2021/04/03
それぞれの違いを大切にする「Adobe For All」で障害者などの雇用推進へ —Adobeが2020年「公正な企業100社」第10位にランクイン
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デザイン系の業務で必要不可欠なPhotoshopやIllustrator。世界的に利用されているソフトウェアを提供しているAdobe社も障害者雇用に取り組んでおり、2020年の「公正な企業100社」「最も多様性を尊重している企業」などにランクインしました。
米国カリフォルニア州に本社を置き全世界に2万人以上の従業員を抱えるAdobeは、どのような方針で障害者雇用を推進しているのでしょうか。
もくじ
2020年「公正な企業100社」「最も多様性を尊重している企業」などにランクイン
クリエイティブな現場を中心に不可欠なソリューションを提供し続けているAdobeは、SDGsへの取り組みや雇用する従業員の多様性などでも高く評価されています。
2020年では、 Just Capital「公正な企業100社」(第10位)にランクイン。「公正な企業100社」は、Forbesと非営利団体Just Capitalが提携し発表しているランキングです。米国のトップ上場企業を対象とし、各種報告書・アンケート・クラウドソーシング型データベースで得たデータをもとに判断されました。
他にも、
- Forbes「最も多様性を尊重している企業」
- Comparably「ベストソートリーダーシップ」(第5位)
- WayUp「インターンシッププログラムのトップ100」
などにもランクインしています。
また、米国障害者協会(AAPD)とディスアビリティ・インが合同で実施しているDisablity Equality Index(障害平等指数、DEI)調査では、100点満点を獲得しました。
【参考】
The just 100: Companies Doing Right by America|Forbes
Disability Equality Index reveals 2020 “Best Places to Work for Disability Inclusion”|Intrado
Adobeのダイバーシティ&インクルージョンの取り組み「Adobe For All」とは
Adobeは採用活動において「機会均等雇用者」として積極的差別是正措置を講じ、
「人種、宗教、肌の色、出身国、性別、性的指向、年齢、軍歴、障害、法が保護するその他の特性をもとに差別することはありません」と明言。この施策として掲げられているのが「Adobe For All」です。
「Adobe For All」と障害者雇用
Adobe For Allは
- 性別、人種、経歴、障害などで従業員を差別しない
- それらの違いが企業に大きなメリットをもたらす
という信念のもとに実施されています。
障害者雇用については、具体的に以下の3点を掲げました。
<Adobe For Allにおける障害者雇用>
- 積極的な障害者雇用を進める
- 障害のある従業員をサポートする
- AdobeのCCF(Common Controls Framework)のアクセシビリティを強化する
CCFとは、さまざまなセキュリティ対策とコンプライアンス対策を1つにまとめたもの。Adobeの製品オペレーションチームだけでなく、インフラやアプリケーション担当チームなどにも導入されています。
Adobe For Allは障害者を含む全ての人々を対象としているため、障害者雇用が特別に強調されているわけではありません。性別や出身、経歴などに対する差別を避けるのと同様に、採用や雇用において障害者差別が避けられています。
それがより明確に分かるのが「Adobe For All in Action」です。
<Adobe For All in Action>
- Appreciate the Unique(個々人の違いを認める)
- Amplify Others(他者の声を尊重する)
- Enhance the Team(個々の違いがチームに与える付加価値について考える)
- Rethink Routine(会議やイベントでの公平性を意識する)
- Open Up(必要なことを伝え意見を聞く)
たとえば、Enhance the Teamでは、採用の際に全ての応募者に対して、一貫して重要な職務基準となる項目に沿った同じ質問をするよう呼びかけています。
Rethink Routineでは、女性など特定の属性をもつ人々に議事録係や会議室の手配などが任されやすいことを問題視。「信頼できる」社員だけでなく他の社員にも任せ、うまくいかなかった場合でも「どうすればもっとうまくできるか」をフィードバックすることの重要性を伝えました。同時に、成長機会を管理職などの「スター社員」にばかり与えるのではなく、ローテーションでさまざまな従業員に与えるよう提案しています。
