から得たイノベーションやインサイトは障がいを持っていない人にも当てはまる。そして、それらが商品開発やメッセージングとして効果的に使われれば、会社全体のROIとなりうる。
(出典)アクセンチュア「障害者雇用の義務と経済効果」スライド ([2020/09/25] 障害のある人の就労 オンラインシンポジウム ~withコロナ時代の企業における就労を考える~)p.8
国際的な障害者雇用の事例としては、技術者全員が発達障害をもっているハリウッドのスタジオなどを紹介。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』などの映画製作で映像加工を担い、画面に映り込んだ撮影用装置を消して周りの景色を描き直すなどの緻密な作業を行っているとして、障害特性を活かした専門的スキル活用の可能性を示しました。
障害者雇用にあたり、同社が指摘する重要なポイントは4つです。
- 障害者雇用の位置付け・意味合いを再定義する
- 『障害者は環境がつくる』ことを踏まえて、企業内の環境整備を行う
- 障害者に対する理解と受け入れ態勢を構築する
- 障害者の生産性を見える化し、教育環境を整備して向上を図る
では、アクセンチュアではどのような障害者雇用の取り組みを行っているのかを見ていきましょう。
アクセンチュアの障害者雇用に関する取り組み(日本)
アクセンチュアは2019年に障害者雇用に特化したオフィスを立ち上げ、精神障害者・発達障害者を中心に雇用を進めてきました。業務は、アクセンチュア社員の業務負荷軽減率が高く難易度の低いものから優先的に切り出しています。
<アクセンチュアで障害を持つ社員が担当する業務例>
- 経費入力
- 名刺入力
- システム稼働前テスト
- AIのログ精査
- RPA化補助(入力作業)
- プロジェクト資料登録成果物の加工(社名・数字等削除)
- PJ契約情報の更新
- プロジェクト予算消化月次報告
日本では、社員の「成長」と「貢献」を促す6つの観点から取り組んでいます。
<アクセンチュアの障害者雇用における6つの観点と具体的な取り組み>
- 環境を創る
- サテライトオフィスを立ち上げる(聴覚過敏などに配慮し騒音が少ない環境・休憩スペースにデスクとソファを設置)
- 運営を支える体制をつくる(事業部から業務の切り出し・人事やジョブコーチなどが支援し、オフィスのリーダーと障害をもつ社員が業務を遂行する)
- 仕事を創る
- アクセンチュア社員の業務負荷軽減率が高く難易度の低い業務から優先的に切り出す(システム稼働前テスト、RPA化補助、データ入力など)
- アクセンチュア社員の業務負荷率高&やや難易度が高い業務や、業務負荷率中&難易度が低めの業務などへ順次職域を拡大する
- 個人の「成長」を促す
- 生産性と品質を見える化する(初週、2週目、3週目、4週目、5週目のパフォーマンス推移を、業務の精度とスピードのマトリックスで評価し、課題解決に向けた対応を付記する)
- 個人別稼働率一覧を作成し、本業務にかけた時間・業務外の作業にかけた時間の比率をグラフで示す
- キャリアを創る
- 仕事を組み合わせる
- 「貢献」を可視化する
- 作業時間と作業依頼元の作業時間から、削減時間と金額で貢献度を算出する(依頼元にとって業務負荷が高いものを担当するほど貢献度が高くなる
障害をもつ社員が新しく業務を担当する際、はじめは多くのミスが出ました。同社では、それを視覚化し、「チェックリスト導入+ダブルチェック」で対策。ミスの内容も見える化して業務に繰り返し取り組むことによって、効率的な業務遂行ができるようになったとのことです。こうした流れを示したものが、以下の図です。
(出典)アクセンチュア「障害者雇用の義務と経済効果」スライド ([2020/09/25] 障害のある人の就労 オンラインシンポジウム ~withコロナ時代の企業における就労を考える~)p.17
また、障害をもつ社員が会社への貢献度を把握しやすくするため、担当する業務の工数に応じて「貢献金額」が決まる仕組みも導入。「業務貢献度」が数字で分かるため、社員のやりがいと成長につながり、好循環が生まれるとしています。
障害者雇用と活躍については、日本だけでなくアクセンチュア全体としての取り組みも実施しています。
たとえば、障害のある社員を含むシニアリーダーでダイバーシティ・カウンシルを構成し、四半期ごとに目標を設定。障害のある社員の採用・定着・キャリアアップに用いるスコアカードを確立しました。
また、アクセシビリティ・カウンシルを設立し、アクセシビリティを高める技術を世界のアクセンチュア全体で活用できる仕組みも整備しています。
【参考】
[2020/09/25] 障害のある人の就労 オンラインシンポジウム~withコロナ時代の企業における就労を考える~|(一社)日本支援技術協会
Accenture|The Valuable 500
アクセンチュアの企業理念
アクセンチュアには「パーパス」と「コアバリュー」が設定されています。「パーパス」は最も大きな方向性を示すもので、「コアバリュー」はビジネス倫理規範を示すものです。
<アクセンチュアのパーパス>
テクノロジーと人間の創意工夫で、まだ見ぬ可能性を実現する
<アクセンチュアの6つのコアバリュー>
- クライアント価値の創造
- クライアントがハイパフォーマンス・ビジネスを実現できるようにする
- クライアントの期待に応え、深く関与し、首尾一貫した価値を提供することで長期的な関係を築く
- ワン・グローバル・ネットワーク
- 世界中どのクライアントに対しても最高のサービスを提供するために、国際的な見識、関係、連携、知識を効果的に活用する
- 個人の尊重
- 人々の多様性を認め、一人一人の独自の貢献を尊重しながら、オープンで、信頼しあい、受け入れあう環境を作り上げる
- アクセンチュアの価値観を反映したやり方で一人一人に接していく
- ベスト・ピープル
- 最高の人材をひきつけ、育成し、引き留める
- 社員の意欲を駆り立て、“Can Do”という姿勢を発揮させ、協力的で相互に支え合う環境を作り出す
- インテグリティ
- 倫理的に確固たる態度で、正直に振る舞い、信頼を築き上げる
- 意味することを正確に伝え、言行を一致させ、責任を持って行動する
- スチュワードシップ
- 次世代のために、より持続性のある強く優れた企業を築き、アクセンチュア・ブランドを守り、利害関係者との約束を果たし、オーナー意識をもって行動し、人材を育成し、地域社会と地球環境の改善を支援する、という私たちの責任を果たす
【参考】
アクセンチュアについて|アクセンチュア
日々の責任ある行動のための指針|アクセンチュア
アクセンチュアの主な事業
アクセンチュアは大きく分けて4つの領域で事業を展開しています(2020年12月1日時点)。
- ストラテジー&コンサルティング
- 戦略コンサルティング
- 業界コンサルティング
- 企業部門コンサルティング
- AI(人工知能)
- インダストリーX
- 人材と組織
- デザイン
- イノベーション
- インタラクティブ
- テクノロジー
- ソフトウェアエンジニアリングサービス
- インテリジェント・プラットフォーム・サービス
- クラウド
- モダナイゼーション
- ITアウトソーシング
- セキュリティ
- オペレーションズ
- 経理・財務・経営管理
- コンプライアンス・アズ・ア・サービス
- 調達
- サプライチェーン
- タレントマネジメント・人事
- マーケティング
- セールス・カスタマーサービス
- ヘルスケア
【参考】
会社概要・地図|アクセンチュア