Open Upでは、フィードバックを与える・求めることの重要性を強調。建設的なフィードバックとは「その人のキャリアにとって直接実行可能なものであること」を前提に、直属の上司だけでなく同僚、利害関係者なども真面目にフィードバックを行う必要があるとしました。もちろん、部下が上司に対してフィードバックを与えることも推奨されています。与えられた課題や指示されたやり方、自分が成長したい分野を伝えることなどです。
毎年開催する「Adobe For All Summit」では、障害をもつ従業員自身が自らのバックグラウンド、価値観、スキルなどを伝え、障害のある従業員も障害のない従業員と同様に尊重されるべき人々であることを知る機会を提供しました。
障害をもつ顧客やサプライヤー、クリエイターに対する取り組み
Adobe For All 以外でも、たとえば同社の公式サイトでは、すべてのユーザーが利用できるWebサイトを目指しています。もしサイトの利用や応募などで支援が必要な場合、Eメールか電話で連絡を受ければ利用者や応募者のサポートを行っています。
Adobe の取引先についても「サプライヤー・ダイバーシティ・プログラム」を開始。女性、マイノリティ、退役軍人、LGBTQ+コミュニティのメンバー、障害者が過半数を所有・運営していると認定された企業からより多くの製品やサービスを購入してきました。
Easterseals Disability Film Challengeのスポンサーとして映画製作に関わる障害者の評価・プロモーション・機会なども提供。障害をもつ人々が自身のストーリーを伝えたりキャリアアップしたりすることをサポートしています。
【参考】
Movement to Put Disabilities on the Business Leadership Agenda|Adobe
採用情報 募集ポジションを見る|Adobe
Adobe For All in Action|Adobe
Adobeの企業理念
Adobeには4つのコアバリューがあります。
<Adobeのコアバリュー>
- Genuine 真摯:顧客、取引先、従業員、自分の家族に対して誠実で、信用できる
- Exceptional 卓越:卓越した体験を生み出し、顧客や他の従業員の期待を越えた対応を目指す
- Innovative 革新:高度に創造的で新たなアイデアを現実的なビジネスにつなげる
- Involved 活動:様々な人々を受入れ、オープンな態度でお客さまやパートナー、他部門および所属するコミュニティと積極的にかかわる
これらのコアバリューは、従業員それぞれの違いを尊重し、その違いこそがAdobeにとって大きな力となることを示しています。それを語ったのが、以下のナラヤン氏の言葉です。
“Adobe’s values — genuine, innovative, involved, and exceptional — are built on the foundation that our people and how we treat one another are what make us a great company. Diversity is about valuing the unique life experience that every employee brings to work every day. Our success is dependent upon it.”
(AdobeのコアバリューであるGenuine、Exceptional、Innovative、Involvedの基礎は、社員と社員への接し方こそがAdobeを偉大な企業にするのだという考え方です。多様性とは、それぞれの社員が日々職場に持ち込むユニークな人生経験を大切にすること。そこに私たちの成功がかかっているのです。)
シャンタヌ・ナラヤン(Adobe会長・社長・CEO)
出典:What we believe | Adobe
【参考】
アドビについて|Adobe
Adobeの主な事業
Adobeの主な事業内容は、ソフトウェアおよび関連サービスの提供です。
- デジタルメディア事業
- デジタルエクスペリエンス事業
- 出版事業
の3つの事業を手掛けています。
現在、同社が提供する大きなサービスとして以下のものがあります。
- Creative Cloud
- デスクトップアプリ、モバイルアプリ、各種サービスやコミュニティをクラウド上でシームレスに連携する総合クリエイティブプラットフォームの提供
- Experience Cloud
- デジタルマーケティングを中心とした顧客体験を提供するためのあらゆる要素を備えた包括的クラウドサービスの提供
- Document Cloud
- Adobe Acrobat DCと電子サインサービスAdobe Signを中心に構成されるドキュメント共有とワークフローの効率化のためのクラウドサービスの提供